それでも母親講座」カテゴリーアーカイブ

第96回 僅差の勝負を制すためには

    先日から、子どもたちに同じ話をしています。
    つまり、いかに自分の力を得点に結びつけるか?という技術を磨こうという話です。
    この時期になってくると、確かに勉強は進んでいる。だから、ある程度、みんな問題が解けるようになっています。ただ、一発でその解答までたどりつけているか、といえばそうではない。ミスが出たり、間違えたり。あとからやり直せばできる、家で解きなおせば、わかる。
    わかる以上、できる可能性があるわけで、だからその可能性を最大限に活かすために何をすべきか、という話です。
    「また、同じ話だア」
    と子どもたちは思っていますが、しかし、演習形式の授業で、まだ注意を実践できている子は少ない。
    例えば式を書くという作業も、ちゃんとやれば、かなりミスを減らすことになります。
    図を自分で書き直す作業や、速さの問題をグラフにする作業、こういう一連の作業を日ごろから積み重ねてくれば、ここであわてて直すことはないのです。
    しかし、たくさんの問題を解くことに明け暮れ、とにかく量、とにかくスピードとやらされてきた子どもたちは、ここで壁に突き当たります。
    正確さ、正答率の高さ、が問題になってくるからです。
    僅差の勝負を制すものは、正確さです。速さではない。
    過去問特訓をもう一度やろうと思ったのは、ここを徹底すべきだからなのです。
    残り2ヶ月、徹底的に得点力と正答率にこだわってください。

第95回 まず全体を見る

    授業ではテスト演習を続けています。
    そして、毎回「まず、全体を見る」ということを徹底しています。
    入試問題は、各校によって印刷が違います。したがって、最後がどこなのか、判然としないことがある。最後の1ページがどこなのか、確認しておくべきなのです。
    解答用紙に最後の一問があったりするので、これはまず徹底しておきましょう。
    次に、どんな問題が出ているのか、どれから先にやるかを、しっかり決めてかかる。ここまで数分。この数分の時間が、案外合否を決めるのです。
    昨日、その学校では難しいといわれる5番の位置に、比較的やさしい問題を置いてみました。
    実際に解いてみれば、それほどでもない。しかし、ここを抜かした子がまだ多かった。
    1番の計算問題から、解く必要はない。特に計算間違いが多い子や、計算が得意でない子は、頭がこんがらがってしまう可能性がある。だから、計算は2番目にやるくらいでちょうどいい。
    自分がどの問題から手をつけて、どこを捨てるのか、瞬時に判断することはできませんが、それでもある程度、目安を立てて問題を解くというくせはつけておかないといけません。
    何事もまずは作戦から。

第94回 習ってない!

    2学期から私の教室にやってきた子どもたちを教えていて、ふと、気がついたことがあります。
    それは「効率の良い方法」を習っていない、ということです。
    例えば電気について言えば、小学校では抵抗は習わない。しかし、豆電球の明るさにしても、電熱線の発熱にしても抵抗の概念は必要であり、オームという単位は使わなくとも、抵抗を扱えなければ、計算問題はなかなか納得できない。
    しかし、どうも「習っていない」らしい。
    いや、指導はあったとは思うのですが、どうもうやむやな感じがします。
    算数でもN進法を習わなかった、という子もいましたね。
    中学受験には、やはり受験テクニックというべき解法があります。当然、小学校の指導要領には乗っていない。しかし、指導要領の範囲で考えれば解ける。ただ、それでは面倒なので、こう考える、こうおく。
    食塩水の濃度をてこの原理で解いたり、速さをグラフに描いて、相似形で求めたり、まあ、そういった類のことは、結構あるわけですが、実は、それが十分に習っていない。なぜだろうか?と思って、思いついたことがあります。
    それは、問題をたくさん解きすぎているという点。
    つまり一つの問題について、解法を複数考えていく、「こうも解けるし、ああも解ける」といったような指導法ではなく、とにかく「答えが出ればいい」として、たくさんの問題を解くやり方。
    一概に批判するのは、問題があるが、しかし、解法は応用が利いて初めて価値があるわけだから、その点もう少し掘り下げて勉強した方がいい。
    授業は本来、演習形式の時期に入っているのですが、問題によっては、突然、演習を止めて、最初から教えなおすようにしています。
    「これ、知ってる? これ習った?」
    と確認しながら、進んでいるわけですが、まあ、穴を早めに見つけられた良かったと思っています。