月別アーカイブ: 2011年11月

子どもに合う塾をどう選ぶか

 塾を選ぶ場合、普通は大手の塾を選ぶのが一般的です。人数が多い塾は毎月クラス分けテストをしています(最近の塾はだいたい多いところで25名前後、大きい塾でも15名でクラスを編成するところが多くなっています)。このクラス分けテストは、毎月の履修状況を把握したうえで必要なレベルの授業をするために行われるのですが、同時にできる子どもたちを選抜していく仕組みでもあります。上位に残れば難関校への合格可能性が高まりますから、多くのご家庭がこの上位クラスをめざして毎月がんばることになります。

とはいえ、上位クラスに入れば安心というわけではありません。

 全員の志望校を絞り込んでいるわけではないので、「どこでも対応できるようにする」というカリキュラムになっています。当然4年生、5年生では入試に必要な基礎力を学ぶことになるでしょうが、次第に応用、発展のレベルに入っていくと、受ける学校によっては「あまり必要ない」範囲の勉強まですることになります。その量に惑わされて、力がなかなかつかない場合があるのです。

毎月のテストで、クラスが分けられたり、席が決まったりということになると子どもたちのなかでもある序列が生まれていきます。偏差値もそうですが、ひとつの序列に過ぎないものが、まだ幼い子どもたちのなかでは「絶対的な価値」に見えてしまうことになる可能性があるのです(保護者の方でもそう思っておられる方が少なくないようにも思えますが)。

 試験の結果ですから、毎月変わる可能性があり、担任がしっかり決まらないというデメリットもあります。そんな序列はたいした問題ではないと思えればよいのですが、やはり上位にいてほしいと思うのが親心ですからそれなりに親子でがんばってしまう。そして、「ずいぶんがんばったけど、もう疲れてしまった」ということになる可能性があるのです。

 一方小さい地元の塾は、先生がていねいに子どもたちの面倒を見てくれるでしょうが、まず刺激が少ない。その塾で一番になったところでまだまだ上はいるわけですが、安心してしまうことがあるわけです。学校情報などはだいぶネットワークでとれるようになってきましたが、やはり出てくる資料集などは大手と比べればまだまだというところも多いでしょう。
どういう子がどういう塾に合うのか、親が考えていかなければいけません。

 そこで、まずは公開テストを受けてみることをお勧めします。
最近はいろいろな塾が公開テストをやっていますから、その中から選んで受験してみるとよいでしょう。組分けテストにはデメリットもありますが、公開テストはそのときの子どもの力を測るうえで非常に役立ちます。

 その結果として、偏差値60以上をとれるのであれば、どこの塾に行っても間違いない、なかなか力のあるお子さんですから、大手であろうと近くの中小塾であろうと大丈夫です。60未満の場合、子どもが人と競うことが好きであれば、大手にいってみると良いでしょう。刺激を受けて自分がひとつでも上のクラスに行ってやろうと思う気持ちを持つ子であれば、そういう環境がプラスになります。

 しかし、あまりそういうことに関心がなかったり、やる気が表に出てこない子どもたちはむしろ少人数でていねいにみてもらうところが良いでしょう。また成績がまだ十分でない子どもたちも、小さい塾へいったほうが良いだろうと思います。むしろじっくり力をつけて、6年生の最後に抜きん出てくれればそれが一番効率の良い受験法だといえるのです。

 受験をスタートさせるのは3年生、4年生いろいろ議論がありますが、私は4年生で十分だと思います。

 4年生はどの塾でも本格的な受験勉強にはいる学年でしょう。しかし内容を見てみるとこの学年で履修する範囲は直接入試に出るものは少なく、やはり5・6年生の基礎を作る内容ということができるでしょう。したがってテスト向け細かい知識を覚えることよりは、むしろじっくり考えたり、ていねいに読んだりする力を鍛錬することが重要なのです。

 たとえば国語に関しては、細かい漢字や文法を覚えるよりなるべく長文をじっくり読むようにしたいし、算数は分数や小数の計算をしっかり鍛錬することのほうが重要だと思うのです。単にカリキュラムにしたがってその内容ができるようになるというよりも、もっと学習の礎になるような力をマスターすることが望ましいのです。

