2018年海城中学の問題です。
次の文章を読んでヽ以下の各問いに答えなさい。
生き物は様々な自然環境の中で生活をしています。気候によりそこに生活をする生物の*生活形は異なります。植物を例にすると、樹と草の違いが生活形の違いであり、樹においては針葉樹や広葉樹という葉の形の違いも生活形の違いとなります。また、ある地域が森林になるか、草原になるか、砂漠になるかは年平均気温と年降水量で決まります(図1)。
森林でも、年平均気温や年降水量でそれを構成する樹木の生活形は異なります。ボルネオ島などの熱帯地域では高さが50mを超す常緑樹が存在し、シベリアなどの亜寒帯地域では主に針葉樹が存在しています。
樹木は葉があるところまで、水を引き上げる必要があり、一定量の液体としての水の存在が不可欠です。水を引き上げるための原勵力のひとつとして、( 1 )があります。( 1 )は、主に葉の三日月型をした2つの細胞からなる( 2 )で行われ、これにより水が引き上げられると、それに伴って根から水が吸い上げられます。根から吸収された水は維管束の( 3 )を通って葉へと移動します。
日本でも地域によって、樹木の生活形は異なっています。北海道においては、針葉樹と落葉樹がまざった樹林が、1)東北地方北部では落葉広葉樹の樹林が、東北地方南部から沖縄地方のイかけては常緑広葉樹の樹林が多く存在しています。2)日本における樹木の生活系は主に年平均気温によって決まり、年降水量はあまり関係がありません。
一方、3)アフリカ北部など極端に年降水量が少ないところは砂漠になり、4)モンゴルなどの年降水量が少ないところは草原になります。
・生活形:生物が、その環境に適応するためにもつ形。
問1 文中の( 1 )~( 3 )に入る適当な語句をそれぞれ答えなさい。
問2 下線部①について、日本国内のいずれかに生育している(1)落葉広葉樹、(2)常緑広葉樹、(3)針葉樹を次のア~コからそれぞれ3つずつ選び、記号で答えなさい。
ア ブナ イ コナラ ウ シラカシ エ カラマツ オ スギ
カ ススキ キ スダジイ ク アカマツ ケ ケヤキ コ クス
問3 下線部②について、日本ではどうして年降水量と樹木の生活形にあまり関係がないのでしょうか。その理由について説明した次のア~オの文のうち、最も適当なものを1つ選び、記号で答えなさい。
ア 日本には四季があり、季節によって降水量に差があるから。
イ 日本は南北に長く、雨の温度に違いがあるから。
ウ 日本は各地域で地面からの蒸発量に大きな違いがあるから。
エ 日本は各地域の年降水量が森林形成に十分であるから。
オ 日本は植物が成長する夏場に各地域で十分な気温になるから。
問4 下線部③について、図1において、年平均気温が10℃の場所よりも、年平均気温が28℃の場所の方が、年降水量が多くても砂漠になりやすいのはなぜか簡潔に説明しなさい。
問5 下線部④について、次の図2はモンゴルに行ったときにスケッチしたある丘の風景です。モンゴルでは冬に雪が降り、それが一面に積もり、夏には雪は溶けます。図2の左側が南で、右側が北になっています。南側斜面には森林がなく、北側斜面には森林が発達しています.その理由を、文章や図を参考に考え、説明しなさい。
【解説と解答】
問1 蒸散作用によって、気孔から水分が出され、それに伴って道管を通って根から水が吸い上げられます。
(答え)(1) 蒸散 (2)気孔 (3)道管
問2 (1)落葉広葉樹→ブナ、コナラ、ケヤキ、(2)常緑広葉樹→シラカシ、スダジイ、クス (3)針葉樹→カラマツ、スギ、アカマツ
(1) ア・イ・ケ (2)ウ・キ・コ ③ エ・オ・ク
問3 日本は森林形成に十分な降水量があるということです。
(答え)エ
問4 降水量が多くても、水の蒸発量がおおくなります。
(答え)地面から蒸発する水の量が,年平均気温が10℃より28℃の方が多いから。
問5 北側は日当たりが悪いので、水分の蒸発量が少ない分、森林が発達することになります。
(答え)北側斜面は日あたりが悪いので地面からの水の蒸発量が少ない。南側斜面では日あたりが良いので水の蒸発量が多いから。
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