はたまた母親講座」カテゴリーアーカイブ

第33回 合格可能性

■そろそろ模擬試験の結果が返却されてきたのではないかと思います。成績はいかがでしたか。

■最近の模擬試験はすべてコンピューター処理されてグラフィカルに表示されています。その中で合格可能性の数字がでてきています。この数字が実に気になりますね。しかし、この数字はどうやって計算されてきたのでしょうか。

■基本的には総合偏差値によって算出されます。昨年の模擬試験の受験者を追跡調査し、どの偏差値の子どもがどのくらいの学校に合格したのか、不合格であったのかを調べます。その結果として同偏差値で80%以上の生徒が合格したラインを計算し、その一番下を80%ラインとします。そこから今度は順に70%、60%と偏差値上で帯をつけて、算出するのです。したがって合格ラインに90%というのはありません。

■で、これがあたるのかあたらないのかといえば、あたる学校もあるし、あたらない学校もあるというのが本音です。各学校にはそれぞれ入試傾向があり、その傾向とその模擬試験が合致していれば、ある程度の受験者がいれば、その数字は信憑性があるといえます。

■一方で記述式が多いのに選択式だったり、知識はあまり出ない学校なのに知識の多い問題だったりすると、たとえ合格可能性が高くても、心配な部分はあります。もちろん1回の試験だけでは決められません。各塾が模擬試験を数回行っているのは、複数回の中からデーターをとることで、平均化しようという狙いがあるからです。

■複数回やれば当然、成績が上向きなのか、下向きなのかがわかります。上向きであれば、多少不足していても本番には間に合いますし、下向きであればたとえ現在は越えていても逆転される可能性があるのです。したがって絶対的な見方はせず、総合的に考えて受験校を選んであげてください。
(平成14年9月28日)

第32回 知識の覚え方

■理科や社会は知識を覚えなければなりません。算数が得意な子は結構、暗記物が苦手で苦労します。うまい学習法を考えなければなりません。

■一番効率が良かったのは、一問一答形式の問題集です。「宮崎市の中心を流れる川は?」「大淀川」という非常に短い質問を繰り返すことによって定着させていくのは効果がありました。ついでに言えば、これをゲームに仕立てて遊びながらやると子どもたちは思い切りがんばるようになります。

■例えば、お母さんが出題者、問題集をもって、「それでは第一問、鎌倉幕府が滅びた年は何年?」なんていってあげると、結構子どもたちが乗ってきます。「ピンポーン」が正解「ブー」が不正解などと決めて、いっしょにやってあげてください。こういうのが意外に効果があるのです。

■ただし、一通り覚えてきたら、今度は答えを書かせてみましょう。というのは「ことば」で覚えていても、書けない場合があるからです。例えば歴史の漢字については、私はなるべく漢字で覚えてもらうようにしていました。親鸞の「鸞」も書けるようにしていました。というのも、漢字を覚えると、なかなか忘れないからです。「しんらん」だとふとした拍子に出てこなくなったりするのですが、字を覚えていると「糸、言、糸で下が鳥」なんて入っているので、なかなか忘れないのです。

■ただし、暗記物も入試問題に答えられてはじめて力になるのですから、ある程度まで覚えたら、過去問で確認することが大切です。そうすると子どもたちは良く出る知識があることに気がつきます。良く出る問題は何回も答えますから、過去問をやればやるほど、良く出る知識が身につくのです。

■秋の学習法は、過去問、暗記、復習の3点です。これが相乗効果をもたらして、最初断片的であった知識がつながってくるのです。最初のうち、暗記はどうしても面倒なもの。ここはお母さんが良いコーチぶりを発揮して、ぜひ楽しく勉強してください。そういえば、昔ウルトラ横断クイズという番組をもじったおもちゃがあって、ボタンを押すとピンポンとなるので、良く使っていました。こういう小道具も結構役に立つものです。
(平成14年9月21日)

第31回 6年秋の勉強法

■秋は総復習の時期です。どの塾でも1学期までに一応すべてのカリキュラムは終了します。さあ、復習と思ってやり始めてみると、やることの多さに愕然とすることが多いのではないでしょうか。私が教えていたとき、9月から社会の知識を地理からやり直しますが、みんな、しっかり忘れていて、再度覚えてもらうのが大変でした。

■秋の学習のポイントは過去問、暗記、復習の3点です。過去問は第一志望、第二志望くらいまでの学校を過去10年分、できれば2回はやりたいところです。そして暗記。これはまあ、しっかり忘れていることが多いですから、知識のまとめのようなテキストを用意して、それを徹底的に繰り返すことです。塾でカード式の暗記教材を用意しているところもありますが、大事なのは手を広げすぎないこと。あれも、これもと思っても結局時間が不足します。ですから、完璧に仕上げるものを決めて取り組むことです。

■復習は、塾の授業の復習を大切にしてください。せっかく授業でやったところは、時間をかけたのだから、その分確実に身につけることが大切です。授業をほったらかしにせず、わからなかったことはやり直しましょう。あまりたくさんわからないことが出てくるようならレベルがあっていないことになりますから、一度塾の先生に相談しておいた方が良いでしょう。消化不良になると、子どものモチベーションも悪くなりますから、注意が必要です。

■子どもたちの机の上や本棚にはきっと、たくさんの教材が並んでいることと思います。これも一度整理した方が良いでしょう。あれもやってない、これもやってないは精神衛生上あまりよくありません。これだけやり通すというものだけを残して、後は片付けてしまいましょう。

■もう一つ大切なのは計画です。夏休みの勉強をした時は計画を立てたと思いますが、秋は学校行事も忙しく、なかなか計画通りにならないので、計画を最初から立てないという人もいます。しかし、これはあまりよくありません。過去問、暗記、復習をどうやっていくのか、確実に終わらせる内容に絞って計画を立てて、しっかり実行してください。

■この時期は模擬試験の成績が出てきますから、親も子も精神的に不安になりやすいもの。だからこそ、試験の成績に一喜一憂せず、決めた学習計画をコツコツ続けていくことです。11月ごろから明らかに成績があがってきます。合格のゴールデンカーブなんて言っていましたが、そうなれば子どもにも自信がつき、良い結果につながるでしょう。
(平成14年9月14日)