各校の入試問題から」カテゴリーアーカイブ

力のつりあいに関する問題

2021年筑波大駒場の問題です。

太さが均一な長さ60cmの棒Aを1本と30cmの棒Bを2本、黒いおもりを3個、白いおもりを5個と糸を何本か用意して、てこのつり合いを調べる実験を行った。棒Bの重さは棒Aの半分で、棒の両はしにとりつけた糸でおもりや他の棒をつるすことができる。糸の重さは考えないものとして、後の各問いに答えなさい。
                                             1
【実験1】棒Aの中央(棒Aの左はしから30cmの位置)を糸でつると、棒Aは水平につりあった(図1)。
【実験2】棒Bの中央(棒Bの左はしから15cmの位置)を糸でつると、棒Bは水平につりあった(図2)。
【実験3】~【実験6】棒Aまたは棒Bの両はしにおもりをつるし、棒が水平につり合うように棒をつる糸の位置を調整した。そのとき使った棒、棒の両はしにつるしたおもりの種類と数、棒をつる糸の位置をそれぞれ記録した(図3~6)。

1.図5の①と図6の②に入る教をそれぞれ答えなさい。

2.【実験7】として行った内容と結果を記した次の文中の③、④、⑥、⑦、⑧、⑩に入る数と、⑤、⑨に入る色(黒か白)を答えなさい。

 「棒Aと棒Bを組み合わせた装置(図7)を作った。糸3、4、6、7におもりをつるし、3本の棒が水平につり合うように、棒Bをつる糸2の位置を調整した。ただし、1つの糸に必ず1つ以上のおもりをつるした。
  糸3につるしたおもりの重さの合計が最も小さくなるのは、糸3に黒いおもりを(③)個、白いおもりを(⑥)個、糸6、糸7には(⑤)いおもりを(⑥)個ずつつるしたときだった。
 黒いおもり3個、白いおもり5個のすべてをつるした場合、3本の棒が水平につり合ったのは、糸3に黒いおもりを(⑦)個、白いおもりを(③)個、糸6、糸7には(⑨)いおもりを(⑩)個ずつつるしたときだった。」

【解説と解答】

1 図1、2からAB2つの棒は均質であることがわかります。また図3から黒:白の重さの比は5:3であることがわかります。黒の重さを【5】、白の重さを【3】とすると、図4から【5】×25=【125】と【3】×35=【105】の差【20】が棒Aの重さ×5のところにあるので棒Aの重さは【4】とわかります。
【10】×①=【6】×(60-①)+【4】×(30-①)
【10】×①=【360】-【6】×①+【120】-【4】×①
【20】×①=【480】から①=24cm
また棒Bの重さは【2】となるので
【5】×②=【2】×(15-②)+【3】×(30-②)
【5】×②=【30】-【2】×②+【90】-【3】×②
【10】×②=【120】から②=12cm

(答え) ① 24 ② 12

2 糸3と糸2には同じ重さがかかります。糸2に黒いおもり③個と白いおもり④個がつるされます。
また糸6と糸7には同じ重さのおもりをつるします。これを白1個ずつとすると糸5には【8】の重さがかかるのでBの重さを加えると【10】になります。糸4に白いおもりを1つ付け加えると全体の重さは【10】+【3】=【13】になり、これは黒2個と白1個になります。

黒3個と白5個は全部で【30】の重さになり、左側にB2本があるので、合計【34】の重さを2つで分けるので、
半分は【17】したがって糸3には白4個と黒1個。残るは白1個と黒2個なので、糸6、7に黒を1個ずつつるし、糸4に白を1個つるせばつりあいます。

(答え)③ 2 ④ 1  ⑤ 白 ⑥ 1 ⑦ 1 ⑧ 4 ⑨ 黒 ⑩ 1


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熱に関する問題


2021年雙葉中学の問題です。

目に見えない熱というものは,移動することによって,ものの体積や状態に変化をおよぼします。
熱は温度の高い方から低い方へと移っていき,材質によって熱の伝わりやすさはちがいます。金属はガラスやゴムなどに比べてはるかに熱が伝わりやすいのです。また金属でも種類によって熱の伝わりやすさは異なり,銅はアルミニウムの約1.7倍,鉄の約4.4倍です。

 学校で熱の伝わりやすさを勉強したふたばさんは,銅板の中心を下からガスバーナーで熱し続けると,熱した部分を中心にだんだん黒ずむ(図1)ことを観察し,さらに興味を持ちました。そこで,金属の種類や形を変えて,実験をしました。

