第37回 高校受験と中学受験の違い

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■ある高校受験生の保護者の方から相談を受けて、改めて中学受験と高校受験の違いを感じてしまいました。その受験生は公立高校が第一志望、私立が第二志望です。ところが第一志望の公立高校には内申で4ポイント足りません。したがって当日の試験ではそうとういい点数をとってもなかなか厳しいところです。

■ そこで担当の学校の先生は第二志望の私立の単願推薦をとったらどうだろうかと薦められたそうです。その第二志望は単願推薦なら今の内申でも通るが、しかし併願にするのであれば多分受けても合格しないだろうということだったのです。保護者の方としてはここまで、がんばってきたのだから、公立高校は受けてもらいたいと思いますが、一方でもし、だめだったら第二志望は受けても入らない、その段階で入れるのはもっと低い私立になり、そこは本人が絶対に行きたくないので、どうしたらいいだろうかというご相談でした。

■この場合は、第二志望の単願推薦をお勧めしました。保護者の方としても理解はされたのですが、「先生、公立を目標にがんばってきたのに、受けずに終わるのは何とも、残念で仕方がないのですが。」という話をされてお帰りになりました。まさに、その通りだと思いますが、高校受験の場合は、仕方がないといわなければならないでしょう。

■中学受験は、もし全部落ちても、義務教育期間内ですから公立中学という受け皿があります。ところが高校受験の場合は、そういう受け皿はありませんから、確実にまず合格することを考えます。私立、公立ともその意味では早くから来る生徒を確保したいので、明確に合格の目安を出します。それが内申であり、テストの目標点数なのです。ただテストの場合は、テストにならないとわかりません。内申は2学期で確定しますから、これは明確な数字としてわかります。

■したがって私立は早くから単願推薦をとります。内申が基準内申を突破していればそれで合格を確約します。その代わり受験生は他の学校を受けることはできません。その結果、実はこの冬期講習前に合格が確定した生徒は、結構たくさんいるのです。これは全員を確実に高校に入れたい中学側と早めに定員を確保したい高校のニーズが一致したシステムで、以前は業者テストの偏差値で決まっていたのが、近年は内申で決めているのです。

■一方、中学受験にはこんなシステムはありません。したがって、一部推薦入試を除いてどの子も入試を受けます。だから自由な競争ですし、受けたいと思えばどの学校でも受けられます。しかし、当然、難しい学校ばかりを受ければ全部落ちることもあるわけで、その分、受験校選びは慎重になります。ただ、高校受験のように試験が受けられないということはあまり、ないのではないでしょうか。第一志望はほぼ全員が受けているのではないかと思うのです。

■高校受験と中学受験の違いは、こんなところにもあるのです。私は、現状の高校受験の仕組みを特に悪いとは思いません。ご相談いただいた生徒は第二志望に単願推薦を経て合格することができるのですから、入試の結果として行きたくない私立に行くよりは、第二志望の学校に入学できるのは良いことです。そのリスクを回避する代わり、第一志望の公立を受けられないというのは仕方がないことでしょう。この仕方がない、が高校受験の場合は多いのです。

■この前、高校受験塾の経営者の方とお話したとき、「教える側からすると、高校受験は張り合いがないんです。さあ最後の追い込みだと思っていると、横からさらっと推薦で決まってしまう。その意味では先生、中学受験はいいですね。」確かに、最後まで指導できる中学受験はその点、恵まれているかもしれません。その分これから2ヶ月は、教える側にもプレッシャーが出てくるのですが。

(平成16年12月23日)

 

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