はたまた母親講座」カテゴリーアーカイブ

第36回 地図の勉強

■4年生のときにやって、それからあまり触れずにくる範囲に地図の見方があります。これが意外に入試に良く出るのをご存知ですか。

■毎年、各校の入試問題を眺めていると数校は地図記号の問題や、等高線の間隔、あるいはもう少し発展して町の発展の仕方などを10年前の地図と現在の地図で比較させるなどの問題が出ます。ところが、意外にこの対策を忘れてしまうことが多いのです。あまりに最初に出てくるので、それから復習しないで終わってしまう可能性がありますから、確認してください。

■同様に地図を描くという問題も出題されます。特に多いのが日本地図を描きなさいという問題。これは塾で練習しましたが、まあ、不ぞろいな日本がたくさん出てきました。もちろんフリーハンドで描くのですから、見事な地図ができるわけではありませんが、それでもある程度長さの割合を知っておくと、うまく描けます。ある中学校では3年連続してこの問題が出題されたことがありました。

■地図は地理の基本事項です。細かい知識を覚えることも必要ですが、地図の勉強の中で私が大事に思うのは地図をどう使うかということです。入試問題も実は最近、その方向を向いています。単に等高線の間が何mというよりは、ここから読み取れることは何か?という問題ですね。

■この問題は思考力を問う問題としてはなかなか優れています。そして、最近増加している記述問題とあわせて出題すれば、思考力についてはっきりとした力の差が読み取れるでしょう。ただやはり地図を見慣れている子が強い問題です。子どもたちと旅行にいくとき、地図を子どもたちに見せていましたか。カーナビばかりだと、「地図の読めない子どもたち」を育ててしまうかもしれませんね。

■6年生のお子さんは、もうすぐですから、対策を忘れないようにしてください。5年生以下のお子さんは、地図を持たせて、たまにはドライブなどどうでしょうか?
(平成14年10月19日)

第35回 自学自習のくせ

■先日、あるテスト塾の責任者の方とお話をしたとき、最近の子どもたちは自学自習のくせがつかなくなっているのではないかという話になりました。今は塾や個別指導、家庭教師などいろいろな教育サービスがあり、そこでまるがかえしてもらった方が親は楽です。ですから塾の方でも週4日、5日と通塾する日が多くなってきているのですが、その裏返しで子どもが自分で自分の問題を解決する力がだんだん減ってきているのではないかという気がしているのです。

■中学入学後も勉強は続きます。したがって学校で習ったことを自分で復習したり、あるいは予習したりして、その中から自分がわからないことを調べたり、質問したりして解決する能力はどうしても必要です。しかし、小学校のころに手取り足取りしてもらうと、自分で自分の勉強のやり方を作れないまま、中学校に進学し、そのせいで中学の成績がふるわない子が少なくありません。

■どこがわからないのか、これは自分で考えてみないとわかりませんし、そういう苦労を繰り返すことによって、自分で自分の問題を発見し、解決する能力が培われてきます。ですから、たとえ親が楽であったとしても、過度の通塾は後々問題を残す可能性があるのです。せっかく私立に入っても、また塾通いになったりするのは、あまり良い方向性ではありません。

■私はやはり受験を通じて、自学自習のくせをつけることが重要だと思います。特に受験勉強は効率的に進めなければいけないのですから、自分のできることを塾でやってもらっても効率が悪いのです。自分のわからないことは、どこだということを自分で発見し、積極的に質問したり、参考書を調べたりすることができるようになれば、自然、成績も上がってくるし、時間の使い方も上手になってきます。

■特に6年生はこの時期、通塾が多くなっているのではないでしょうか。しかし、本当に効率的に子どもたちの問題を解決できているのかというと多少疑問を感じざるをえません。むしろ、この時期、しっかり自分の机に向かって、過去問に取り組み、その中から自分の不得意分野をとりあげて、参考書や問題集で集中的にマスターすることが大事です。それを怠って単純に塾に通わせていても、成績は上がらない場合があるので、注意が必要です。

■よくお話することですが、与えられると自分で得る努力をしなくなるものです。ですから、子どもに対して与え方は十分に気を使わなければならないのです。
(平成14年10月12日)

第34回 ていねいな子、雑な子

■模擬試験などの結果を見ていると、やはりていねいな子の方が点数がよく、雑な子はミスが多くて意外に点が伸びないことが多いものです。ていねいな子というのは、授業中は目立たないのですが、実際に成績を見てみると上位に顔を出してきます。

■ていねいな子はおとなしく、雑な子は才気煥発であることが多いので、授業中できる子が試験で成績がとれるとは限りません。入学試験では試験の結果がすべてですから、合格するためにはていねいさを身につけることがとても大事になります。

■ていねいさの基本は、まず字。字をていねいに書く子は、ていねいさを持ち合わせています。ていねいに書こうと思うのは、じっくり考えていこうという態度のあらわれです。逆に雑な子は、せっかちですから、とにかく書いてあればよいという感じになりやすく、自分の書いた0を6と見間違えるのです。

■では、どうやって雑な子に字をていねいに書かせ、ていねいにとかせる練習をさせればよいのでしょうか。ここで効果的なのが記述式の算数です。しかも、少しむずかしめの算数の問題を過去問などから用意し、白紙のノートに式や説明を書きながら解かせていきます。もちろん記述式ですから、たくさんの問題を解けるわけではありません。しかし、毎日1~2題の記述式問題を解いていくと、そのくせがついていきます。

■かんたんな問題だと、すぐ頭の中で考えつくので、解答を書くのが面倒になります。ところがむずかしめの問題だとやり方がすぐ思いつかないので、じっくり考えることになり、式をていねいに書かないと、途中でわからなくなるのでだんだん、ていねいさが身についていきます。

■やることがたくさんあるでしょうが、ていねいさは合格にどうしても必要な要素です。特に直近の模擬試験でミスだらけだったお子さんについては、ぜひ試してみてください。
(平成14年10月6日)