子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第21回 字をていねいに書くくせをつけよう

■字はていねいに書きましょう。「試験の受け方」でもお話しましたが、自分の書いた字を見間違えるミスが多いのです。これを防ぐには字をていねいに書くしかありません。しかも字をていねいに書けば、ミスが減るばかりでなくもっといろいろな効用があります。

■入学試験は採点してもらうものです。採点の先生ももちろんていねいに読もうとはしてくれるでしょうが、しかし皆さんの書いた字を見間違えてしまったらどうします?この場合、まぎらわしい字を書いた子が悪いということになって、点数はもらえません。だから採点の先生がみなさんの書いた字を読み違えることなく、そのまま伝えられるようにしなければなりません。みなさんが書いた字はだれもがわかる字になっているでしょうか?誰が見ても、この字だと理解してもらえるのはひとつの大事な効用です。

■さらに字をていねいに書くと、自分の考えが整理されていきます。「あ、そうだ」と何かをヒントに問題を解き進んだときに、字をていねいに書くくせがついていないと、つい書き急いでしまい、自分の書いた字がよくわからなくなって、自分が今気がついたことがわからなくなってしまうことがあるものです。

■字をていねいに書きながら解き進むと、書いている段階で自分が考えていることが整理されていきます。そして、また自分が書いた解法を見ることで、何を考えていたかが確認できて、そこからさらにヒントを得ることができるものです。

■字をていねいに書きなさいと子どもたちに言うと、「ていねいに書こうとすると遅くなってしまって、時間内に解き終わりません。」という子がいます。しかし、ていねいに書く=書くのが遅いではありません。字はていねいに早く書くことができるものなのです。成績の良い子どもたちは99%字がていねいです。しかもなかなかのスピードできれいに書いていきます。その練習をするためには、日ごろからていねいに書く練習をしなければなりません。

■試験のときだけていねいに書こうと宣言する子もいます。でも日ごろ、ていねいに書いていない子は、かえってていねいに書こうとすることで、あがったりするものです。だから、日ごろからとにかく字をていねいに書きましょう。別にうまい字を書く必要はありません。誰もがわかる字をていねいに書けばいいのです。毎日ていねいに書いていけば、次第に早くていねいに書くことができるようになり、考える筋道もわかりやすくなって、しかも先生にもよくわかってもらえ、かつミスも少なくなるのです。

■それでも、ていねいに書かない君は、いったい何!

(平成17年5月30日)

第20回 ニュースを見よう

■みなさんはニュースを見ていますか?朝、夕方、夜とニュース番組はいろいろありますが、どれか見る番組を決めて、毎日見る習慣をつけてください。そしてできたら新聞も読むようにすると良いでしょう。もちろん新聞は難しいことばがたくさんでてきて、わからないことも多いと思います。しかし、ニュースを見ていると同じことが載っている記事がみつかるでしょう。それをもう一度読むようにしてください。

■同じことをもう一度、文章で読む、これはあまり意味がないことのように思えます。しかし、ニュースは映像と音声で説明してくれますが、その場を聞き逃してしまうとよくわからない場合もあるかもしれません。しかし、多少映像のヒントがあると、新聞記事で細かく解説されていることがよくわかるようになります。

■別にこれは中学入試に必要だというだけではありません。みなさんがこれから大きくなるにつれて、社会の動き、世界の動きを知っておくことはとても大切なのです。小学生が小学生なりに社会の動きや世界の動きを知って自分の考えを持つことはすばらしいことです。勉強が進めばいろいろな考えが出てくるし、また他の人の意見も知るようになるでしょう。

■人の意見を読んで、ここは賛成だけど、ここは反対だなあと思うことも大切です。誰もがすべて同じ意見を持つわけではありません。世界にはいろいろな人がいて、いろいろな文化、いろいろな国の歴史、あるいは宗教がありますから、それらの違いもあって、いろいろな考え方があります。

■その中で、「そういう考え方もあるんだ」ということを知るのも大事ですし、「どうしてそういう考え方になるのだろうか?」を考えることも大事です。自分の意見と違うものを簡単に否定してしまってはいけません。もしかすると、自分が間違った考え方をしている場合もあるわけですから、他の人がどんな意見を持っているのか、知りまた考えることが大事なのです。

■ニュースを見て新聞を読むというだけで、かなりの情報を得ることができますから、いろいろな考え方も知ることができるし、考える機会を増やすこともできるでしょう。あるいはインターネットで新聞社のホームページを読んでみてもいいかもしれません。プロ野球やJリーグの結果ばかり見るのではなく、社会の動きや世界の動きをしっかり読むようにしてください。もし、難しいことばが出てきたら、お父さんやお母さんに教えてもらってください。自分で調べるのも良いですが、調べていくうちにわからなくなることも少なくありませんから、遠慮せずに教えてもらいましょう。

■中学入試で時事問題が出題されることが多くなりました。もちろん時事問題に関する問題集もありますが、毎日ニュースを見ていると簡単に理解できるでしょう。ただニュースを見るということは、中学入試のためだけにやることではなく、これからみなさんが力をつけていくのにとても役立つでしょうから、ぜひ習慣にしてほしいと思います。

(平成17年5月23日)

第19回 知識を覚える方法

■まず何を覚えるのか、整理する必要があります。が、知識というのは何かの疑問に対して答えるというのが一番わかりやすいのです。ですから、一問一答式の形に整理してください。例えば四国で高等裁判所があるのは?という質問に対して高松という答えを用意するのです。これを知識ノートとしてB5くらいのノートにまとめてもいいし、あるいは手帳に書き込んで常に持ち歩いてもいいでしょう。

■宮崎平野を流れる川は? 日本アルプスといわれる3つの山脈、山地は?など問題は短くまとめてください。そしてその答えをどんどん覚えていくのです。

■このようなノートを作っていくときに、答えを赤い字で書いて、赤い下敷きで隠して覚えていく方法もありますし、質問をお母さんにしてもらってそれにどんどん答えていくのでもいいでしょう。とにかく何回も繰り返して覚えていきましょう。

■さて、一通り覚えたら、次は自分の知識を使って説明文を書きましょう。何も見ずに自分の知識だけで、あることがらを説明していくのです。例えば、化政文化とは何か説明していきましょう。すると、自分の知識の中で何が不足しているか、はっきりします。時代を覚えていなかったとか、代表的な文学作品を覚えていなかったとか、できないことがはっきりすると思います。

■はっきりすれば、それをまた知識ノートに書き加えます。例えば理科でも漢字でもあるいは慣用句でも、必要なものはどんどんまとめていくのです。そしてまた、説明文を書くようにします。なぜ説明文を書くのがいいのかというと、自分の知識を頭の中で整理するためです。説明を書いていくうちに、記述の練習にもなるし、知識もどんどん正確になっていきます。

■九州の工業、日清戦争の原因など、1回に書く説明文は長くても400字くらいでまとめられるようにしましょう。テーマを九州としてしまうと、範囲があまりにも広くなってしまうので、お母さんやお父さんと相談をしながら、テーマを決めて書いていくのです。書いていくうちに知識はさらに研ぎ澄まされます。

■そして、説明をしようとするとき、断片的だった知識が頭の中で結びついていきます。東北地方の地図などを白地図に何も見ずに書いていけるようになると、本当に自分の頭の中から知識が湧き出してくるのを感じるでしょう。そうなれば、しめたもの!この2つをぜひ実行してみてください。

(平成17年5月16日)