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第37回 記述問題を得意にする方法

    最近の入試問題では記述が増えてきました。
    しかし、記述が得意な子はそう多くはありません。子どもたちの答案を見ても、記述の部分が空白になっている子が多い。実はこの部分、配点が多いのが一般的で、何も書かないということになると、大きな失点につながります。学校別傾向を見れば、記述形式になっている学校は例年その形式を踏襲していきます。したがって記述問題を対策することが、こういう学校では最も大事な勉強のひとつであることは間違いないでしょう。
    で、この短期間に記述問題を得意にするにはどうすればいいでしょうか。
    選択肢の問題というのは、すでに答えが用意されています。しかし、記述は自分で一から考えないといけない。だから大変なわけです。
    なので、問題を読んだとき、まず思いつく答えを何でもいいから、書いてみることが大事になります。
    「お父さんがなくなって悲しい気持ち」
    とか。
    「自分の思うとおりにならなかったので、妹に八つ当たりをした。」
    とか。
    設問に対して簡単でいいので、これを最初に書きます。子どもたちは説明しようとするあまり、どうしても最後に結論をもっていきがちですが、入試は逆。いつ時間切れになるかわからないので、まず結論を書く。そして次にフレーズを続けていきます。
    「自分の思うとおりにならなかったので、妹に八つ当たりをした。」
    「本当は、けんかの原因は妹ではなかった。でも、太郎は自分が悪いことをしているとは思っていなかった。」
    というようにつなげていきます。
    ただし、ここに鉄則があります。それは
    ひとつの文はひとつのことを言えばいい。
    短文を重ねていくのです。そうすると、字数制限がある場合も切りやすい。長い文を書いてしまうと、字数が足りなくなって、もう一度書き直し、ということになりがちです。しかし、短い文であれば、そこそこにつながっていくので、最後が多少尻切れトンボになったとしても、まあ、点数にはなるでしょう。
    記述は、いくつか採点基準があるので、満点をとることはなかなかむずかしい。例えば3つの要素が書いてなければ、満点にはならないというような設定がされています。ただ、2つの要素が書いてあれば部分点にはなりやすい。したがって、こうやって書くことで、ある程度失点をカバーできるのです。
    まず結論を書く。続いて説明。一文は短く。
    ということで、練習をしてみてください。書けるようになってくれば、それなりに得点力はついてくるでしょう。

第36回 あと3ヶ月で何をやるか

    関西の入試まではあと2ヶ月。東京、神奈川の入試まで3ヶ月を切りました。
    具体的に残りの期間で何をやるのか、もう一度リストアップし、夏休みのように計画を立てましょう。
    私が先日、子どもたちに出した課題は以下の通りです。
    全科目

    授業の復習を優先。正解したものについては何もやらなくてよい。間違えたものだけ、必ずやり直す。

    算数
    (1)第一志望の過去問 (これは3回目に入っているので、5年分。ミスをなくして、9割をとる工夫をする。)
    (2)第二志望以下、受験校の過去問各3年分程度。(2回目に入っていれば、合格点をとれる工夫。)
    (3)計算練習、毎日5題。
    (4)不安があるテーマについての学習
    国語
    (1)過去問に関しては算数に準じる。ただし、記述はすべて、指導員による採点と添削を受ける。
    (2)漢字の暗記と練習
    (3)知識分野の確認
    理科・社会
    (1)過去問に関しては、算数に準じる
    (2)暗記テキストの確認
    というものですが、平均週3回から4回授業を受けていると、これで一杯一杯と思います。その中で、特に自分の不安なものに対する対処は、ここに加えなければなりません。例えば、地理がまだ全然覚えられていない、とか。こういうことを時間にいれていくと、何かを削らないといけない。
    だから、毎週計画の組み換えがあるべきで、それがフレキシブルにならないと、個々の実力アップにはつながりません。
    ただし・・・
    受験はここまでやったら絶対合格する、というような絶対量は存在しない。つまり、ひとりひとりが、自分のできうる準備をするだけのことです。ということは、その子にとって何が優先すべき課題なのかを明確にしていくことが必要になる。
    例えば科目にバランスが悪い子がいます。勉強しなくても、算数はできるが、とにかく国語が。とか。理科社会はそこそこできるが、算数にミスが多いとか。
    そういう子が、科目バランスを平衡にしていいわけがない。だから、残りの時間の計画化は非常に重要なのです。
    お子さんと相談しながら、きっちり作って、時間を無駄にしないように勉強を進めてください。

第35回 科目にばらつきのある子の勉強法

    ときどき、文系、理系を問わず、科目のばらつきが出る子どもを見かけます。
    男の子に多いのは国語が悪い子。
    算数、理科はまあ、そこそこできているが、国語の偏差値が飛びぬけて悪い。これは、男の子によくあると思うのですが、
    (1)幼い
    (2)文章を読むのがきらい
    (3)かつ、書くのは当然きらい
    ということになるのです。で、短期間でどこまで直せるか?というと国語の場合はなかなか手間がかかります。ただ、国語は差がつきにくい科目でもあるので、そこそこまでたどりつく、というところに目標をおけばいいでしょう。
    まず手をつけるのが漢字。そして、選択問題。選択問題は書かなくていい分、子どもにとっては精神的な負担が少ない。だからここの精度を上げる練習をしましょう。ポイントは、根拠を見つける。文章にこう書いてあるから、ここはアでなければならない、という論理がわかれば、確度は高くなります。
    こういう子が記述の学校を受けるのは、???という面がありますが、ただ、記述も書きなれればそこそこ点数がとれてくる場合があります。したがって、過去問の練習を中心にすえるといいでしょう。
    一方、算数が悪い子。
    これは逆に女の子に多いが、女子の学校の問題はそれほどむずかしくはない。だから基礎の練習を徹底的にやるといいです。例えば比と割合、円周率などのテーマについて、良く出るバターン問題をしっかりできるようにする。点数としては半分から6割とれることを目標に置くといいでしょう。
    理科ができない子は、基本的に覚えていない。これは社会にも通じるところです。観念してとにかく覚える。知識だけでもある程度点数がとれればいいのですから、まず知識を覚えていくということに力をいれるといいでしょう。社会は当然同じです。
    どの科目でもそうですが、大逆転は難しい。だから何とか受験者平均まで持っていく、ということを目標に勉強を組み立ててください。