 4年生で週2回ぐらい、5年生から週3回くらいと塾へ通う回数を少しずつ増やしながら、自分で勉強するペースもしっかり作っていくことが大事です。

 逆に低学年のうちはしっかり基礎学力をつけていきましょう。特に大事なのは計算力。これは早め早めに勉強していって、4年生ぐらいになったら分数や小数の計算も楽にできるようにしておきたいと思います。

 この基礎学力がしっかりしていないと点数が取れないので、クラス分けのあるところでの勉強は苦痛になります。「まだ早い」とは考えず、少しずつ準備を進めていくのが良いのではないでしょうか。

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中学受験 第2回 母親講座「家庭学習をどう充実させるか」のお知らせ

中学受験をめざす5・6年生の保護者のみなさまを対象にした、母親講座の映像版です。

今回は約50分にわたり、田中貴が以下の内容についてご説明をしております。

家庭学習をどう充実させるか」内容

1 計画的な学習
(1) なぜ計画が必要なのか
(2) 時期によって違う学習内容
(3) 科目別の優先順位をつける
(4) 4年生までは計算と漢字、算数と国語の2教科中心で十分
(5) 計画は毎週書き換える
(6) 5年生は算数中心。理科社会の暗記に時間を割かない。
(7) 6年生は学校別傾向にあわせる。後半は得点力を磨く。

2 算数の学習の仕方
(1) ゆとりで問題になった計算力
(2) 計算は毎日、しかし3題ずつ
(3) 基本問題ばかりではできるようにならない
(4) 考える力は試行錯誤の時間で決まる
(5) 結果を急がない
(6) ていねいに式と計算を書く

3 国語の学習の仕方
(1) まず語彙を増やすこと→言葉は耳から
(2) 一緒に読んであげる工夫
(3) 作文を書く機会を作る。日記や手紙。
(4) 読書は好きでも国語はできない→点数をとるのは技術。
(5) 漢字は早く覚える
(6) 記述式か選択式か
(7) 中学入試問題を解くコツ

4 理科の学習の仕方
(1) 知識は後回し まずは計算問題
(2) 分数と小数ができなければ、理科の計算問題はできない
(3) 原理的な理解を優先する。
(4) 生物、地学、天体は6年生の2学期で追い込めばよい
(5) 夏休みは昆虫採集や植物採集の機会を。天体は経験に勝るものはない。

5 社会の学習の仕方
(1) まず地図
(2) 1年後の地理のために何をするか
(3) とにかく本を読む
(4) 新聞、ニュースは大切にする
(5) 大事にしたい生活感

講演形式で、お話をさせていただいております。

(価格)1000円 収録時間約50分 ファイル形式mp4

ご購入は下記リンクよりお願いします。
中学受験母親講座第2回「家庭学習をどう充実させるか」

通塾の回数が多すぎる。

 私自身も中学受験をした口ですが、塾に行く機会はあまりなかったように思います。私は6年生2学期に土曜日1日算数を習いに行った記憶があるだけです。

 当時の中学受験はテスト会が中心でした。したがって家で勉強してテストを受けます。私の同級生の多くは日本進学教室(別称、日進)と四谷大塚進学教室を掛け持ちしていました。

 このテスト会対策として塾に通いはじめる子が次第に増えたのです。

 その後も、どんどん増えてきました。最近は毎日という塾も増えています。つまり中学受験が専門化している(学校の勉強だけでは合格するのが難しい)ので、プロに預けるのが当たり前、またお父さん、お母さんが中学受験を経験していて、やはり塾に行かないと受からない、という気持ちになっているからだと思うのです。

 一方で塾は回数多く来てもらったほうが売り上げも上がるし、他塾に行かれる心配もないから、次第に回数が増え、セットコースが当たり前になっています。

 しかし、本当にそんなにたくさん行かなければいけないのでしょうか。

 遠くから塾に通いたいというお話を伺って、「体力的にも大変だから週2回ぐらいにしたらどうですか」という提案をしたこともあります。その子に必要な内容はある程度決まっているし、それを家庭と塾でフォローすれば2回でも十分だと思ったからです。

 実際に毎日通うというのはなかなか大変だし、それにいつ自分で復習をやったり、過去問を解いたりするのだろう、と思ってしまいますね。それも全部塾のカリキュラムに入っている、ということなのでしょうが、結局、集団授業というのは、ある程度みんなで同じようにやることが多いので、それぞれの子どもたちの得手不得手に手が届いているようには思えません。

 案外、合格実績の高い塾は通塾回数が少ない感じですね。

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