ワーキングマザーのための中学受験講座」カテゴリーアーカイブ

第35回 塾はいつからいくべきか?

    この話題は、この時期良く聞かれます。
    私の教室は慶應専門ということもあり、5年生からしか募集しません。今の塾からするとありえない遅さですが、これには私なりの考えがあります。
    私は、早くから塾へ行く必要をあまり感じてはいません。ただし、勉強はなるべく早くから進めるべきだと思っています。漢字、計算、読書。いわゆる基礎学力はそう短期間で身につくわけではない。基礎から始めてその子のペースでじっくりとやらないと、力にはなりません。
    で、その基礎学力がついていたら、塾は4年生の3学期からで十分でしょう。つまり受験勉強は2年間。
    最近の塾はこれを前倒しますが、結局、4年生の学力で中学2年までの中学受験の内容をどこまで理解できるのか?といえば、なかなか難しい。むしろ、4年生までしっかりとした基礎学力をつくることが大事。
    基礎学力とはいっても、例えば計算は分数や小数が当然できるというのが、私のいう基礎学力です。本を読むというのは、自分の好きな本でいいが、少なくとも書かれていることが十分に理解できる、というレベルに到達してもらわないと、その後、テキストを読んだり、テストの問題を読んだりしても、まったく歯が立たなくなってしまう。
    みなさんは、ここを取り違えているように思うのです。進学塾には小学校4年の3学期からで十分。しかし、その間に基礎学力をつけていなければ、進学塾のペースには間違いなくついていけなくなる、ということです。
    だから、塾に早く行っても、それが身についていなければ、4年生3学期の授業ぐらいから、当然、ついていけなくなるわけで、そういうお子さんは良く見かけます。そして組み分けテストでズルズル下に落ちていくわけです。
    先日も、入塾の相談にこられたお母さんがいました。しかし、今3年生。私の教室に該当するクラスはありません。
    「先生の教室は5年生からですね?」
    「そうです。」
    「では、4年生はどこで勉強すればいいでしょうか?」
    つまりは推薦の塾をという話なのですが、そう塾を急ぐ必要はありません。が、逆にこんなことを伺ってみました。
    「いま、どのくらいのかけ算ができますか?」
    「多分、学校でやっているレベルと思いますが。」
    「それは何ケタ×何ケタですか?」
    「・・・・」
    そう、これではいけませんね。働いているお母さんにとって、お子さんの情報をつかむことは大変でしょうが、仕事が忙しいからといって託児として塾を考えてしまうと、こんなアンバランスが起こってしまいます。
    「まずは、お母さんがいっしょにこういう教材で勉強してみてはどうですか?」
    とお勧めしました。
    今、お子さんが「何桁×何桁」の掛け算ができるか、ご存知ですか?まずは、しっかり基礎学力を作る、そこからスタートしてください。塾はその後からでも十分です。

第34回 計算、漢字、読書

    今日は低学年の話です。
    私は早くからの塾通いにいつも疑問符をつけていますが、実際に自分の子は小学校1年から自分の塾に入れました。(なんと!)
    しかし、週1回。これには作戦があって、学校の勉強というペースだけではなく、違うペースの勉強になれさせるということと、それで培った勉強で学校の勉強への自信をしっかりつけることが目的でした。だから、習い事もいろいろあり、その中の1日でしたから、本人がとても苦労したということはないでしょう。
    ただ、その結果として家での勉強で基礎的な力を組み込むという流れを作ることになりました。
    つまり、計算、漢字、読書のこの3つをしっかりやるという流れです。これは小学校1年生からスタートしたので、まあ、本当に字を習うところから始まって、家で必ず勉強する、計算と漢字と本を読むことは毎日必ずやる、という流れはできてきて、学習の基礎は固まったと思っています。
    中心になったのは家内ですが、彼女は専業主婦でしたから、これが十分にやれたと思うのですが、忙しいお母さんたちにとって、この小学1年生からの基礎固めの時間をつくることは難しいでしょう。
    現在相鉄沿線3教室荻窪で行っていますが、子どもたちの学習の基礎を固めるという点では、予想以上の成果をあげていると感じています。最近は毎週どこかの教室に行くようにしているのですが、とにかく小学校1年生からある一定の時間、すわって勉強する習慣がしっかりついてきました。だから、計算をするにしても、本を読むにしても、漢字を書くにしても、ちゃんとやれるようになってきている。
    子どもたちは、行けばいろいろ話しをしてくれますが、その中でも自分ができるようになったことを話してくれるときが、一番楽しそうです。
    3ケタ×1ケタの掛け算ができるようになった、とか。教室の本はもう全部読んだ、とか。
    他愛のない話だと思わないでください。そういうひとつひとつのステップが、子どもたちの自信になり、学習に積極的になってくれれば、「勉強はおもしろい」ということにつながってくる、と私は思っています。
    中学受験に直接つながる難しい勉強をしているわけではありません。しかし、学力の基礎となる、読んで、考えて、計算して、書くということを、しっかり身につけてもらいたい、むしろそういう地道なことを、確実に積み重ねていきたいと思っています。

第33回 入試スケジュールをしっかり作る

    そろそろ併願校を考えていかなければいけないのですが、それと同時に、お父さん、お母さんのスケジュールも十分に検討しておく必要があります。
    例えば、入試会場へ誰が送るのか?迎えにいくのは誰?
    面接の日程。これは保護者の面接がある学校もあります。また、合格発表。そして手続き。
    手続きで見落としがちなのが、書類の受け取り。
    合格した場合、何日の何時までに書類を受け取るようにという指示が書かれています。
    書類を受け取るぐらい・・・と見落としてしまうと、これが大変。
    実は書類を指定時間に受け取らないと多くの学校の場合
    合格を辞退した
    という処理をします。
    せっかくお子さんが合格したのに、書類を時間内に受け取らなかったばっかりに・・・ということのないように、スケジュールを確認して、誰がいくのか、決めておきましょう。
    合格発表は最近インターネット発表が増えてきました。合格すると、その書類を次の日取りに行くという、作業が増えています。単に発表の日時だけを抑えるのではなく、書類の受け取り、手続きの段取り、しっかりスケジュールに入れてください。
    特に忙しい働くお母さん。お父さんだけではなく、家族の協力は不可欠になりますから、準備を怠らないように。