パパママ先生合格術」カテゴリーアーカイブ

第45回 1人で勉強する

■子どもたちがひとりで勉強するというのは、結構大変なことです。もちろん1人で勉強してくれたら、親としてはこんなに楽なことはないのですが、そう簡単にできるようになるわけでもありません。

■例えば、計画をたて、合格手帳に書いて持たせたとしても、実際に実行してくれるのかといえば、そういうときもあるし、そうでないときもあるもの。ため息をついているお母さんの声が聞こえそうですが、しかし、それが幼さなのです。

■精神年齢が幼いという言い方をよくします。私は、幼さの典型は、「頭の中ではわかっていても、実際に実行できない」ことだと思っています。大人になるにつれて頭の中で「やらなければいけない」とわかっていることはどんどん実行できるようになるのですが、子どもはいろいろなことに興味が湧くので、違うことに手が伸びて、「実行できない」ことになるのです。

■本にも書きましたが、だから生活の中から1人でできることはどんどんさせていき、勉強はいっしょにやるというのが、ある意味効果的な方法になると思うのです。ところが普通は子どもができることを大人がやってあげて、ある意味一番難しい「1人で勉強する」ということを子どもにさせようとしている方が多いように思うのです。

■といって仕事をされているお母さんも増えています。当然、子どものことばかり携わっていることはできないでしょう。しかし、それでもやり方はあります。最近は携帯電話もあればメールもあります。子どもにリマインドすることはできるでしょう。子どもだって、いわれて「あ、そうだった」と思うようになればいいのです。

■ただ、言い方には気をつけなければいけません。「やったの?」「まだ、やってない」「どうして?早くやりなさい」では多分、やらないでしょう。子どもがやらなきゃ、と思う気持ちにさせなければなりません。

■例えば「がんばってね。残ったものは、お母さといっしょにやりましょうね。」「わかんないのだけ、残しておいてもいい?」「そのくらいなら、いっしょにできるわね。でも、できるだけがんばってね」子どもといっしょにがんばれる時間は多分、これが最後です。だから、子どもといっしょになって、がんばるお母さん、お父さんでいてください。その気持ちが、子どもたちを動かします。

(平成17年2月18日)

第44回 植物の名前

■このまえ、久しぶりに理科の授業をやってみたのです。第1回は植物。で、子どもたちにテキストにのっている植物を見たことがあるか、尋ねてみました。結果は惨憺たるもの。でもね、これはやはり今の社会が悪いです。

■「オオバコ、知ってる?」「ヒメジョオン、見たことある?」「ナズナは?」「エノコログサ知ってる?」「ツユクサは知ってるでしょ?」だんだんクラスの雰囲気が悪くなってしまいました。知らない、見たことない、そういえば、私自身も最近、とんと見たことがないのです。

■東京で普通に生きていても、子どものころ見た雑草にお目にかかることはまずありません。たまに造成前にほっておかれている空き地があったり、公園の木の下に生えていることもありますが、しかしあまり目にしなくなりました。

■植物の勉強をするということは、非常に大事な範囲です。しかし、実際に見ないとよくわからない。結局テキストの写真を見て、あるいは図鑑を見て、なるほどこんな植物なのかと思うくらいしかないのです。

■テキストの問題のなかに植物の絵が描いてあって、これは何か答える問題がありました。子どもたちがわかったのはタンポポくらい。シロツメグサなんて、私が子どものころはいっぱいありましたが、今はほとんど見かけません。

■こうなるとやはり山や田舎にでかけていって、植物を見せないことには話にならないなあと実感しました。化学の実験や、力学、電気の計算は教室で教えるのはそれほど難しくはありませんが、こと植物に関しては、うーんとうなったきり。結局、話題は環境破壊の話に代わってしまいました。

■これから春です。いろいろな植物が芽吹くとき。塾やテストもいいですが、たまには郊外や山へ出て、子どもたちにいろいろな植物を見せてあげてください。今の子どもたちが理科で一番嫌いな分野は植物なのです。

(平成17年2月11日)

第43回 入試後の過ごし方

■え、入試後もまだ勉強するの?と言われそうですが、実はここが肝腎なのです。試験も終わった。今まで塾にも通ったし、受験勉強もしてきた。だから今日からは解放されてなんでもやるぞーとゲーム機にかじりついた子どもたちが多いのかもしれません。ここが「合格して失敗する子」のスタートなのです。

■合格した後、喜ぶのはいいのですが、そこで勉強が終わりになるのではありません。当然、中学でまた新たな勉強が始まるのです。ところがここで受験が終わり、「ほっ」とするのはわかるのですが、遊び癖がつきやすいのです。親も「まあ、今までがんばってきたのだから」という気持ちになって、ついつい気が緩みがちになるのです。

■でもよく考えてみると、これからはあるレベル以上の子どもたちの行く学校で勉強をするのです。今までよりも横一線、いや入った位置によっては、後ろからのスタートということも十分考えられます。したがって、これまで以上に勉強が大変になる可能性があるのです。

■しかも中学に入ると英語が始まります。ここで帰国の子どもたちの活躍が始まります。今まで帰国の子どもたちが活躍する場はある意味少なかったのですが、英語ではかなり実力の違いが出てくるでしょう。だからここで油断してはいけないのです。

■子どもたちは、いろいろと春休みに向けて計画を立てているでしょう。スキーに行こう、ディズニーランドは?実際に卒業式に向かっているのですから、当然その気持ちはわかるのです。だからといって油断してはいけない。私は本当の中学受験の終わりは中1の夏休みだと思っているのです。

■中1の1学期、中間試験、期末試験の結果がでて、ああ、入った学校で十分やっていけそうだということがわかれば、これから本人に任せていけるなと感じられるだろうと思います。しかし、今は入学試験に通っただけです。ここで遊んでばかりいると、1学期に大変なことになります。

■今まで、せっかく勉強するくせがついたのだから、ゼロにはしないことです。中学の予習を始めたらいいのではないでしょうか。特に英語、数学は中学から新たに勉強する科目ですから、予習しておけばそれだけ、1学期に効果があるでしょう。もちろん受験勉強なみにやる必要はありません。ただ常に勉強はしようという気持ちにしておいた方が良いと思います。

(平成17年2月6日)