■先日、以前の塾仲間と話をしていたときのことです。
「最近、わかってきたんですよ。合格させるコツが」
「どういうこと?」(これは私)
「子どもが本当に入りたいと思うようになってもらうことなんですね。勉強は確かにコツがあります。問題の解き方も大事だ。でも、本人が本気になって入りたいと思い、真剣に努力できるようになったら、結構合格させられるって。」
■彼の言っていることは、とても正しいのです。そして、多分そういう話をするということは、彼は子どもたちをその気にさせられる自信がついたのだと思います。まだ若手だと思っていたのは、大違い。たいしたものです。
■では子どもたちに本気になってもらうために、何をすればよいのでしょうか。子どもが志望校に入りたくなる理由はさまざまです。いろいろなきっかけがありますから、そのきっかけを作る必要はあまりないような気がするのです。むしろ時期的な問題の方が大事で、なるべく早く目標が決まると良いと思います。
■そして、目標が決まったら、そこに合格することを本人も家族も肯定してしまうことが必要です。お母さんは、本人ががんばると思って「そんなんじゃ、入らないわよ」的な発言が多いようですが、子どもたちにはぜんぜん、きかないでしょう。子どもたちが「くやしいからがんばる」ということはあまり、ありません。だから否定してはいけないのです。
■彼の言いたかったことはそういうことなのです。きっと、彼は子どもたちの耳元で
「いけるぞ、もうちょっとだ。」
とささやいているはずですから。
(平成14年3月29日)
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第6回 がまん
■受験勉強をしていく過程では、子どもも親もがまんが必要です。見たい番組を見ないで宿題をやらなければいけない、せっかくの日曜日に模擬試験があるので、家族で出かけられない、いろいろながまんがあるでしょう。
■私は、受験学年の最初に、がまんについて、子どもたちに話してきました。入りたい学校にいくために、勉強に時間をかけなければいけません。ところが時間は限られているので、何かをがまんして、勉強しなければならないということになります。受験勉強だけをするというのではありませんが、がまんしないと、時間は作れないのです。
■子どもたちはよく、わかってくれます。(もちろん、実行までにはずいぶん時間がかかりますが。)しかし、大人がわかってもらう努力をしなければいけないと思います。最近は「がまん」を教える機会が少なくなりました。でも子どもに「がまん」を教えることはとても大切です。子どもにがまんさせるのは悪徳だと感じていらっしゃる方がたまにいますが、それは違います。
■自分で自分の気持ちをコントロールするために、こういう資質は必要なのです。大切なのは、強制するということでなく、子どもが積極的にがまんする気持ちを作るということなのです。子どもの気持ちが前向きでのがまんは、子どもの成長にプラスになりますが、こればかりは、やはり大人がいろいろ話していかないとうまくいきません。
■ただ気がかりなのは、最近、親が、子どもたちに対してがまんができなくなっていることです。近年の子どもに対する暴力事件は、がまんできない親が原因のような気がして仕方がないのですが。
(平成14年3月23日)
第5回 計算力
■算数の力を伸ばすためには、やはり計算力が必要になります。ところが、計算力をつけるという学習に、多くの誤解があるようです。
■一度、クラスで試したことがあるのですが、計算問題を30題子どもたちに出すと、ほとんどの子どもたちが最後の10題のところで、ミスをします。これはある意味当たり前のことで、似たようなことをずっとやらされていると、子どもたちの集中力は続きません。ところが、計算力をつけるという名のもとに、たくさんの計算問題をやらせる手法が依然として多いのです。これは、あまり効果的ではありません。
■入学試験で、計算問題を30題出すところはありません。もちろん、応用問題でも計算は必要ですが、だからといって、たくさんやれば力がつくというわけではないのです。ではどうすれば、いいのでしょうか。
■私がやっていたのは、1回について5題まで。その代わり、絶対間違えないように、検算をさせるということでした。5題なら十分集中力が続きますし、ぜったいに間違えないという自信をつける意味でも、大変、効果的でした。子どもはマシンではないのですから、たくさんやらせれば良いというわけにはいかないのです。
■ご家庭では、計算ドリルなどを使って、毎日5題ずつ、絶対間違えないように、解いてもらってください。そして連続記録をつけてあげてください。20日連続、ミスがなかったら、ちょっとしたごほうびを用意してあげると、子どもたちはとても喜ぶでしょう。
(平成14年3月15日)
