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第12回 学校説明会のポイント

■これから学校別説明会が各校で開催されます。保護者のみなさんも参加されると思いますので、大事なポイントをあげていきたいと思います。

■ まず学校の指導方針を聞いてください。それぞれ私学には学校創立時からある指導方針があります。私学は、学校財産の寄付行為によってスタートしますので、その寄付行為がどの団体によって行われたかによって、特徴が出てきます。多くの場合は宗教法人によるものですが、それ以外にも企業だったり、旧制高校の卒業生会だったり、多様です。その指導方針が、わが子にとってプラスになるのかどうかがまず大事なポイントです。放任主義なのか、管理主義なのかを含め、その指針をしっかりつかんでください。

■次は、進学に関する問題です。大学付属校の場合でも、全入の学校と選抜の学校に分かれます。慶応の付属校は基本的に全員を慶応大学に進学させますが、そうでない学校もありますので、注意が必要です。また受験校の場合は、やはり大学進学のカリキュラムがどうなっているのか、確認しておきましょう。高校2年までの間に高校3年間のカリキュラムを終了させ、最後の1年間を大学受験に向けて志望校別に分けて指導する学校があります。かと思えば、高校3年まで、じっくりカリキュラムを進める場合もあり、この場合だと個別に受験対策を考えなければならなくなります。

■クラブ活動も重要なポイントです。中高一貫校は高校受験がない分、中学の間はクラブ活動をしないと、かなり時間を持て余します。体力的にも伸び盛りですから、本人の希望するクラブ活動を一生懸命やることは教育上、非常に重要なポイントです。その意味で、本人が希望するクラブ活動の状況はどうなのかを確認してください。

■カリキュラムではやはり英語教育が非常に重要です。大学受験の現役合格率は英語の出来で決まるといっても過言ではありません。したがって、中学生の段階から英語教育に熱心な学校はやはり魅力があります。ネーティブスピーカーの授業はもちろんのこと、テキストや試験対応なども聞きたいポイントです。最近ではTOEICやTOFELに対する関心が上がってきていますが、中学生、高校生はやはり英検がひとつの基準になります。中学生では少なくとも3級を、高校2年では2級の合格を目標にしたいものです。

■クラブ活動以外の校外活動も、できれば確認しておきましょう。毎年、学年旅行をする学校もあれば、1年生のときだけやる学校もあります。毎年の旅行は、それなりに経済的な負担がありますから、知っておいた方がよいでしょう。また海外への修学旅行を行っている学校もあります。大抵は積み立てのシステムを持っているようですが、この辺も知っておきたいポイントです。

■最後にやはり入試情報です。多くの学校では、入試担当の先生が、昨年の入試について、説明をしています。最低合格点、合格者平均点、入試傾向等、詳しい説明があると思います。その中では、出題に関するポイントも説明されることがありますので、しっかり聞いておきましょう。

■複数の学校を聞きに行かれる方がほとんどでしょう。したがって、ポイントを分類して、それぞれの学校で比較できる表のようなものを作ってもよいかもしれません。加えて、受験日や発表日、受験費用、入学費用なども書き込んでいくと、行かせたいと思う学校が絞れてくると思います。

(平成15年9月21日)

第11回 国語読解問題の教え方

■国語の勉強は難しいものです。入試問題を解くといっても、あまり点数があがりません。時間を割いても、効果があがらないので、つい、後回しになりがちなものです。しかし、ある一定のペースで読解を進めていかないと、力はやはりつきません。こればかりは積み重ねなのです。

■ 国語があまりできない子供は、やはり言葉を知らないからできないという場合が多いので、そこをまず確認してください。辞書を引いても、国語辞書はわかりにくいので、大人が教えてしまった方が早いのです。難しいことばが出てきたら、「これはこういう意味だよ。」とどんどん教えてあげてください。

■そうやって言葉をいろいろ説明してあげると、子供たちの語彙力がどんどんついてきます。その積み重ねが文章の理解力を生み出します。さて、文章の内容がわかったら、読解問題を解くわけですが、それでも、正解に達しない場合は、次の工夫をしてみてください。

