子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第15回 テストの受け方(1)

■テストを受けるには、やはりコツがあります。テストというのはなるべく高い点数をとらなければなりません。入学試験は合格点以上をとれば良い試験です。逆に合格点に1点でも足りなければ不合格。1点不足しようが、50点不足しようが同じことです。ですから、1点でも多くとる工夫をしなければなりません。

■そこで最初のコツ。できるところから先にやるということです。多くの人が1番から始めるかもしれませんが、まずは全体を眺めてみて、できそうなとこから始めるのがなるべく高い点を取るためには有効です。

■例えば国語の試験では、漢字や知識の問題から始めるのがいいでしょう。算数は一行問題や計算から始めるといいと思います。つまり短時間に終わって、確実にできそうなところからはじめていくことがコツです。

■2番目のコツは、字をていねいに書くこと。え?と思われるかもしれませんが、とても大切なことです。入学試験は、みんなができない難しい問題はできなくてもいいが、みんなができる問題を落としてはいけないのです。みんなができない難しい問題は、できなくても、差をつけられることがありません。しかし、みんなができた問題を間違えると確実に差をつけられてしまうのです。

■言い換えれば、難しい問題はできなくてもいい(最初からすててもいい)が、やさしい問題をミスして間違えると大きな失敗につながるということです。ですからミスをしてはいけない、ミスの原因はいくつかありますが、その原因の第1位は自分の書いた字を読み間違えることです。

■じゃ、試験のときだけきれいに書きますと思うかもしれません。でも、なかなかそうはいかないのです。特別な日(テストの日)に特別なことをやるのは、難しいのです。ですから普段からていねいな字を書くこと、例えば0と9と6ははっきり区別して書くことなどを実行してください。

■漢字も大事です。せっかく覚えていたはずなのに、トメ、ハネが違って減点されてしまうこともあります。また、井伊直弼と漢字で覚えていたのに、伊井と書いてしまうミスだってあるのです。知識を正確にするためには、まず書く字を正確にすることが必要です。これはその日だけやればいいというものではありません。毎日の勉強で実践していかなければならないのです。

■別にうまい字を書きなさいといっているわけではありません。誰がみても、これはこの字だとわかる字を書くことが大事です。試験は見てもらうものですから、採点する先生のことを意識して字を書いていかなければならないのです。

(平成17年4月19日)

第14回 自分を変えることができるのは自分だけ

■今日中学生と話をしていました。彼はここのところ英語の成績が悪くなっているのです。悪くなっている理由は簡単。勉強をしていない。英語は語学ですから、毎日話したり読んだりする環境にいれば、だれでもできるようになります。ただ、日本ではある一定の努力をしない限り、毎日英語を読んだり、書いたりすることはできないのです。

■「英語がきらいな理由はよくわかるよ。覚えるのが面倒だってことだろう?」「はい」「単語覚えていないんだよね。」「文法はわかります。でも単語はだめです。覚えられない」「っていうか、そんなに時間かけてないだろう」「ええ、まあ」

■彼は私立中学に入りました。そこで運動クラブもやっているし、他の教科の勉強もあります。その隙間をぬって塾にも来ているのですが、今日も単語を覚えていないと先生にしかられていたのです。そこで、私の席に呼ばれたわけですね。

■「でもねえ、結局覚えるのは、君なんだよね。」「担当の先生でも、僕でも、君のお母さんでもなくて、君なんだよ。先生もお母さんも僕も、君のことは心配してるさ。だけど心配してるだけ。だって、君の代わりに勉強できないからねえ。」「ああ、はい」「だから、覚えるのは君だからね。君がやらないと何もかわらないわけだ。」

■「いや、やろうとは思ってるんです。」「そう、そりゃあ、誰でも勉強はしなくちゃとは思うんだ。だけどなかなか実行できない。だから大変なんだけどね。でもねえ、やっぱり自分を変えることができるのは君だけなんだなあ。そこ、わかるかなあ。」

■「ああ、はい、わかります。」「そう、それならいいけどね。ひとつヒントをいおうか。外人は毎日英語を読んで、英語を書いて、英語をしゃべるからできるようになるのは簡単なんだ。でもね、君は日本人だしね。日本に住んでるからね、英語知らなくても一応生きていけるんだよ。だから毎日触れる努力をしなきゃいけないんだ。だからね、手帳でもノートでもいいから、単語を書いてね、暇があったら見るんだよ。書くんだよ。そういう積み重ねしか単語は覚えられないからね。」

■「でもわすれちゃいます。」「そうさ、僕だってすぐ忘れる。だからまた覚えなおすんだ。その繰り返しだよ。でもね、人間は忘れるからねえ。忘れるからまたやるしかないんだなあ。でも、君がやるしかないんだな。」「あ、はい、やってみます。」

■自分を変えることができるのは自分だけ、ってみなさん、気がついています?

(平成17年4月12日)

第13回 勉強は食堂のテーブルが一番!

■え、と思われるかもしれませんが、受験勉強に関していえば食堂の大きなテーブルで勉強するのが一番便利です。

■まずテーブルが大きい。参考書や問題集、テキスト、プリント、広げてみたいものはたくさんありますが、みなさんの学習机は小さくて多分、これらのものを重ねておくしかないでしょう。

■それに食堂にはお父さんやお母さんがいます。ちょっと何か聞きたいことがあったとき、すぐ聞けますし、一応見張っていてもくれますから、勉強がだらだらせずに済むのです。

■受験勉強というのは、はっきり結果を出すための勉強です。みなさんからすれば見たいテレビをがまんするのも、やはり中学に合格したいから。だから、結果を出すためには時間を無駄に使ってはいけません。ところが自分の部屋で勉強すると、ほらほら、すぐに漫画や本に手がでたり、おもちゃをいじってみたり、・・。つい無駄な時間を送ってしまうのです。

■だったら、そんなものがないところで勉強するのが一番。食堂のテーブルに勉強道具をどんどん持ち込んで、そこで広げて、お父さんやお母さんにもわからないことは教えてもらって、どんどん勉強を進めるに限るのです。

■お母さんだって、君たちの部屋で横についているよりは他の仕事もできるし、助かるでしょう。自分でこの時間は勉強すると決めたら、それだけをするために食堂のテーブルを借りればいいのです。ついでにいえば、テレビも消してもらって、集中して勉強しましょう。

■君たちの部屋は実はあまり受験勉強には向いていないのです。先ほどいったように「魅力的なジャマモノ」がいっぱいあるからです。それに一人になれる。一人になれるというのは、勉強しやすいようでいて、そうではありません。なぜなら何でも自由になるから、つい休憩が長くなってしますのです。

■これから受験勉強をするときは、ぜひお母さんやお父さんのいる食堂のテーブルでやってください。何が違うか、よーくわかると思います。

(平成17年4月1日)