2016年 市川学園の問題です。
アルミニウムは軽い金属で、アルミホイルやアルミサッシなどに広く利用されています。アルミホイルはうすい塩酸や水酸化ナトリウム水溶液に溶けてしまいますが、アルミサッシはその表面を酸化アルミニウムに変化させ、溶けにくく加工されています。
このことを確かめるために、粉末状のアルミニウムを燃焼させて、その一部を塩酸に加える実験を5人の生徒に行ってもらいました。すると、燃焼後の固体を塩酸に加えたとき.気体が発生する場合と発生しない場合がありました。そこで.残っていた燃焼後の固体をよく観察したところ、アルミニウムの一部が燃焼せずに残っているものがありました。また、酸化アルミニウムのみを用意し.塩酸の中に入れたところ、気体の発生はみられませんでした。
この現象をさらにくわしく調べるために同様の実験を行い、その結果を表2にまとめました。
(1)アルミニウムがすべて酸化アルミニウムになったとき、もとの重さの何倍になりますか。
(2)(あ)、(い)にあてはまる数値を答えなさい。
(3)発生した気体について、正しいものはどれですか。2つ選びなさい。
ア 助燃性がある。
イ 空気より軽く、刺激臭がある。
ウ 水に溶かすと酸性を示す。
エ 水に溶けにくいので、水上置換法で集める。
オ 水に溶けやすいので、上方置換法で集める。
カ 空気中におよそ80%含まれる。
キ 過酸化水素水に二酸化マンガンを加えると発生する。
ク 塩酸に石灰石を加えると発生する。
ケ 酸性雨の原因となる物質である。
コ 燃料電池に用いられている物質である。
【解説と解答】
塩酸を入れて気体が発生しなければ、すべて塩化アルミニウムになっているが、気体が発生するとアルミニウムが残っているということになります。
したがっ生徒Aと生徒Cは完全に燃焼させたことになり、3.6:6.8=4.5:8.5=18:34=9:17ということになります。
(1)アルミニウムが9のとき、酸化アルミニウムが17ですから、17÷9=1.8888・・・で1.9倍です。
(答え)1.9倍
(2)生徒Bを考えると7.4gの中に一部、アルミニウムが残っていることになります。
したがって増えた重さに着目します。アルミニウムの中に【9】の反応したアルミニウムがあると【17】は塩化アルミニウムになるので【8】が増えた分ですから、生徒Bの場合はこれが7.4-4.2=3.2gです。したがって【1】=0.4g
反応したアルミニウムは3.6g、できた塩化アルミニウムは6.8g、0.6gの残ったアルミニウムから0.8Lの水素が発生する、という図式になります。
したがって0.4Lであれば、残ったアルミニウムは0.3gですから、生徒Dは4.5gが塩化アルミニウムになったので
4.5÷9×17+0.3=8.8gが(あ)になります。
一方、生徒Eの場合は9.4-5.4=4.0gが増えた塩化アルミニウムですから、反応したアルミニウムは4.5gになります。
したがって5.4-4.5=0.9gのアルミニウムが残っているので、0.8L÷0.6×0.9=1.2L発生します。
(答え)(あ)8.8g (い)1.2L
(3)気体は水素ですから、エ、コです。
(答え)エ、コ
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