新パパママ先生合格術」カテゴリーアーカイブ

第34回 成功体験はあったのか?

    今の6年生に
    「本当に合格したいと思ってる?」

    と聞くと、

    「もちろんです。」
    とかえってきます。

    しかし、そのために、字をきれいに書こう、問題をよく読もう、など勉強の決め事を作っていたとしても、それを守る子は決して多くはないのです。
    なぜでしょうか?
    私はこれが幼さだと思うのです。「合格したい」と誰もが思っている。しかし、それは自分の努力や勉強で手にはいるものだ、ということは実感していない。今の子どもたちは大変豊かな生活を送っています。だから、そういう楽しいことは「だれかがもってきてくれる」と思っているフシがある。
    「自分で勉強しなきゃ、合格しないよ」
    といえば、
    「そんなの、わかってる」
    と答えるでしょう。
    しかし、この12年間の中で、彼らが努力をして結果を得たことがあっただろうか?成功体験はあっただろうか?と自問してみると、そうでないお子さんが案外多いものなのです。
    子どもですから、親が保護するのは当たり前。だから、いろいろなものは親の意思で与えている。が、子どもの意思で子どもが自分の力で得たものはあったのか?というと、これが少ない。だから子どもたちは、「合格したい」とは思っていても、結局「お母さんが入れてくれる」ぐらいに思っているところはあるのです。
    その意味で考えるならば、中学入試というのは、子どもが初めて自分の力でぶつからないければいけない壁です。だから、教育的には非常に良い。つまりここで勝とうと負けようと、自分がやらなければ手に入らないものはある、お父さん、お母さんに与えてもらえないものがあることを知るわけです。
    ただ、そういう経験は受験前に本当はあった方が良かった、ということは言えるので、まだ3・4年生のみなさんは考えてみてください。
    例えば柔道で級をとる、とか、試合に勝つとかそんなことは本人の努力や力でしか成し得ないことですから、塾に早く行くばかりが道ではありません。
    今の6年生には?
    常にそれを言い続けること。そして、お父さん、お母さんもある意味腹をくくる必要があります。
    「私が入れてあげる」などとは絶対に考えてはいけない。

    自分で努力しなければ合格しないんだ、ということがわかれば、たとえ中学受験が失敗でも、子どもの人生にとっては大きなプラスにはなるのですから。

第33回 本を読むのはすばらしいが・・・

    今年の5年生は、本を読むのが好きな子が多いのです。
    塾に来ると、すぐ本を出して読んでいる。休み時間や、食事の時間も読んでいる子がいます。
    合間、合間に何を読んでいるかと見てみると、たいていは物語文が多い。
    本を読むことはすばらしい。まあ、国語とかに関係なく、好きなものを好きなだけ読んでもらいたいと思います。
    ただ、本が好きだから、国語ができるか?といえばそうはならない。これもまた真実です。
    なぜか?
    読むのはインプット。点数をとるのはアウトプット。したがってアウトプットの方法を知らなければ、インプットができても点数はあがらないのです。
    例えば記述の問題でいえば、文章を書くのが面倒だと思っている子はできないでしょう。
    何字以内で書き出しなさい。 これは見つける技術が必要になる。
    そして選択肢。これは文中にその根拠を見つけなければならない。
    アウトプットの技術はまた別にある。ただ、私はこれを読めない子にいくらやっても仕方がない、と思います。
    5年生までは、むしろ好きな本を好きなだけ読んでもらいたい。そして漢字はぜひ練習してもらいたい。
    あとは国語の点数は気にしない。読めるようになれば、アウトプットの技術は1年で身につきます。だから、あわてないで本を読んでほしい。
    本を読まないという子は、本を読む楽しさを知らないだけなのです。読めば、それなりに楽しい。その楽しさをどう感じてもらうか、むしろ3・4年生で楽しい経験をつませることが大事ですね。

第32回 テーマ横断オリジナル問題集

    実は、過去問は受験する学校ばかりではなく、あるテーマを集中して学習するときにも大変便利な教材なのです。
    私は昨日、子どもたちのために、地震に関する最近の入試問題を集めて、教材にしたところなのですが、やはり理科も時事的な要素が増えてきました。
    昨年は大きな地震があったので、問題も増えています。
    ところが、地震の問題を集めてみると、やはり聞かれるポイントは決まっている。問題はあるパターンがある。これは理科の場合は特に顕著です。
    あるテーマを決めて、横断的に入試問題を集めて勉強してみると、一気に不得意から得意に変わります。これは算数や社会でも有効です。
    要領は、いろいろな学校の入試問題が載っている電話帳と呼ばれる分厚い入試問題集を使います。そして、付箋を用意。
    例えば地震の問題と決めたら、すべて地震の問題をピックアップします。そして付箋をはっていく。あとはスキャナーでコピー、そのままワードに貼り付けてしまえば地震オリジナル問題集が完成しますね。
    すべての分野で、こういう手間はかけられないでしょうが、「不得意だ」と思っている分野は一気に集中して勉強すると、案外すぐに「得意」に変えられてしまいます。ぜひやってみてください。