2028年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

志望校が決まらない

進学先を定めることは、子どもの未来を思う親にとって大きな決断の一つです。しかし、情報を集めていてもなお、心から「ここだ」と思える学校を選びきれないという声は少なくありません。成績の伸びしろや子どもの個性、将来の可能性を見据えたときに、どの選択が最善か迷うのは自然なことです。

学力の面では、現状の成績と志望校のレベルとのギャップに悩むこともあるでしょう。偏差値に大きな差があると、挑戦が難しいように感じられますが、諦める前に考えたいのは、子ども自身の意欲と努力の変化です。目標を明確に持つことで学習の動機は大きく変わり、結果として想像以上の成長を遂げることも珍しくありません。むしろ、小さな挑戦の積み重ねが子どもの自信となり、将来の学習姿勢に良い影響を与えます。

また、学校の雰囲気や教育方針が子どもに合うかどうかも重要な視点です。親御さんが聞く情報は、どうしても間接的なものになりがちですが、完璧な学校を求めることは難しいものです。大切なのは、ある程度納得できる環境を選び、そこに向かって共に歩み始めることです。入学後に見えてくる課題は、そのときに柔軟に対応すれば良いのです。

さらに、学業以外の才能や興味を伸ばす道を模索することも忘れてはなりません。例えば芸術やスポーツなど、子どもが心から打ち込める分野があれば、その可能性を尊重し支援することは、子どもの自己実現につながります。教育の形は一つではなく、多様な道があることを念頭に置くことで、親子ともに焦らずに進路を考えられるでしょう。

志望校を決める際には、完璧な選択を求めすぎず、子どもの成長を信じてまずは一歩を踏み出すことが肝要です。その決意が子どもにとっても親にとってもエネルギーとなり、新たな学びの扉を開くきっかけになることでしょう。

弟妹の受験をどう考えるか?

兄弟姉妹がいるご家庭では、上の子の受験経験がどうしても基準になります。

「上の子はこの塾でうまくいった」
「この時期から成績が伸びた」
「このやり方で合格できた」

そういう経験があると、下の子にも同じようにやらせたくなるのは当然です。親としては、一度通った道ですから、見通しも立ちやすい。塾の仕組みも分かっているし、教材の使い方も、模擬試験の位置づけも、ある程度わかっている。

しかし、ここで気をつけたいのは、上の子と下の子は別の子どもだ、ということです。

同じ家庭で育っていても、性格も違えば、得意不得意も違います。集中できる時間も違うし、競争で力を出す子もいれば、比較されると力が出なくなる子もいる。上の子には合っていた方法が、下の子にもそのまま合うとは限りません。

特に気をつけたいのは、知らず知らずのうちに比較が入ってしまうことです。

「お兄ちゃんはこの時期にはもう少しできていた」
「お姉ちゃんはこの宿題をちゃんとやっていた」

親に悪気はありません。むしろ、経験があるからこそ、早めに注意してあげたいと思っている。でも、子どもからすれば、それは自分を見てもらっているというより、上の子と比べられているように感じることがあります。

塾でも同じことが起こります。兄や姉が先に通っていた場合、先生の方にも記憶があります。「上のお子さんはこうでしたね」という話が出ることもあるでしょう。もちろん、それ自体が悪いわけではありませんが、下の子にとっては、自分の前にすでに物差しが置かれているように感じる場合があります。

だから、下の子の受験を考えるときは、まず一度、上の子の成功体験を横に置いてみることが大事です。

この子は、どのくらいのペースなら無理なく続けられるのか。どの教科でつまずきやすいのか。集団授業が合うのか、個別に見てもらう方が良いのか。家庭で管理した方が伸びるのか、少し本人に任せた方が動き出すのか。

そういうことを、改めて見ていく必要があります。

受験は、同じ学校を目指すとしても、そこに至る道筋は一つではありません。上の子は早い時期から塾のペースに乗れたかもしれない。けれど、下の子は少し時間をかけて基礎を固めた方が良いかもしれない。あるいは、上の子は最後まで親が細かく管理したけれど、下の子は自分で決めさせた方がうまくいくかもしれません。

公平というのは、同じことをさせることではありません。

その子に合った形を考えてあげることが、本当の意味での公平です。

もちろん、上の子の経験は無駄ではありません。むしろ大きな財産です。ただし、それは「同じことを繰り返すため」ではなく、「次はもっとその子に合った形を考えるため」に使うべきものです。

親も、二人目、三人目の受験で少しずつ見方が変わっていきます。最初の受験では見えなかったことが見えるようになる。塾の言うことをそのまま受け止めるのではなく、わが子に必要なものを選び取る力もついてくる。

だからこそ、下の子の受験では、上の子のときよりも、少し肩の力を抜いて、その子自身を見るようにしてほしいと思います。

兄弟姉妹であっても、受験はそれぞれ別の物語です。

上の子の道をなぞるのではなく、下の子に合った道を一緒に探していく。その姿勢が、結果的に子どもを一番伸ばしていくのではないかと思います。

算数のノートの使い方

算数を勉強していると、ノートの使い方でずいぶん差が出ます。

もちろん、きれいなノートを作ることが目的ではありません。大事なのは、自分がどう考えたのか、どこで計算したのか、どこで間違えたのかが、あとから見てわかるようにしておくことです。

答えだけが書いてあるノートでは、あとで見直しても、なぜそうなったのかがわかりません。逆に、計算や図、考え方が少しでも残っていれば、「ここで間違えたんだな」「この考え方は合っていたんだな」と振り返ることができます。

まずおすすめしたいのは、計算する場所と答えを書く場所を、少し分けて使うことです。計算は余白に小さく書き散らかすのではなく、あとで読めるくらいの大きさで書く。これだけでも、計算ミスは見つけやすくなります。

また、ノートをあまり詰め込みすぎないことも大事です。算数では、式だけでなく、図を描いたり、表を作ったり、言葉で理由を書いたりすることがあります。スペースがないと、それらが全部小さくなってしまい、結局、自分でも何を書いたのかわからなくなります。

特に図形や速さ、割合の問題では、図を描くことで一気にわかりやすくなることがあります。上手に描く必要はありません。大まかでよいので、問題の内容を自分の手で図にしてみる。そうすると、頭の中だけで考えていたことが、少し整理されてきます。

ノートは、先生に見せるためだけのものではありません。自分の考えを残しておくためのものです。

だから、多少線が曲がっていても、字が完璧でなくてもかまいません。大切なのは、あとで自分が見たときに、「何を考えていたか」がわかることです。

算数が苦手になっている子ほど、答えを急いで書こうとします。でも、本当はその前に、考え方をノートに出してみることが大事です。式を書き、図を書き、途中の計算を残す。その積み重ねが、少しずつ自信につながっていきます。

塾のペースに追われるだけでなく、まずは自分の考えを落ち着いて整理する。そこから、算数の学び直しが始まることも多いのです。