子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第12回 得意な科目は何ですか?

■中学入試の場合は、国語、算数、理科、社会の4科目を勉強します。みなさんはどの科目が得意ですか?きっと、得意な科目は一生懸命勉強していて、あまり得意でない科目は「やらなければいけない」と思ってはいても、実際にはあまり時間をさけていないのではないでしょうか。

■昔教えていた子どもに社会の得意な子どもがいました。この子は社会の中でも特に歴史が大好き。ですから、勉強しなさいといわれると、すぐ「社会」の勉強をしてしまいます。本当は、算数や理科の勉強もしなければいけないのですが、残念ながらあまり集中して勉強できていませんでした。

■その生徒と面接をしました。「社会は得意だね?」「はい」「どうして得意なのかな」「え、好きで勉強するからだと思いますけど。」「そうだよね。では、算数は?」「算数はあまり得意ではないので。」「だから勉強しない」「まあ、そうです。」「だったら、算数を好きになればいいんだよね」「はい。」「社会はねえ、君の力はもう僕を超えていると思うんだよね。つまりそれだけ勉強すれば、できるということははっきりしたわけだ。」「はあ。」「だから、算数もやればできるんじゃないかな」

■ということで、その生徒は、社会の勉強はちょっと置いて算数の勉強を始めました。最初はもちろんできません。ただ頼りは「社会はできる、だから算数もできる」です。授業中わからないことはどんどん聞きにくるようになりました。復習にも時間を割きました。そうするとだんだんわかってきます。わかってくるとおもしろくなる、これは勉強した人ならだれでも体験できることです。

■その結果、私と面接してから3ヵ月後に彼の算数の偏差値はなんと10ポイントも上昇しました。そのときはさすがの私もびっくりして、その子を呼び出しました。「すごいねえ。」「はあ。まあ」「やっぱりやればできるってことだね。」「はい。」「後はバランスよくうまく時間を分けて集中して勉強するコツさえつかめればいいわけだ。」「ああ、はい。がんばります。」

■社会が得意だったこの生徒は、算数、理科と進み、一番嫌いな国語も最後はがんばるようになりました。結果として最初のころは当然無理といわれていた第一志望に見事合格していきました。

■実はできないと思い込んでいるのは自分だけということがよくあるものです。得意な科目、あるいは得意なことは誰にでもあります。それができるということは、他のことだって本当はできるのです。国語が不得意、でもそれはやってないだけ。本当はやればできるのではないでしょうか。

■自分の得意科目はなんだろうとぜひ考えてみてください。そしてその科目がどうして得意なのかも考えてみてください。それが他の科目にもあてはめられることは、みなさんにもすぐわかるでしょう。できると思った人ができる、これは実は昔から言われていることなのですが、なかなか実行できないことでもあります。さあ、みなさんはどうしますか?

(平成17年3月23日)

第11回 春休みの過ごし方

■あと2週間で春休みになります。塾に行っている人は春期講習がありますが、学校はないので自分で勉強する時間を増やすことができます。そこで春休みの計画を立てましょう。このホームページにデイリープランがありますから、それに書き込んでみてください。

■まず今決まっている予定を書き込んでみましょう。春期講習、旅行、イベント(ディズニーランドに行くとか、お墓参りとかあるのではないでしょうか)などを全部書き込んでください。それが終わったらいったいどのくらい家で勉強するのか、それぞれの日の予定を見ながら割り出してください。

■次に学習内容書き出しリフィールを使って各教科で何をやるべきか書き出してみましょう。リフィールは教科ごとに使って、やった方がいい勉強を書き出していきます。

■例えば算数はできなかった問題のやり直しがあるでしょう。塾の宿題や講習の復習もあるかもしれません。国語は普段なかなか手がつけられない問題集をやるチャンスです。やった方がいいと思う勉強を書き出します。このときお父さん、お母さんや塾の先生に相談してもいいでしょう。

■書き出したら、そこに優先順位をつけます。優先順位をつけたら、あとはデイリープランの学習の時間に割り振ってみてください。もちろん書き出したものすべてが入るとは思いません。だから優先順位をつけているので、計画に入るだけの勉強をやればいいのです。塾の先生に宿題を出されて計画を立ててみたけれど、できない場合はもう一度相談してみましょう。

■計画ができたら、あとは実行です。同じデイリープランはお父さんやお母さんに持ってもらって、終わったかどうか確認してもらってもいいかもしれません。あるいはデイリープランを大書してリビングに張り出し、終わったものは赤いマジックで消していくという方法もいいでしょう。(どんどん消せると気分がよくなり、自信がわいてきます。)この春休み、大いにがんばって力を伸ばしてください。

(平成17年3月16日)

第10回 記述問題はめんどう?

■国語の問題を解いていて、記号やことばの書き抜きはやってあるのだけれど、記述問題や自分のことばで答えなさいという問題は空欄という子が結構います。みなさんはどうですか?

■こういう子どもたちに「どうして?」というと「わからない」とか「めんどう」とかいう答えが返ってきます。実はしっかり考えればできる問題なのに、何か面倒だなあという感じがするのではないでしょうか。

■そういう子が多いということは、逆に言えばここを書けば得点がとれる、あるいは差をつけることができるということになります。またこういう問題は、選択問題よりは配点が大きいので、チャンスなのです。

■記述問題のコツは、短い文を複数書くことです。私はよく「ひとつの文はひとつのことを言えばよい」といってきました。「5年ぶりにお母さんに会った。うれしかった。そしてこれまでの苦労が思い出されてきた。」みたいに1つの文を短くすると文を書くのは難しくなくなります。

■自分のことばで書きなさいという問題も文章の文をそのままコピーしてはいけないというだけのことですから、似たように書き直せばいいのです。ここがポイントだなあと思ったら、そこに傍線を引いておきます。そしてそれを単文に書き換えるのです。1つの文は1つのことをいえばいい。たいていの文はそれ以上に長いはずです。ですから、分解すればいいだけのことです。

■国語の問題は、とにかく答えを埋めること。この練習を欠かさずやってください。何も書かなければ、得点は生まれません。何か書けば得点をもらえるチャンスはあるのです。国語はできれば毎日、1問ずつでいいから文章読解の練習をしてください。そして必ずすべての問題を答えましょう。間違ってもいいのです。一度答えを考えれば、正解を見たときにピンとくることが多くなります。そうか、そうなんだと理解すれば、それだけ力はついてくるのです。

(平成17年3月9日)