■選択問題にしろ、記述問題にしろ、大抵の場合、文章内にそれが答えであるという根拠があるはずです。例えば、文章の内容と一致するものはどれかという選択問題は、その内容が書かれているところを確認すれば、どれが間違っているかはっきりします。

■登場人物の心情を考える場合も同じです。こういう場面になっているから、こういう気持ちになるのだという筋道をたどって考えていきます。悲しい、つらい、楽しい、という言葉だけを考えるのではなくて、この場面にあえば、こんな気持ちになるという考え方をしてみることです。

■文章によっては、複数の解釈が成り立つ場合があります。その場合、それをひとつに絞ることは難しいので、どれか書けば正しいという問題以外、なかなか出題されません。あいまいな答えは問題になりにくいのです。

■逆に考える根拠が文章中にはっきり明示されているのであれば、説明もしやすいので問題として採用されることが多くなります。保護者の方が答えを解説していて、どうしてこの選択肢になるか迷われることもあるかもしれません。そういうときはぜひ文中にその根拠を探してみてください。「ここにこういう説明があるから、答えはこうなる」という筋道が多くの場合、成り立っているはずです。

■ただし、自分の考えを書きなさいという場合は、いろいろな答えが成り立つわけですから、「書く」ということが大切です。よく記述問題になると空白にしてしまう生徒がいますが、(男の子に多いですね。)これでは得点になる可能性は0です。とにかく、答えが書けるように練習してください。

(平成15年9月14日)

第10回 知識を覚える

■6年生はほぼ、あと半年というところ。ここから、いわゆる受験本番対策に入ってきます。夏は、天王山とは言いながら、半年以上先のことなので、子供たち自身があまりピンと感じていないのですが、やはり秋風が吹くころから、今までのんびり構えていた子供たちも目の色が変わってきます。

■ この時期は、得点力をつけるということが課題になります。応用力をつけるとか考える力をつけるというよりも、1点でも多くとる工夫をするべきです。例えば、漢字や知識など、知っていれば得点できるという問題に対する対策をすべきでしょう。

■知識についていえば、やはり頻出する事項から覚えるというのが正しいやり方です。女の子に多いのですが、いろいろ調べてノートを作ってまとめるのだけれど、まったく覚えられないというのでは、時間の無駄です。よく出るものから、覚えるということが大事でしょう。

■すべての範囲を100としたとき、その3割程度が出題の7割を占めるようです。ということは、その3割を覚えれば、7割の問題は解けるということになります。中学入試の合格点は6割程度ですから、まずはよく出る3割を確実の覚えるということが大事になります。

■では、どうやって頻出する3割を見つけ出すかということになりますが、これはすでに市販されています。出る順シリーズという旺文社から出版されている知識のまとめが、頻出順に分類されているので、大変便利です。そのほか、四谷大塚の四科のまとめなどもよく出る範囲をまとめています。これらを使って知識を覚えていくわけですが、ひとりではなかなか大変ですから、こういうときに手伝ってあげてください。お母さんが出題者になって、問題を出題し、お子さんが答えていくというやり方がおもしろいでしょう。どうせですから、正解数になにか賞品をつけて、楽しみながら学習してください。

■ただ、傾向は毎年少しずつ変わっていきますし、志望校によってよく出る範囲は微妙に違います。したがって、その部分を補わなければなりません。その意味で過去問の学習が必要になるわけです。塾によっては、過去問の勉強をぎりぎりまでしないというところもあるようですが、私はあまり賛成できません。むしろ、どんどん解いていって、よく出る範囲というものを体感していくことが大事だろうと思います。

■そういう意味では、受験校やその傾向が近い学校の問題を、どんどん解いていくことが重要な勉強法です。解いていけば、よく出ている知識というのもわかるし、間違えれば、記憶に残りやすくなります。できなかった知識を単語ごとにまとめておくのも良いかも知れません。そうするうちに、断片的に覚えてきた知識が次第につながってきて、知識が面になり、理解が深まります。

■漢字やことばの問題も非常に大切です。入試は1点不足しても不合格ですから、1点でも多くとる工夫を秋には心がけてください。

(平成15年9月7日)