2014年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

塾のシステム化の価値

塾の規模が大きくなるにつれて、先生の指導力よりも塾全体のシステムで合格に導く、という考え方が強くなります。

例えばカリキュラムやテキスト、あるいは模擬試験、学校別対策の分析や教材などを一元管理することによって、一人の先生が行う独特の指導は排除する。そして、すべての教室で同じような品質の授業が行われていくようにシステム化していきます。

ある先生が辞めて、近くに塾を作ったところで、それが多少影響があったとしても1年、2年で片が付いてしまうような体制をとるわけですが、一方でそういうシステムだからこそ先生に不満が残るという面があります。

自分としてはもっとこういうところを教えなければいけない、と思うが、カリキュラムが決まっていてままならない。

では補習をと、考えるがその先生だけが補習をやるのはまず許されない。他のクラスの子どもたちにすれば、それが不公平に見えるからです。

そういう状況があるからこそ、自分の塾をやりたいと思う先生が多いのでしょう。

しかしある規模できちんと体制が整っている状況は、その分だけお金も時間もかけられてシステム化されているわけだから、それなりのメリットが大きいのです。

例えばレストランで考えてみると、センターキッチンがあってどこの店でも同じ品質のものが食べられるチェーンのレストランと、オーナーシェフがいて材料も吟味してその店ならではの料理が出てくるところでは言えば、当然後者の価格が高いでしょう。

しかし塾の世界では、むしろ前者の方が価格は高い。

塾は情報産業である面があって、入試問題の分析にしろ、教材の開発にしろ、蓄積されたノウハウと資本があるからこそ、優れたものができている部分があるのです。

最近はIT化が進み、例えば模擬試験の結果が試験の翌日か翌々日にホームページで見れたり、過去の成績データが自分のページに記録されているようなシステムが提供されるようになっています。これは個人情報を管理するわけだから、それなりに作るのにはお金がかかる。ハッキングに対する対策もしなければならないし、サーバーをダウンさせるわけにもいかない。

そういう情報化の面が強くなっている分、塾のシステム化の価値はさらに高まっていると言えるでしょう。

昔はそういうものがなかった分、ベテランの先生の指導が目だった部分があるわけですが、それはシステムで充分効果を出せるようになっているので、今はどのシステムで行くかということを選ぶ時代になったと言えるかもしれません。

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英語圏以外からの帰国子女入試

進学校の場合、英語ができる生徒が入ってくれることは、進学実績にプラスになる、ということもあって、比較的多くの学校が帰国子女の特別枠を持っています。したがって、そういう場合は英語の入試が行われる。例えばアメリカで育って日本に帰ってくるような子どもたちの英語力はそれなりにしっかりしているでしょうから、試験をすればまあ、良い点を取れる。

しかし、英語ができるだけでは進学校の勉強についていけるわけではない。というので、やはり算数の試験があったり、作文の試験があったりするわけです。

ただ英語ができるということは、それなりにプラスになるわけですが、しかし、帰国子女というのは英語圏ばかりではない。

例えば中国からの帰国もそうだろうし、バンコクなんかは日本人学校がマンモスだから日本の公立小学校と大して変わりがない。家ではもちろん日本語だから、当然、英語ができるようにはならない。実は英語ができない帰国子女も多いのです、

では、こういう子どもたちは英語ができないから進学校は入れないのか?というと、そういう学校もあればそうでない学校もあります。

ある中学の帰国子女担当の先生と話をしたときのこと。

「英語圏でないと入試は不利と思われるのが癪で、英語以外にフランス語、中国語、朝鮮語などの試験を入れたり、作文の入試を入れたりしました。英語圏以外からの帰国の子どもたちも、日本の子どもたちと違うキャリアを持っている分、学校のいろいろな刺激を持ち込んでくれます。それが日本で育った子どもたちには新鮮だし、我々も日々驚かされることがあるが、しかし、それが本校の教育に寄与する部分は少なくありません。」

こういう発想を持って帰国子女を迎えてくれる学校は、決して多くはありませんが、こういう国際かも十分あり得るのです。

来年、聖光学院が帰国子女入試を国語+算数か、英語+算数の2つに分けて実施するそうです。今まで帰国は英語しかなかった分、次年度は英語圏以外からの受験生も増えるでしょう。これで生徒の多様化が進んでまたお互いにプラスの影響をもたらしてくれれば良いと思います。

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調べてまとめる

書店に行って中学受験の学習参考書の棚を見ると、たくさんの参考書や問題集が並んでいます。そろそろ過去問もそろってきましたし、暗記用のテキストも数が増えてきました。

で、例えば社会の暗記用のテキストを開いてみると、地理のところではきれいにまとまっている。白地図も用意されていて、当然空欄に書きこむようにできています。便利で、簡単に勉強ができる。

ところが、こんな問題はどうでしょうか。

「九州地方の地図を空欄に書き、そこに大隅半島、島原半島、国東半島をA、B、Cの記号で書き入れなさい。」

実際に九州の地図は良く見るが、そういえば国東半島の形なんて覚えてないし。みりゃ、わかるけど。

そうなんです。そういう覚え方をどんどんしている。

つまり、入試に出やすい形の情報を出版社なり塾なりがまとめて、そういう形式で編集するから、ある意味偏った知識を持っていることになります。

で、もちろん入試対策の暗記テキストはこうでなければいけない。短時間に良く出るものを効率よく覚えるためにはこれでいいのです。ただし・・・

今はもう少し時間的に余裕があるので、ちゃんと原典を読んでおく。地図を書いておく。知識をまとめてみる。

こういう作業がどんどん効率よく塾のテキストでまとまってしまっているから、調べたり、地図を見てみたり、統計を確認しなくなるのです

もっと効率良く、多くの勉強をしよう、という形式が過ぎてしまうと、本当の勉強の仕方がよくわからなくなる。

実は本日の算数オンラインの問題。図形を回転させる問題です。

こういう問題が出れば当然、図を描いていかなければいけないわけですが、うまく描けない子は少なくありません。

本当は先生の解説を写したり、あるいはテキストの図をもう一度ノートに書いてみて、真似ることによって図を描くことがうまくなるはずなのだが、そういう過程は効率が悪いと考えがちになる。したがって、テキストの図を使って考えるようになるから、相変わらず図が描けない、というようなことが起こりがちになります。

例えば公民が終わって、地理を復習するのであれば、白地図を自分で描き、地図帳を見ながら、山脈や山地、河川、湖、半島、湾などを書きこんでみるべきです。そうすると、位置関係もわかるし、例えば河川がどの県とどの県を通って海に出ていくかも確認できるでしょう。歴史の復習をするなら、いったん自分で年表を全部書いてみるべきなのです。そういう作業をやらずに、暗記テキストだけを頼ると足をすくわれることがありますから、注意してください。

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