問1
図2のような形のうすい銅板をXの場所から熱しました。そのときの熱の伝わり方を表している図を、下のア~ウから1つ選び記号で答えなさい。

問2 
問1の実験の結果として正しいものを,下の①~⑥からすべて選び番号で答えなさい。
①Aに熱が伝わるのが最も早い 
②Bに熱が伝わるのが最も早い 
③Cに熱が伝わるのが最も早い
④AとBに熱が同時に伝わる   
⑤BとCに熱が同時に伝わる   
⑥AとCに熱が同時に伝わる
 
金属と熱について調べたふたばさんは,金属のふたがかたて開かないときは,ふたの部分をお湯で温めると開けやすくなることを思い出しました。

問3 お湯で温めるとふたが開けやすくなるしくみについて説明した下の文章の( )に最もよくあてはまる言葉を,それぞれ①~③から1つずつ選び番号で答えなさい。
 温められた金属のふたの体積は(A),ガラスの容器のロの部分の体積は(B)ので,ふたは(C)ためゆるくなる。
A:① 大きくなり     ② 小さくなり        ③ ほとんど変わらず
B:① 大きくなる     ② 小さくなる        ③ ほとんど変わらない
C:① 外側に広がる    ② 外側にも内側にも広がる  ③ 内側に広がる

問4 ものの中を熱が伝わっていく現象は生活のいろいろなところで見られます。下の①~⑤の熱に関係する文として,まちがっているものを1つ選び番号で答えなさい。

① 氷を冷凍庫から出してもとけないようにするには,発泡スチロールの容器に入れるとよい。
② ホットコーヒーはアルミ缶ではなくスチール缶に入っている。
③ 冷凍庫から出したばかりのアイスクリームがかたくてすくえないときは,アルミニウム製ではなく,ステンレス製(鉄が混ざっている金属)のスプーンを使うとよい。
④ フライパンの取っ手は,プラスチックで加工されている。
⑤ 公園で寒い日に鉄棒につかまると手がとても冷たく感じるが,木にさわってもあまり冷たく感じない。

 次にふたばさんは液体の熱の伝わり方についても興味を持ち,お風呂の追いだきについて調べてみました。追いだきにはいくつかの方法があり,ふたばさんの家では,冷めてしまったお湯に熱いお揚(80℃)を追いだきロから加えることで,浴槽のお湯を温めていることがわかりました。

問5 図3のような浴槽に追いだきロを取り付けるとき,最も適切な場所をア~エから1つ選び記号で答えなさい。また,全体を温められる理由を示している下の文章の(  )の言葉が正しければ○を,まちがっている場合は正しい言葉を書きなさい。

 液体は,流れを起こしながら熱が伝わっていく。この流れは,熱が伝わるとものの体積が変わることによって起こる。ものが温められると,体積が(1.大きく)なり,重さは(2,大きくなる)ので温度の高い液体が(3.下降)するような流れが起こる。

追いだきについて調べたふたばさんは,冷めてしまったお湯に温かいお湯を加えることで,どのくらい水温を上げることができるのかを試してみました。いろいろな温度の水やお湯を混ぜて,再び温度を測ったところ,例えば20℃の水50gと50℃のお湯100gを混ぜたときの水温は40℃になることが分かりました。

問6 40℃のお湯200Lが浴槽にあります。これを42℃にするためには何秒間追いだきをする必要がありますか。ただし,追いだきロからは毎分5Lのお湯(80℃)が浴槽に加えられるとします。また,熱が他のことに使われることはなく,追いだきの途中でお湯は冷めないものとします。答えは小数第一位を四捨五入して答えなさい。

【解説と解答】
問l 切れている部分は熱が直線的に進み、そこから同心円を描いていきます。
(答え)イ  
問2 熱源と直線で結ばれているAが一番速くなります。
(答え)①  
問3 温められて体積は増えますが、ガラス容器の口は変わらないので、ふたは外側に広がります。
(答え)A ① B ③ C ①  
問4 アルミの方が体温は伝わりやすくなります。
(答え)③
問5 お湯は上に行きますから、口は下の方にある方が良いですが、全体にいきわたるための対流を考えるとイになります。
体積は大きくなりますが、重さは変わらないので密度が小さくなるから、上昇します。
(答え)イ l ○ 2 変わらない 3 上昇
問6 2度の差ですから200×2=400必要で、1分間には38度上げられるから10.526L必要です。
1分間に5L出ますから、5で割って60倍すれば必要な秒数になります。
式(200×(42-40))÷(80-42)=10.526・・・
10.526÷5×60=126.3・・・
(答え)126


