はたまた母親講座」カテゴリーアーカイブ

第30回 夏休みの成果

■夏休みを終えると、模擬試験のシーズンです。これからいろいろな塾で模擬試験が行われ、結果が返ってくるわけですが、夏休みにあれだけがんばったのに、あまり成績が伸びていないケースが結構あります。お母さんはがっかりですが、でもあまり心配する必要はありません。

■秋口は、勉強した内容が十分定着していないのです。夏休みはいろいろな勉強をしました。知識も覚えたし、解き方も勉強しました。でも、それがまだうまく整理できていない、あるいは本当の知識になっていないのです。これはこれから過去の入試問題などを解いていくことによって定着してきます。夏休みの勉強が無駄になったわけでは決してありません。

■もうひとつ注目しなければいけないのが得点力。理解したということと得点を取るということはやはり違うのです。よく模擬試験でおこることですが、会場ではできなかったが、家に帰ってやりなおしてみるとできることが多いのです。つまり理解はしていても、得点できないということですね。問題の読み違い、計算ミス等もあって間違うことも少なくありません。

■では、得点力をあげるにはどうしたらよいでしょうか。やはり過去の入試問題を解いていく勉強が一番効果があります。ただし、やってやりっぱなしはだめ。問題を解いて、マルつけを済ませたら、必ず間違い直しをします。そのとき、どうして間違えたのか原因をつきとめておき、その対策を考えておくことです。

■問題の読み違いをしたら、問題にアンダーラインを引いたり、あるいは解答を書く前にもう一度問題を見直すなどの工夫をしましょう。そして、また次の問題に向かうのです。ひとつひとつの工夫が本当に自分でできるようになってくるとミスが減り、得点力がついていきます。

■入試は難しい問題ができるから合格するのではなく、やさしい問題を間違えないから合格するのです。これから夏の勉強の成果をあげるためにていねいに問題に取り組んでください。
(平成14年9月7日)

第29回 親が教える効果

■夏休みも今日で終わりですね。この夏休みにお母さんやお父さんがお子さんの勉強をみられた方も多かったのではないかと思います。いかがでしたか?

■親が教えるとき、一番難しいのは距離感です。他人が教えるときはそこそこに遠慮があるので、教えたことがわからなくても「じゃ、もう一度やってみよう」ということになるのですが、親だともっと距離が近いものですから「ちょっと、ちゃんと聞いてた?」という感じでものをいってしまい、言われた子どものほうもムッとして、「お母さんとは勉強しない!」なんて始まってしまうものです。

■ただ、私は最近、お父さんやお母さんが教えることは実はとても大事なことではないかと思えるようになってきました。中学生や高校生になると、子どもたちと勉強することはもうあまり、ないでしょう。ある意味、これが最後のチャンスなのです。何人もの方がお子さんの中学受験の経験を出版していらっしゃいますが、多分、とても楽しい経験だったからではないかと思うのです。

■教える側と教わる側が同じ目標を持って努力するという場面はなかなかありません。そういう意味で、お父さんやお母さんが勉強を見てあげるのはきっと良い経験だと思うのです。それに子どもたちがやっている勉強をいっしょに勉強してみると、結構大変なことをやってるんだなということもわかってきて、子どもたちの気持ちもわかるようになります。きっと子どもたちは、そんなお父さんやお母さんともっと話をしたくなるでしょう。

■いっしょに勉強するときのコツは、「ほめる言葉を多くする」ということです。親にはこれが難しいのです。「ほめるとのぼせるから」というのがその理由ですが、ほめられればそれだけ子どもが積極的になるのですから、良いのです。むしろどんどんほめて、どんどん積極的にしてあげるべきではないでしょうか。

■むしろ子どもに対してきつい言葉をいうのは親が子どもに甘えているのです。きつい言葉をいっても「親子だから」というただそれだけの理由で許されてしまうと感じがちです。教えるときはその自戒をしっかり持って、子どもたちと楽しい時間を過ごしてください。
(平成14年9月1日)

第28回 過去問のやり方

■夏休みに過去問の勉強をすることはとても大切です。よく力試しにとっておこうと考える方がいらっしゃいますが、そんな必要はありません。力試しは模擬試験など、いくらでもあります。それよりも早く第一志望の入試傾向を勉強することが大切です。

■夏休みに過去の問題をやるときは、あまり時間を気にせずじっくり問題に取り組んでください。特に難しい問題に関しては、ときあげることよりも、解説や解答をしっかり読む勉強をしたいところです。

■夏休みはようやく一通りの勉強が終わった段階ですから、まだまだ問題が良く解ける時期ではありません。ですから、解答を読む事によって、いろいろな発見をしてほしいのです。こういうとき方もある、この前習った事はここに使えばいいんだ等、問題を経験することによって、理解が深まっていきます。

■この時期は、テスト練習をしている段階でもないので過去問をやると、問題の読み違い、計算違いなど、ミスの連発もおこると思います。それにいちいちため息をついている場合ではなく、むしろそういう経験の中で、どうすればミスを防げるのか、いっしょに考えていかなければならないのです。

■夏休みに勉強する学校は第一志望中心です。手を広げるとしても、自分の目標とする学校のレベルに合わせていくべきで、いわゆる「安全圏」の学校は、この時期あまりやる必要がありません。今の成績では少し合格が難しいと思われている第一志望レベルの学校にじっくり取り組んでください。

■勉強しているとき、お母さんは子どもたちに言う言葉に気をつけてください。
「こんなんじゃ、だめだから、第一志望変える?」なんて最低です。勉強は、まだ始まったばかりですから。
(平成14年8月25日)