慌てない

組み分け試験で、最後まで終わらない。4年生や5年生にも、そういう子がいます。時間が足りないのだから、もっと急いで解かなければいけない。先生にもそう言われると、子どもは何とか速く進めようとします。ところが、急いだ途端にミスが増えるのです。

問題文をきちんと読まない。何を聞かれているのかを取り違え、確かめないまま答えを書く。字まで乱雑になり、自分で書いた字を見間違えることもあります。これでは解いた問題が増えても、点数はまとまりません。クラスも現状維持がやっと、ということになるでしょう。

そもそも組み分け試験は、差をつけるために問題自体が多くなっています。模擬試験も同じような構造です。終わらなかったという結果だけを考えれば、親が速さを求めたくなるのはわかります。クラスが上がらなければ、なおさら急がせたくなるでしょう。

しかし、そこで速く解くことばかりを求めると、問題文を読まず、勘違いしたまま進む癖がついてしまう。受験勉強が続く間、その癖を抱えたまま問題を重ねることになります。できない問題が残ったのではなく、できる問題を急いで落としていたのなら、速くした意味はありません。しかも、この癖を直すのは本当に大変です。

だから、急がせるほど答案が崩れる子には、違うやり方が必要です。最後まで終えることより、読んだ問題をきちんと解く方に戻す。その方がよいとわかっていても、目の前のクラスを考えると、ご家庭はなかなか踏ん切りがつきません。しかし、同じやり方を続ける方が遠回りになる。慌てる子ほど、まず慌てないことです。