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第32回 やる気のなさは自信のなさ

ここのところの相談メールで多いのが、「子どものやる気」が見られないというものです。

では、受験をやめるか?と聞けば、やめない。これは前にもお話した通りで、子どもはまずやめるとはいいません。しかし、勉強はあまりしないし、宿題もあまりやらない。成績は下がる、何のために塾に通わせているのか?

子どものためにならないと思えば、やはり中学受験を見直してみる必要がありますが、その前に確認しておくことがあります。
それは、「自信をつける勉強」をさせてきたか?ということ。

今の塾は早くから組み分けテストが導入されているため、子どもたちが自分で自信をもって勉強できる体制が整う前に、偏差値や順位の洗礼を受けてしまいます。
その結果として、いったんつまずいてしまうと、子どもたちはなかなかそこから脱することができない。なぜならば、自分で自信をもって勉強できるという方法がわかっていない、あるいは実践できないからです。

勉強しなさい、というのは簡単なことですが、本当に子どもが何をどう勉強しているのか、ご存知でないかたも多いのではないでしょうか。

4年生から5年生ぐらいのうちは、できればいっしょに勉強してあげることが本来は必要なことなのです。
例えば復習ひとつをとっても、本当に理解できているのか。
これを覚えなければいけないということを、しっかり覚えられているのか。結果が出ないのに、時間ばかりが過ぎている子どもたちが案外多いのではないでしょうか。

子どもがやる気がないのは、自信のなさの裏返しです。
では、大人は子どもたちに本当に自信を与えられるようなことをしてきたのか?

中学生になれば、それは自分でもいろいろ試行錯誤があっても勉強の仕方がわかってくるでしょう。それに受験する前に中間試験、期末試験という学校の試験がありますから、少しずつ慣れてきているわけです。

しかし小学生はそれがありません。だから勉強する方法を身につけていないまま、試験に向かっている子どもたちが多いのではないでしょうか?

一度時間をとって、子どもたちといっしょに勉強してみてください。今、子どもたちがどんな勉強をしているのか、それを知ることがまず第一歩だと思います。

そのとき、「ほめることば」を多くするのを忘れないでくださいね。

第31回 秋の勉強法

夏休みを終えて、ほっとする9月。しかし、この時期は非常に難しい時期なのです。
学校が始まったので、新たにペースを作らなければいけない。しかも授業内容が秋になると変わります。おおむね、どこの塾でも入試に向けて実戦的な練習が始まるでしょう。したがって、自宅の勉強の内容も当然変わっていかなければならないのですが、それがうまくいかない場合が少なくありません。

かつ、模擬試験が始まります。夏休みに勉強をしたのだから、成績が多少は上向くだろうと親は期待しますが、存外、そううまくはいきません。もしかすると下がってしまうかもしれません。これは、夏に勉強した内容がまだ十分に定着しないために、混乱をきたしているからです。知識が増えたりすれば、迷う内容も増えてきますから、間違う可能性も増えるわけですね。

秋の学習のポイントは
(1)過去問
(2)復習
(3)暗記
の3点です。

過去問は第一志望、第二志望を中心に時間をはかって練習を始めましょう。夏に一通りやれていれば、ある程度点数はとれるでしょう。初めて練習する場合は苦戦する場合もありますが、その場合は解答、解説をみながら、ていねいに復習していくことです。点数はあまり気にせず、理解することを重点においてください。

復習は授業の復習。塾にせっかく行くのですから、その復習をしっかりやり、理解を深めましょう。特に算数はできなかった問題を解きなおしてみることです。解きなおしてできれば問題はありませんが、できなかった場合はやはり十分に理解できていないわけですから、解説を読むなり、先生に質問をして理解を深めてください。

暗記は暗記用のテキストや以前にご紹介した知識ノートを使って、知識を覚えましょう。これは一回やったらOKということにはなりません。何回も繰り返していくことをおすすめします。

以上の内容をまた1週間のスケジュールに落とし、かつ11月末までにいったい何を仕上げるのか、具体的な目標を持つといいでしょう。

(1)第一志望、第二志望の過去問を過去10年間仕上げる。
(2)暗記テキストを3回繰り返す。

などの具体的な目標を決めて、スケジュールをつくってください。途中、模擬試験の結果が返ってきますから、その内容によってまた勉強の中身を検討する必要があります。分野的によくわかっていない部分が明確になってくるでしょうから、その範囲を集中的に勉強することも大事なことです。

第30回 演習の意味

まもなく夏休みが終わり、(もう終わっている学校もあるようですが)、これからは入試対策、学校別対策の時期になるでしょう。

ではこれらの対策の中でもっとも有効なものは何か?ということになれば、やはり問題演習なのです。しかも、時間を決めて問題を解く練習といってもいいかもしれません。入学試験は試験時間が決まっています。後からできても意味がなく、その試験時間内に解き上げなければなりません。何回か解きなおしていくうちにできたというのも、勉強としては意味がありますが、テストではまったく意味をなしません。一回目に正解にならなければ、得点にならないからです。

したがって、決められた時間内に、自分ができる問題を、正確に解き上げる練習というのが、もっとも重要なプロセスです。最近の入試問題の中には「出題意図が見えない問題」もあります。つまり、難しすぎる。だからこういう問題に手を出さないのがある意味正解ということなのかもしれませんね。

模擬試験、過去問、いろいろな形で時間を決めて「確実に点数をとる」、そして覚えていなかったもの、不確かなものは正確にできるようにする、この繰り返しが秋の勉強の中心になるでしょう。そういう勉強が秋に進んでいないとすれば、成績があがる可能性は少なくなりますから、よくお子さんの勉強内容を確認しておいてください。