パパママ先生合格術」カテゴリーアーカイブ

第15回 自信をつける

■模擬試験の日程もほぼ終わり、あとは本番に向けて最後の準備を進めていく時期です。千葉県の入試は1月から始まりますし、関西の受験も1月ですから、まさに直前期になってきました。

■ この時期もっとも大事なことは、準備が不足しているという気持ちがないようにしていくことです。もちろん、まだまだ時間はありますから、十分にいろいろな対策が考えられますが、かといってあせっても仕方がないのです。できることを確実にやる、そして受験日前には準備はすべて終わったという気持ちにさせてあげることが大切です。

■受験準備に完全はありえません。あれもやってない、これもやってない、数え上げればきりがないのです。完全がない以上、本人がやれたところまでが、その子にとっては終着点なのです。逆に考えれば、誰でも一応の終着点には到着するのです。問題はそれが合格できる水準まで来ているかということですが、しかし、これは個人差があり、またそのことと合格が完全にリンクしているわけでもありませんから、保護者の方はその点にあまりナーバスにならないことが大事です。

■入試はたった数時間で結果が決まります。運のいい子は前日やった問題が出る場合もあるでしょうし、当日風邪をひいて体調が不十分であれば、これまで合格間違いなしと太鼓判をもらっていても、残念な結果になることもあります。ですから入試日は本人が十分に準備をしてしっかり受験したというところに重きを置くべきであり、結果が出たところで次を考えるようにしてください。

■特にお母さんは、この時期非常に心配になります。それと同時に「落ちたらどうしよう」という気持ちがどんどん心を占有していきます。落ちたからといってその子の何が変わるのでしょうか?合格すれば合格するで、良いところもあれば悪いこともあるのです。ですから、心配は二の次にして、今はお子さんが自信をもって受けられるように準備してあげてください。お母さんは「私の子だから何とかする」としっかりお子さんを信じてあげてください。そうすればきっと良い結果になると思います。

(平成15年12月12日)

第14回 考える力

■子供たちを教えていて、問題に対する取り組み方で大きく2つのタイプがあるようです。ひとつは、非常に熱心に解くタイプで、なかなか答えを見たがらない子。もうひとつはその逆で、すぐあきらめてしまうタイプです。当然、前者のタイプの方が成績は伸びます。ただ、親から見ていると、そんなに時間をかけて、大丈夫?という心配もありますね。

■ 逆にすぐあきらめてしまう子供はなかなか伸びません。これは、問題を解くという過程が考える力をつけるためにとても重要であるからで、考えなければ、力は当然つかないのです。私がそういう子供たちを指導するときには、まず約束します。「できない」「わからない」とは言わないという約束です。最初からそのことばが出てくるようだと、しぶとく考える力がなかなかつきません。ですから、そういう言葉が出そうになる前に「できなくはない。きっとできる。」と言いかえてもらいます。

■「だってくせになっちゃったよ。」なんて子供は言い訳していますが、しかし、じっくり考える子はまず、こういう言葉を口にしません。「そろそろヒントをあげようか。」と水を向けても、「もう少し。もうちょっと。」といって、なかなかこちらの話を聞いてくれません。

■もちろん、時間には限りがあり、他にやることもあるわけですが、私はなるたけ本人が納得いくように考えてもらうことが、たくさん問題を解くよりも大事な過程だと思っています。そしてここが重要なことですが、伸びる子供たちというのは、必ずこの過程を経るといっても過言ではありません。ですから、時間の許す限り、ご家庭でもじっくり問題に取り組むようにしてください。

■算数などは特にそうですが、いろいろなやり方を試していくうちに、できたという達成感を感じると勉強が楽しくなります。例えば場合の数のような問題で、全部書き出してでも答えを出してみると、自信がついてくるから不思議です。お父さん、お母さんは、このタイミングでほめてあげてください。「そんなやり方じゃ、試験には間に合わないわよ」などと決して口にしてはいけません。ここが入り口で、もっと楽な方法はないかと考えてくれれば、それでよいのですから。

(平成15年12月4日)

第13回 心配

■受験まで100日をきりました。志望校も大体決まってきて、6年生の保護者のみなさまは忙しい季節になってきました。

■ ただ忙しいならまだしも、この時期は模擬試験の結果が送られてきます。最近の模擬試験のデーターは豊富ですから、順位、偏差値にはじまって合格可能性も表示されます。この%が大変気になるところではないでしょうか。どう考えても合格しないのではないか、それなら受験校を変えなければいけないか、いろいろと心配の種はつきないものです。

■しかしながら、あまりぎりぎりになって志望校を変えるのは本人のモチベーションを下げますし、たとえ合格したにせよ、本人は納得がいかないものです。合格したなら、あの学校に合格したかもしれないと思うでしょう。ですから、もうここまできたらあまり心配しないというのが最も大事なことです。

■一番心配なのは、落ちたらどうしよう、という心配です。きっとがっかりするだろうし、立ち直れるだろうか、あるいは、この先、しっかりしていくのだろうかなど、とりとめなく心配は広がっていきます。しかしながら、心配したところで、あまり事態は変わりません。ですから、本人がベストを尽くせばよい(もちろん、親からみればまだ全然余裕があると思えるものですが)と腹をくくることです。

■意外なもので、腹をくくると、子供の方が真剣になります。子供の心の中では、まだ親がなんとかしてくれるのでは、などどいう気持ちがあるものです。しかし親が心配しないとなると、これは自分がしっかりしないとという気になって、がんばります。自分の子供ががんばれば、それでよい、そう思えるように努力してください。

(平成15年11月13日)