自分で答えを出すことにこだわれ

算数を教えていて、できるようになってきた、という手応えを感じることがあります。

なぜだろうか、と考えてみると、教え方がうまかった、ということではあまりない。

本人が本当に考えて、なぜだろうか、どうしてだろうか、という風に突き詰めて考えられるようになってくると、自然にできるようになってくるところがあるのです。

目先の点数の追われてしまうと、すぐに気持ちがマイナスな方向に向きがちです。だから、点数は気にさせないし、時間もあまり制限しない。

とにかく、自分で答えを出す、ということにこだわる。

もちろん、難しい問題になると、なかなか自分でできないこともあるが、できなければ解説を読んで、どうしてそうなるのか、考える。

その繰り返しの中で、実はできるようになってくるのです。

6年生は、今、そうなっていると必ず伸びる。だから焦らない。

今点数が取れなくても、本番で取れればいいのです。だからじっくり考える。

自分で答えを出すということにこだわってください。



偏差値表には気をつける

いろいろな塾で偏差値表を配る時期になりました。

偏差値表というのは、縦軸に偏差値があり、横軸に試験日程で学校が並んでいる一覧表です。関東の場合は、1月から埼玉、千葉県で入試が始まり、2月1日以降東京、神奈川が並んでいくあの表のことです。

長いことこの表を見てきているので、ある意味なんの違和感も感じていないのですが、しかし、良く見るとこの表はやはり変だなあ、と思います。

例えば合格可能性80%の偏差値で見たときA校とB校が同じ62で並んでいたりするわけです。でもこのA校とB校は同じか、といえば当然のことながら全く違う。受験校、付属校の違いもあるかもしれないし、男女別学、共学の違いがあるかもしれない。管理型の学校もあれば、放任型の学校もあるでしょう。でも一覧にすると同じに見えるわけです。

で、お父さん、お母さんも良く知っている学校ならばその違いがわかるわけですが、だんだん学校選びをこの偏差値表でしていくと、偏差値が同じ学校はみな同じに見えてくるのです。

学校選びについつい使ってしまう表ですが、使い方には充分気を付けてください。



摸擬試験の合格可能性よりも

多くの模擬試験は1種類の試験で、すべての学校の合否を判定します。

このために行われるのが統計的処理。過去に合格していった子どもたちのデータを集積した上で、合格可能性80%の偏差値を決めて、そこから20%未満までを配分して判定しています。

しかし、元となる試験が志望校の出題傾向と比べてどうなのか、は考えておく必要があります。

というのも、模擬試験の場合は差がなるべくきれいな分布になるようにいろいろな要素を盛り込みます。例えば国語でいえば記述式もあれば、記号選択式もあり、文法もあり、言葉の知識もある、という具合。

一方志望する学校の国語の試験はすべて記述式で文法や言葉の知識は出ない。また出題は物語文が多い、という場合だとまったく模擬試験と出題傾向が違ってくる。これで正しい合格可能性になるのか、といえば、そうでないところも多いのです。

ある学校は出題傾向が模擬試験のそれと大きく違うため、合格可能性が20%未満でも結構合格してしまったりする。逆に合格可能性が高いからといって安心できないところもあるのです。

なので、合格可能性は鵜呑みにしてはいけない。過去問のできも合わせて考えていかなければいけません。

もちろん両方ともできればいいが、模擬試験がダメでも過去問の出来が悪くなければそれはそれで良いのです。むしろ、逆の方が恐い。模擬試験は良いが過去問はできないというのだと、出題傾向に力が見合っていないことになる。

だったら、まずは志望校の出題傾向に合わせた勉強をした方が良いのです。

なので、模擬試験の合格可能性が低いからといって、あまり悲観的に考えず、まずはしっかり志望校の過去問を中心とした学校別対策に力を入れてください。