子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第24回 国語の文章読解の考え方

■国語の文章読解は得意ですか?漢字やことばの問題はそれなりにできるが、読解は不得意という人は決して少なくはありません。ただ、子どもたちが読解問題を解いているのを横で見ていると、難しく考えすぎているように感じられます。文章読解の問題があまりできないという人は、少し考え方を変えてみましょう。

■文章読解の問題は、問題文にすべての根拠があります。ここにこう書いてある、ここでこう説明している、だから正しい答えはこうでなければならないというのが考える筋道です。どこからか答えの根拠を考え出すのではなくて、問題文の中から根拠を見つければよいのです。

■例えばAという人はこう考える、Bという人はこう考えた、それは両方とも正しいというのは読解の問題ではありません。(そういう問題は詩の読解や感想文を書くという点では出題されることがありますが、ここで考える読解問題とはやや性質が違うものです。)ですから、正しい答えにたどりつくヒントはすべて問題文にあるのです。逆に言えば国語の読解問題は、解答の根拠を文章中からさがすということで大半が解けるのです。

■聞かれていることについて、必ず文中にその根拠があると思ってかまいません。そこで読み進む段階で、大事だと思われるところに傍線をつけて読んでいってください。例えば説明文や論説文では、作者の一番いいたいことはここだな、とか、物語文で登場人物の感情を描写しているところはここなどというように線を引いていくのです。傍線部をつけて読んでいくことによって、書かれている文のポイントが視覚的につかみやすくなります。

■そして問題を読む段階で傍線部がたくさんヒントになっていることに気がつくはずです。後はそこから、選択肢にしろ、抜き出しにしろ考えていけば、正しい答えにたどりつけるでしょう。後は練習です。入試問題やテキストの問題を解きながら、自分なりに解き方を工夫してみてください。ある程度、練習すると国語の力がずいぶんついていることに気がつくと思います。

(平成17年6月20日)

第23回 じっくり考えよう

■子どもたちが算数の問題を解いているのを見ていると、やはり粘り方には個人差がだいぶあるようです。ちょっと難しい問題になると「あ、これはできない、無理、無理」とほうりなげてしまう子もいれば、何とかできないかと一生懸命考えている子もいます。おもしろい子になると、何とか数字をあてはめて、答えを出そうとしている子もいます。「だいたい、12の倍数が答えは多いんだよ」(うん、それは真理かも。)

■あてはめても答えを出そうとする子は、「無理、無理」とあきらめてしまう子に比べれば絶対にできるようになります。算数という科目は、何問解いたかということよりは、どのくらい真剣に考えたかということで、力が伸びる科目ですから、いかに日ごろからあきらめずに考えるかが大事なポイントなのです。

■算数の指導でいえば、あまり解説をしない方が子どもたちの力はつきます。ただ、時間には限りがあるので、1問に1時間も2時間もかけられるわけではありませんから、ある程度の時間で私も解説をしていますが、本当を言えば「教えたくないなあ」とよく思います。

■「先生なのに、教えないなんて職場放棄だ!」とみなさんは思うかもしれませんね。でも、教えてもらうということは、自分で考える時間が少なくなってしまうことでもあるのです。もう少し粘って考えたら、自分の力で解けるかもしれない、と私は常々思います。だって自分の力で解けたら、私の解説を聞くより、よく「わかる」からです。

■受験がせまるにつれて、たくさんの問題を解かなければならなくなりますから、一問一問にあまり時間がかけられないかもしれません。でもかけられる限り、しっかり時間を使って、ぜひ粘って考えてください。こんなやり方はどうだ、これならどうだというように試行錯誤を繰り返しながら解いていく、その過程でみなさんの考える力は養われているのです。

■実際に「無理だ」と放り投げてしまうと、そこで成長はストップします。「いや、何か解ける方法があるはずだ」と真剣にやると、たとえ答えが出なくても考える力はつくのです。それに真剣に考えると、ちょっとヒントをもらうだけで「あ、もういいです。後は自分でやります」という気持ちになるもの。そうすると、実はかなり力がついてくることになるのです。少なくも、今よりもうちょっと粘って考えてみてください。

(平成17年6月13日)

第22回 途中の式をしっかり書く

■算数の問題を解くとき、途中の式や考え方を書いていますか?問題が簡単だと、じーっと頭の中で考えて、答えだけ書く人もいますね。しかし勉強が進むにつれて、問題も複雑になったり、難しくなったりします。ですから、途中の式や考え方をていねいに書いていくとき方をぜひ身につけてほしいのです。

■最近の入学試験では採点の方法が変わってきています。今までは答えがあっているか、間違っているかだけを見て採点していたのですが、途中の式を見て加点する採点方式を取り入れる学校が増えているのです。

■途中式を見て、加点する方式で採点すると、最後の計算で計算間違いをした人は救われることになります。もちろん満点というわけにはいきませんが、正答した人との差は大きく開かなくなるのです。

■この方式で採点すると、算数の力がある程度ある子どもたちは、一定の点数が取りやすくなります。しかも式をていねいに書くと、考え方を間違えたり、ミスを犯す確率が減ってくるのです。というのも、ひとつひとつ、順序だてて考えることになりますし、計算の工夫もやりやすくなるので、実際に得点が取りやすくなるのです。

■それに最後まで解ききれなくても、途中までの考え方に加点されますから、そこそこの点数はとれることになります。一般的に中学入試の合格点は5割から6割5分の間ですから、途中加点があることによって合格点を取りやすくなるのです。

■途中式を書くということは、試験のときだけできるものではありません。やはり日ごろから練習していないとなかなかうまくいかないものです。ですから、毎日の勉強の中で、ていねいに式や考え方を書くようにしてください。面倒だと思わずに、ていねいに書いていくことでみなさんの合格可能性は確実に上昇するものなのです。

(平成17年6月6日)