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音に関する問題

2021年海城中学の問題です。

次の文を読み、以下の各問いに答えなさい0数値で答えるものは、必要であれば四捨五入して整数で答えなさい。

  物が振動すると、まわりの空気が振動します。その振動が空気中を伝わり、私たちの耳の鼓膜を振動させると、私たちはそれを音として感じることができます。私たちのまわりには様々な音がありますが、昔の違いは、昔の三要素とよばれるもので区別できます。
 問1 音の三要素とは何ですか。それぞれ答えなさい。

 図1は、鍵盤の一部です。①の鍵盤と②の鍵盤は、どちらも弾くと「ド」の音が出ますが、②は①より1オクターブ高い「ド」、逆に言うと、①は②より1オクターブ低い「ド」になります。この違いは、振動数の違いで生じています。振動数は、音を発しているものが1秒間に何回振動しているかを表しており、単位はHz(ヘルツ)を用います。②の振動数は①の振動数の2倍になっています。また、例えば①と③のように、白い鍵盤と黒い鍵盤の区別なく、となり合う鍵盤の振動数は、右側が左側の1.06倍になっています。


 
 問2 ④の鍵盤を弾くと振動数が440Hzの「ラ」の音が出ます。②の鍵盤を弾いたときに出る音の振動数は何Hzですか。必要であれば、
1.06×1.06=1.12

1.06×1.06×1.06=1.19

1.06×1.06×1.06×1.06=1.26

1.06×1.06×1.06×1.06×1.06=1.34

1.06×1.06×1.06×1.06×1.06×1.06=1.42

 として計算しなさい。

問3 ①の鍵盤を弾いたときに出る音の振動数は何Hzですか。

 図2のようなモノコードとよばれる装置は、弦を張る強さを変えたり振動させる弦の長さを変えたりはじき方を変えたりすることで、出る音を変えることができます。

問4 モノコードでの音の出し方を、次の(1)~(3)のように変えてみます。そのときの音は、変える前の音と比べて、それぞれどのように変わりますか。下のア~クから適当な組み合わせを1つ選び、記号で答えなさい。

(1)弦を強く張る。
(2)ことじを動かして弦の振動する部分の長さを短くする。
(3)弦を強くはじく。

問5 弦を別のものに張りかえても、音を変えることができます。張りかえる弦は同じ材質のものを使うことにします。弦の張る強さと振動する長さは同じままで、高い音を出すには、どのような弦に張りかえればよいですか。

 ギターは、太さの異なる6本の弦を張った楽器(図3の右側が第1弦,左側が第6弦)で、弦を押さえる場所(フレット)を変えながら、弦を弾いて音を出します。ギターのような弦楽器は、演奏に用いる前にチューニングという作業をします。ギターでは、まず第5弦をどこのフレットも押さえずに弾いたときに出る音の振動数が440Hzになるように、弦を張る強さを調整します。次に、第5弦を張る強さは変えないで、第6弦を5フレットを押さえて弾いたときと、第5弦をどこも押さえないで弾いたときの音の振動数が同じになるように、第6弦を張る強さを調整します。同じようにして、以下の
 第5弦を5フレットを押さえたときと、第4弦をどこも押さえないとき
 第4弦を5フレットを押さえたときと、第3弦をどこも押さえないとき
 第3弦を4フレットを押さえたときと、第2弦をどこも押さえないとき
 第2弦を5フレットを押さえたときと、第1弦をどこも押さえないとき

の4組の音がそれぞれ同じ振動数になるように、第4弦~第1弦を張る強さを調整していきます。

問6 チューニングを終えたギターは、第1弦をどこも押さえないで弾いたときに出る音と第6弦をどこも押さえないで弾いたときに出る音はどちらも「ミ」の音になりますが、2オクターブ異なります。高い「ミ」の音が出るのはどちらの弦ですか。

問7 間6の「ミ」の音で、一方の音の振動数は1319Hzです。他方の音の振動数は何Hzですか。

【解説と解答】
問l 音の3要素は強弱、高低、音色です。
(答え)音の強弱・音の高低・音色
問2 鍵盤で3つ違います。したがって440×1.06×1.06×1.06=440×1.19=523.6≒524
(答え)524
問3 1オクターブで2倍ですから、524÷2=262
(答え)262
問4 弦を強く張れば音は高くなります。また弦の振動する部分を短くすれば、これも音は高くなります。強くはじけば音は大きくなります。したがってイ。
(答え)イ
問5 弦を細くすることで音は高くなります。
(答え)細い弦
問6 高い「ミ」の音がでるのは1弦。1弦をおさえないときと2弦で5フレットをおさえた音が同じなのですから、どちらもおさえなければ1弦の方が高い音が出るということです。
(答え)1
問7 2オクターブですから2×2=4倍になっているので1319÷3=329.75≒330となります。
(答え)330


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