■2004年8月8日の朝日新聞の記事にベネッセ未来教育センターの中学生意識調査の結果が出ていました。調査は今年2月に実施されたもので、中学1年生から3年生合計1355人より回答を得ています。
■家にいるときの気分について「のびのびできる」にあてはまるのは84%、「安心できる」にあてはまるのが81%。親との会話については父親とよく話をする27%、母親とよく話すは55%。中でも母親とよく話をするは女子生徒は72%。また親について「一生懸命働いている」72% 「家事をがんばっている」61%と答えています。親との関係の評価で見ても、父親については「とてもうまくいっている」20.8% 「かなりうまくいっている」18.5% 「ややうまくいっている」38.4%で合計77.7%。母親にいたってはこの3つの合計が87.4%に達しています。これらの結果から、朝日の記事はこうコメントしています。「一般的に中学生は第二次反抗期の難しい年頃とされている。同時に親から自立していく過渡期ともとらえられる。今回の調査結果からは、そうした反抗期にある中学生像が浮かんでこない。」
■私はこの結果について当然と思います。今は昔に比べて少子化ですから、親が子どもの様子に比較的目が届いています。最近は子どものいやな事件が増えましたから、これまで以上に子どものことに関して関心があるといえるでしょう。一方で関心が高くなっている分、子どもたちの不満は、解消されている部分があります。
■だから、子どもたちが親に依存する傾向は高く、精神年齢で言えば一段と幼くなったといえるでしょう。ベネッセのコメントでもこれが小学生高学年であれば何の問題もないとあります。ただ、中には年齢に見合った精神年齢の子どももいますから、同じ学年にもかかわらず、精神年齢のばらつきが生じることになります。
■だから普通の生徒であったとしても、そのアンバランスの中でとんでもないことを起こす可能性があります。体の成長と精神の成長が一致しないので、現実してはいけないことと、空想の世界との区別がつかなくなったりするのです。一方でいつまでたっても親が子どもとの関係を変えないと、その幼さが続いてしまいます。
■第二次反抗期は、子どもに自分でやっていく自信がついて、そのことで親に「ああしろ」「こうしろ」といわれたくなくなって反抗する時期です。ですからこの調査結果でも「あまり干渉しないでほしい」という生徒は半数を超えます。第二次反抗期がなくなったのではなく、個々によって時期がばらばらになってきたということでしょう。
■ただ、いつ子どもを大人扱いしていくのかということについては、ある意味難しさが出てきたと思います。なるべく早めにという意識はあったとしても、子どもの管理をやめていいというわけではありません。その意味で、より多くのコミュニケーションが必要であり、また厳しさも必要になってくるわけです。近年、親が子どもに対して厳しい態度で臨むということが少なくなった部分もあり、今回の結果は、その点を再度検討してみる必要があるということを教えてくれていると思います。
(平成16年9月25日)