ワーキングマザーのための中学受験講座」カテゴリーアーカイブ

第32回 子育てを楽しむ

先日、川本裕子さんの記事を目にしました。

川本さんは、大変忙しい方ではありますが、夫の海外転勤にもいっしょにいき、そして二児のママでもあります。仕事をお持ちの方にとって、子育てと仕事の両立は大変ですが、しかし、その中でも「子育てを楽しもう」という気持ちは非常に大事なのではないかと思います。

今のような自分があるとは思っていなかった。意思あるところに道は開ける。どんな仕事でも手を抜かず、育児休暇中も無理のない範囲で社会の動きについていくように心がけた

出産・育児で同期の男性より、たとえ10年昇進が遅れたとしても、10年長生きすればいい

楽しそうにやっている人を見れば、周りの人も応援したくなる。笑顔を忘れず、味方を増やしましょう

特に最後のことばは、大事なことではないかと思います。一人で悩まず、いろいろな人を巻き込んで、楽しく子育てをする工夫をしてみるのは、大事なことではないでしょうか。

川本裕子さんが語る仕事と育児の両立

第31回 幼い子をどうする?

    ワーキングマザーのお子さんを見ていると、精神年齢について2つの方向性が出てくるように思うのです。
    ひとつは、立派に自立をしていく子
    お父さんもお母さんも忙しい。小さな弟や妹もいる。だから、お兄ちゃんとして、お姉ちゃんとして、面倒をみながら、自分の勉強もしっかりやる。
    うーん、理想ではありますが、数は少ない。
    で、もうひとつはとても幼くなる子
    これは、やはりお母さんがどうしても甘い。お母さんが働いているということが、どうしても子どもに対して引け目になる。だから、子どもに対して甘くなる。甘くなると、子どもたちはがまんしなくていい。がまんはいつもしているんだから、と子どもの方も甘え方が強くなる。
    そういう子と話していて
    「でも、ママ、やさしいでしょう?」
    というと、
    「とーんでもない」
    という話になる。これはお母さんが言葉できびしいからでしょうが、でも実際には見ていて甘いと思うことはあるのです。
    中学受験で、幼い子の成績が伸びないのは、じつは「がまんができない」という点にあります。
    受験勉強というのは、がまんをしなければいけない。
    見たいテレビをがまんする。友だちと遊ぶのをがまんする。そうやって勉強しなければいけないわけで、幼い子はそのがまんができない。で、親が見ていないところで、遊んでしまう。
    で、問題はどうするか。
    私は日ごろからワーキングマザーのみなさんに「働いていることについて、子どもに引け目を感じてはいけない」とお話しています。家庭の事情はいろいろ。しかし、その中で親は一生懸命子どもを育てているわけで、それは事情に合わせてやればいいこと。引け目を感じると、子どもにどうしても甘くなる。だから、幼くしてしまうのです。
    日ごろからどんどん家事も手伝ってもらう。そして、本人がやらなければいけないことに対して、ぜったいに引かない。この態度が大事です。
    言葉はきびしい必要はない。でも態度は厳しくなければいけない。1日の課題が終わらなければ、それはいくら眠かろうと、本人が悪い。だから最後までやらせるという必要があります。(これは、当然、本人が手を抜いた場合ですね。一生懸命やっても終わらないというのは計画が悪いので、これにはあてはまりません。)
    お母さんだって、忙しいのに帰ってきてご飯の支度をしたり、家族の世話をするでしょう。それと同じことを子どもに要求して問題はないのです。うちはうち、の事情でかまわないのではないでしょうか。
    言葉でやさしく、態度できびしく。
    ぜひ実行してください。

第30回 どこまでわかっているか?

    5年生、6年生と秋はボリュームが増える時期です。
    例えば1週間の勉強の予定を立てたところで、学校行事もあり、なかなか進まないというケースもあるでしょう。
    「あれも、できなかった。」
    「これも、終わっていない。」
    しかしワーキングマザーのみなさんには、
    「じゃあ、子どもの勉強を見る時間があるか?」
    というと、そうではありません。
    だから、気持ちだけ不安になる。焦りがでてくる、という場合があるでしょう。
    私は以前、お母さん用の手帳を作りました。(ディスカヴァー今年の手帳

    子どもの手帳だけでなく、お母さんの手帳を作った意味は、お母さんの気持ちを整理するためなのです。

    確かに子どもの勉強を見る時間は少ない。ただ、すき間の時間に、子どもの勉強を考えてあげることはできるのです。
    少なくとも、子どものスケジュールを把握していれば、
    ここまではできるが、ここまではできない
    ということがわかるでしょう。

私の手帳のミソはお母さんのスケジュールとお子さんのスケジュールが並立しているところです。

    だとすれば、そこで勝負を続けていくしかないのです。でも、ここまでできている、ということが明確であれば、それで戦略を立てることはできます。
    先日、5年生のお母さんと面談をしたときのこと。

    「あれも、やれないし、これもやれていないし。」
    そう、できないことばかりに目が行っているのです。でも、それでは子どもの可能性を引き出すことはできません

    例えば5年生であれば、今はとにかく算数に集中することが、ポイントになるだろうし、6年生であれば、まずは第一志望の過去問と決めていけばいい。

    ここまではできているし、ここまでなら出来る可能性がある

    と考えてあげれば、見える道があります。

    そして、その中から、お子さんの可能性を引き出せばいいのではないでしょうか。
    できないことばかりを考えてはいけない。できること、実行可能なこと、そしてそこから出てくる戦略。

    ビジネスに携わっているお母さん方ならではの進め方があるのではないでしょうか?