校長先生の感想

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ある校長先生と話をしたときのこと。

ここのところ、その学校の偏差値は少しずつ上がり続け、今では大手3社の模擬試験偏差値で60を超えてきているのですが、その先生が「今の子どもたちはできるようになっていない」と言うのです。

昔に比べれば格段に生徒のレベルは上がったはずなのですが、特にここ数年、入学する生徒の手応えがない。なぜだろう、という話になりました。

で、思いつくことでいえば、みんなが相当早くいろいろな勉強をさせられていること。じっくり読んだり、書いたり、ということができていないかもしれない、という話をすると

「それはそうかもしれない」

というところに話が落ち着いてきました。

中学受験の問題は小学校の勉強とはかけ離れたところにあるので、どうしても塾での勉強に比重がかかるわけですが、塾でしっかり計算をやったり長い文章を読んだり、ということができるかといえばそうでもない。

つまり地頭が良くなる、というような練習ではなく、目先の点数を取ることに特化した訓練が積まれた結果、いざ根本的にものを考える、というようなことができにくくなっている。

疑問を持たずに、それは覚える、みたいな勉強の進め方といってもいいかもしれません。

で、手応えがないので、入学後にもう一度じっくりやり直すことにしたのだそうです。

「中高一貫6年間ありますから、中学校の間はなるべく自分で掘り下げる勉強をさせよう、ということにしています。」

その学校で大学受験の実績がここのところ上がってきているのは、そういう取り組みが功を奏したからかもしれません。

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