子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第34回 スランプ脱出法

■どうも最近、成績があがらない。一生懸命、勉強してはいるのだが、むしろ成績は下がる一方だ、あるいは1学期にできた問題が、今できない、なんてことで苦しんでいる人、いますか?一般的にはこれをスランプといいます。(ただし前提条件があります。一生懸命勉強しているにもかかわらず、という条件です。勉強してなければ、当然、成績は上がりませんから。)

■私が今まで教えてきた子どもたちはたくさんいますが、秋にスランプに陥った子どもたちもまた、たくさんいます。特に夏休みで一生懸命勉強したにもかかわらず、9月の模擬試験が7月より下がった!なんてことで、スランプに陥ったりするのです。スランプの原因は大体は精神的な問題と疲れです。そろそろ合格するかどうか心配になってきましたか?当然です。心配にならない方がどうかしてます。ただ、心配というのは、結果が出るまでずーっと心配なのです。だから「落ちたらどうしよう」と悩んだって、その悩みは結果が出るまでは解決しません。そこで私は子どもたちにいつも「心配はしないで、その代わり工夫をしよう」といっていました。

■結果が出るまで心配はなくならないのですから、今、心配しても仕方がない。その代わり今できることをしようと考えるのです。今、漢字を覚えられる。今、入試問題をやることができる。今、できなかった問題を復習することができる。ね、いろいろあるでしょう。今できることがあるのだから、心配はしないで今、できることをしようと思ってください。ふと「落ちたらどうしよう」という気持ちになってきたら、「いや、できることをやればいいんだ。」と思いなおしてください。

■スランプのもうひとつの原因は疲れです。みなさん、結構がんばって塾に行ったり、家で勉強したりしましたね。そろそろその疲れが出てきます。「あれ、この問題、夏期講習でやったのに、どうしてできないんだろう。」なんてことがあるのは、大抵くたびれているのです。とはいっても長く休むわけにもいきませんから、先日お話したとおり、なるべく早く寝て、ぐっすり休んだ頭で勉強してください。

■10月くらいになると夏の疲れもだんだん取れて快調になってくるでしょう。これもよく子どもたちに話しましたが、「いったん培った実力は、そう簡単にはなくならない」ということです。1学期できた問題は、今でも本当はできるはず。でもできなかったのは、1学期ほど気楽に問題を解いていないからでしょう。大事なのは自信をなくさないこと。夏にがんばった、でも秋もがんばらないとその努力が身につかないのですから、引き続きがんばって勉強しましょう。

■自信がなくなったら、今までできた問題をよりていねいにやり直してください。私はスランプに陥ったなあと思った子には、簡単な入試問題を渡して、ていねいに解いてもらい、答えあわせをしていました。スランプの子は、そんな問題でも間違えます。でも、間違える場所はすぐみつかります。「計算ミス」「問題の読み違い」がほとんどです。それがなければ正解できる力を持っているよと確認してあげるのです。まあ、1週間もすると、自信がもどってきたみたいでした。不安になったらやってみるといいでしょう!

(平成17年9月15日)

第33回 秋に向けての学習法(3)

■理科は2つの分野に分かれます。ひとつは知識の分野。例えば植物、動物、人体、天体などです。この分野は知識を覚えていないと、得点できません。したがって、どんどん覚えていくことが大事です。最近は便利な参考書ができていて、入試によく出る知識をまとめてくれています。こういう本を使って、まず知識をしっかり覚えましょう。

■ただ、これだけではしっかり覚えているか確認できません。そこで受験する学校の入試問題を解きながら、知識を確認します。覚えていないものはやり直しをして、確実に答えられるようにしましょう。まだ覚えていないものだけ、もう一度手帳やノートにまとめて覚えなおしてもいいかもしれません。

■もうひとつの分野が計算問題です。力学や水溶液、電気などです。これらの分野の学習は算数と同じですが、算数に比べて出題されるパターンが決まっているので、解き方を覚えるという気持ちで学習してください。そして自分の不得意な分野は集中して復習しましょう。電気や浮力などは、なかなかマスターできない人も少なくないので、不得意だという気持ちをなくせるように努力してください。

■社会は、やはり知識が勝負になりますから、理科の知識分野と同じです。まず入試に良く出る問題がまとまっている問題集や参考書を使って、知識が身についているかどうか確認してください。その上で、やはり入試問題を解いていきます。できない問題は、もう一度整理してさらに知識を広げてください。

■社会では直前に時事問題をまとめる必要があります。最近の入学試験では、国際問題や環境問題など、その年におこったり、話題になった分野の問題が出題されることが多くなりました、日ごろから新聞やニュースに接している人は得意な分野かもしれませんが、その年前半の話題は忘れてしまっているかもしれません。秋には時事問題集が発売されますので、一通り読んで大事なことを整理しておいてください。

■入学試験に合格するためには1点でも多くとろうという気持ちをしっかり持つことが大事です。知識の問題などは、覚えていれば必ずできるのですから、正確に覚えることが必要です。入試では1点違うだけで4~50人の差になってしまいますから、つまらないミスをしないようにていねいに問題を解いていきましょう。この秋は実力が伸びる一番のチャンスですから、しっかり計画を立てて勉強を進めてください。

(平成17年9月8日)

第32回 秋に向けての学習法(2)

■まず算数ですが、これは入試問題を中心に学習します。受験する予定の学校の過去の入試問題を解いていってください。最初のうちは、時間を決めず一題一題ていねいに解いていき、できなければ解答や解説を見ながら解き方を理解していきます。その後、2回目では時間を決めて、入試のつもりでやってみましょう。3回目になれば、入試傾向に慣れていますし、高得点がとれるようになるでしょう。

■その過程で不得意な分野があれば、集中的に学習します。例えば場合の数が不得意だとすれば、テキストや問題集を開いて場合の数を集中して学習するようにします。不得意だという意識があると、どうしても問題を避けることになって、簡単な問題まで手をつけない可能性が出てくるので、やはり一通りはできるようにしておくことが大事です。

■国語には大きく分けて2つのジャンルがあります。1つは文章読解の分野、もうひとつが文法や知識の分野です。秋に力をいれなければならないのは後者の分野です。入試では1点、2点の差が大きく響きます。知識や漢字は知っていれば書けるわけですから、国語の得点を上げる意味では、この力を伸ばすことがまず大事です。平行して受験する学校の入試問題を解いていきながら、読解の練習をしてください。

■記述問題が出る学校では、やはり記述の練習をしなければなりません。そのとき、大事なことは2点あります。一つ目は1つの文を短くするということです。私はよく「1つの文は1つのことを言えばいい」と教えています。だらだらと長い文を書いてしまうと、何が言いたいのかわかりにくくなります。1つの文が短ければ、わかりやすくなりますし、読む側にもリズム感がでてくるのです。

■もうひとつは大事なことから順番に書くということです。入試では設問があって、答えを書きますから、その問題に答えなければなりません。しかし、最初に説明を書こうとするとだんだん、自分が最初に考えていた答えから離れてしまう場合があるのです。まず結論を書く、次に説明を書く、この順番で解答を書いて、できれば塾の先生に添削してもらうといいでしょう。

■算数について、もうひとつ練習しておかなければならないことがあります。それは一行問題や計算です。これらは簡単な問題ですが、しかしほとんどの人ができる問題ですから落とすわけにはいきません。正確に計算して、きちんと正答を出す練習をしてください。この積み重ねが勝負の分かれ目になりますから、簡単な問題をばかにせず、ていねいに練習してほしいと思います。

(平成17年8月30日)