第6回   がまん

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■受験勉強をしていく過程では、子どもも親もがまんが必要です。見たい番組を見ないで宿題をやらなければいけない、せっかくの日曜日に模擬試験があるので、家族で出かけられない、いろいろながまんがあるでしょう。
■私は、受験学年の最初に、がまんについて、子どもたちに話してきました。入りたい学校にいくために、勉強に時間をかけなければいけません。ところが時間は限られているので、何かをがまんして、勉強しなければならないということになります。受験勉強だけをするというのではありませんが、がまんしないと、時間は作れないのです。
■子どもたちはよく、わかってくれます。(もちろん、実行までにはずいぶん時間がかかりますが。)しかし、大人がわかってもらう努力をしなければいけないと思います。最近は「がまん」を教える機会が少なくなりました。でも子どもに「がまん」を教えることはとても大切です。子どもにがまんさせるのは悪徳だと感じていらっしゃる方がたまにいますが、それは違います。
■自分で自分の気持ちをコントロールするために、こういう資質は必要なのです。大切なのは、強制するということでなく、子どもが積極的にがまんする気持ちを作るということなのです。子どもの気持ちが前向きでのがまんは、子どもの成長にプラスになりますが、こればかりは、やはり大人がいろいろ話していかないとうまくいきません。
■ただ気がかりなのは、最近、親が、子どもたちに対してがまんができなくなっていることです。近年の子どもに対する暴力事件は、がまんできない親が原因のような気がして仕方がないのですが。
(平成14年3月23日)

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