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第21回 第一志望以外の学校へ行く子のお母様へ

■前略
このたびの結果についてはさぞかしがっかりされておられるかもしれません。しかし、本当はがっかりされることではないということをお話したくて、ペンをとりました。ぜひ、お読みいただければと思います。

■ お子さんには当然第一志望があったと思います。その学校に入るべく、いろいろな努力を重ねてこられたと思います。しかし、結果は不合格でした。なぜでしょうか。当然、何らかの力が不足していたためです。学力が足りていたとしても、精神力が不足していた場合もあるのです。入試はたかだか4時間という限られた時間の中で行われます。ですから、その時間に自分の力以上を発揮することができた子もいれば、そうでない子も当然あるのです。しかし不合格であった以上、その分何らか力が不足していたわけですから、そこを今後の課題にしていかなければなりません。

■ところがそれに気づかずに何もしないでいると結果はさらに悪くなります。例えば学力が不足しているにもかかわらず、たまたま第一志望に入ってしまうと、入学後、いろいろと苦労するでしょう。もちろんそこで一念発起してがんばればよいのですが、大抵の場合、合格したことで気がゆるんでしまって、遊び癖がついてしまい、なかなか追いつけないことが多いのです。

■一方、落ちてしまったのであれば、何か不足していたわけですから、これから鍛えて足してもらえばいいのです。その意味でこれから行かれる学校は、とてもよい学校だと思います。受験した以上、なんらか惹かれるものはあったと思います。しかしそれ以上に、そういう何か不足している子どもをしっかり鍛えてくれることにかけて、その学校はトップ校よりもよほど実力も実績もあるということを忘れてはいけないのです。トップ校に行ってなんとなく落ちこぼれてしまうよりは、むしろそういう学校で生き生きと生活した方がきっとプラスになります。

■通学することになった学校は、縁があったのです。その学校に行かれることで得られるメリットを目いっぱい享受されると良いでしょう。決して通われる学校を第一志望校と比べて、がっかりしたりしないでください。行かれる学校にはその分魅力があるはずですから、むしろそこに目を向けてください。子どもたちがこれから通うのですから、そのことをもっと大事に考えてください。

■たくさんの子どもたちを見てきて、私がいま一番申し上げたいことは、通われる学校がどこでも、そこでの子どもたちの生活を積極的に応援してあげることが一番大事なことだということです。そうすれば、子どもたちはそこでの生活から自分にとって一番必要なものを吸収しようとする積極性が生まれます。その積極性があれば、いろいろなことに挑戦できますから、また一層成長してくれるでしょう。

■随所に主となれば立つところ皆真なりということばがあります。どんなところであっても心を積極的にしていれば、必ず道が開けるという意味です。逆にどんないい学校に行っても、気持ちが前向きでなければ得られるものは少なくなるのです。ぜひお子さんには「不合格でも成功する子」になってほしいと思います。

(平成16年2月7日)

第4回 高校受験と中学受験の偏差値の差 

■先日、質問があったので、話題にしたいと思います。中学受験でも高校受験でも学校ごとに合格可能性の偏差値が出てきます。ところが学校によっては中学受験では48くらいなのに、高校受験だと60になってしまうことがあります。この数字を見て、高校受験の方が難しいのね?という結論は間違いです。なぜでしょうか。

■問題は受験率にあります。受験に熱心な地域だと2月1日は学級閉鎖状態になる学校もありますが、首都圏における中学受験率は昨年で14%でした。つまり小学校6年生100人のうち中学を受験した生徒が14人いたことになります。今年は指導要領の改訂で17%前後まで跳ね上がるという人もいますが、それでもまだ20%に達していません。

■一方、高校受験率は97%近くに達します。したがって高校受験の偏差値と中学受験の偏差値では母集団がもともと違うことがわかります。偏差値は平均で50を示しますが、高校受験と中学受験で母集団が違う以上、平均も異なるはずです。

■おおざっぱな見積もり方をしても中学受験の偏差50が高校受験の60前後になろうかと思います。ここで10ポイントの開きがあることを前提にして考えれば、中学受験で45だった学校は高校受験では55が妥当な評価ということになりますので、数字だけ見れば高校受験の方が難しく見えるのです。もちろん70の学校が80になるわけではありませんが、平均付近ではそのくらいの差があると考えてよいでしょう。

■実際には高校で浪人する生徒は首都圏ではあまり多くありませんので、ほぼ学年を吸収している現実を考えれば、定員にも大きな開きがあります。中学受験生の数と定員もほぼ一致していますので、高校募集定員のほぼ20%程度と考えてよいでしょう。

■ただ、中学受験で募集をしてしまった6年一貫校の場合、高校での募集をしない学校が多くなりました。したがって、数からいえば高校受験生の方が圧倒的に多いものの、上位層での動きは明らかに中学受験中心と考えてよいと思います。現状の公立中学の内容を考えると、今年はそれに拍車がかかったとみるべきでしょう。したがって難しさからいえば、中学受験の方に軍配が上がるだろうと思います。

(平成16年2月6日)