東京のナンバーワンスクールが開成ではなく日比谷高校だった頃、地方から日比谷を目指す生徒は少なからずいた。彼らは中学時代に相当の準備と覚悟で東京の高校を受験し、東京の秀才と肩を並べていた。
しかし学校群が始まって日比谷が視野から消え、さらに受験の中心が中学受験になるにつれ、地方から越境者はそれほど目立たなくなっていた時代がある。
ところがその間に首都圏の私立中高一貫校の医学部寡占が始まった。
現在でもその傾向は続いている。ただ関東から全国に目を移すと大きな変化が起きていることに気がつく。
1位 東海(愛知)
2位 ラ・サール(鹿児島)
3位 洛南(京都)
4位 灘(兵庫)
5位 久留米大学附設(福岡)
6位 開成(東京)
7位 東大寺学園(奈良)
8位 愛光(愛媛)
9位 甲陽学院(兵庫)
10位 四天王寺(大阪)札幌南(北海道)
地方のいわゆる寮制度のある名門校の実績が伸びてきているのだ。特にラ・サールは卒業生のおよそ54.1%に及ぶ。(ちなみに卒業生の割合で一番高いのは5位の久留米大附設で68%になるそうだ。)
なぜこのような現象が起きてきたのか。状況は地方の危機感にある。
国立大学医学部の合格者が関東の中高一貫校に独占される事態が近年続いていたのである。地方から地元の国立大学の医学部を受験してもまず合格しない。東京から受験生が集まってきて、地元に合格者が出ないのである。小学校のうちから受験準備をしている生徒に対して地方で対抗する術はあまりない。実際に上記の名門校があるのも、一部の都道府県に限られる。とすれば、医学部に行くためには、そういう学校を中学から受験する必要が出てきたので、一気にここのところ情勢が変わってきたのである。
関東の中高一貫校の場合、特に医学部にという特徴が出てくる学校はそう多くはない。しかし、地方の寮制度のある学校は、医学部に進みたい生徒が集まってきているのだ。
東京の私立が逆転されているわけだが、しかしここでも私立優位が明確になっている。公立は札幌南しかないのだ。
ラ・サールの理系が増えるのはそういう理由によるものだ。これから先東京の学校の私立に行って大丈夫、ということにはならないのかもしれない。
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