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第99回 ピークは直前に

    子どもたちの成績には波があります。この波をなるべく、上で第一志望の受験日にもって行きたい。
    案外、1月中旬にピークが来て、試験本番はやや下り坂ということは避けたいものです。
    具体的にいうならば、(1)ほどよい緊張感があり、(2)具体的にミスをなくす方法を着実に実行できるようになると、波は減ります。
    (1)のほどよい緊張感とは、試験に向けて前向きに進んでいる精神状態のこと。
    「合格できそうだ」とか「必ず合格してやる」というようなポジティブな考えがしっかり出来ていて、試験が楽しみである精神状態にあるということです。
    これには、「落ちたらどうしよう」という不安がないことが必要。したがって「結果は必ず出るのだから、結果が出たときに考えればよく、今は合格することだけを考えて!」と応援してあげてください。もとより「いつでも応援してあげるから」という安心感を与えることも大事です。
    (2)については、問題の難易にかかわらず、確実にミスを防ぐという方法を実践できる練習を積み上げていくことです。
    子どもたちも偏差値を知っていますから、例えば1月校の問題をつい「やさしい」と見る向きがある。
    しかし「はいるのがやさしい」のと「問題がやさしい」は違うのです。
    この点、子どもたちは勘違いをしやすい。偏差値の高くない学校の、問題はやさしいと思いがち。そしてつい甘くなってミスをしがちになる。結果、点数がまとまらない、などということがあるでしょう。
    第一志望の過去問の練習が終われば、第二志望、第三志望と移っていくでしょうが、そのどのケースでも、しっかりミスを防ぐ受け方ができる仕上がり方が大事です。
    そしてそれが昨日お話した「自信」につながっていきます。
    ピークの調整は我々プロでもなかなか難しいが、(1)と(2)が揃っていれば、そうぶれはおきません。
    問題の難易に関わらず、ていねいに解ける子。
    目指す完成像はここです。

第98回 残りのテーマは自信づくり

    入試を迎えるにあたって、子どもたちを支えるものは自信です。
    「僕は合格する」
    「私はうかる」
    そう思っている子は、試験が楽しみになる。
    「僕は落ちるかもしれない」
    「どうせだめだ」
    と思う子は、試験が怖くなります。
    だから、残りの期間でやるべきは「自信づくり」なのです。
    模擬試験は、併願校を決めたら、言葉は悪いがもう用はない。最後の組み分けなんて、どうでもいい。
    最後に、「準備は仕上がった、あとは試験を受けるだけ!」
    と、そういう気持ちにもっていくことが大事です。
    だから、やりきることが大事。
    例えば、不安なテーマがあるのなら、「これを仕上げて終わりにしよう」にする。
    過去問がこのまま行くと間に合わないなら、「5年分を仕上げて終わりにしよう」にする。
    「あれもやってない、これもやってない」と親が思うと不安になる。不安になれば顔に出ます。
    前にもお話したとおり、子どもたちはお母さんの顔を良く見ています。お母さんが不安な顔をすれば、子どもの自信をなくすのです。
    だから、残りの時間をかけて、しっかり「自信づくり」をしてください。思い起こせば、ずいぶん、お子さんはがんばってきたではありませんか。
    試験前日「これで、準備は整った。あとは受けるだけね。」
    とお母さんも自信をもって送り出せるように、ご自分を仕上げてください。

第97回 終盤のがんばりは、「自分で勉強する力」から生まれる

    私は、なるべく5年生から、自分で勉強する、ということを中心に組み立てます。
    塾の回数を多くしないのも、そのひとつ。塾で勉強をやらされている、という気持ちになったら、自分で勉強しなくなると思うからです。
    塾は算数だけ予習型。
    テキストを自分で予習してくる。それを前提にホワイトボードに問題を出し、出来が悪ければ、重ねて教えていく、というやり方。確かに自宅での勉強は大変ではありますが、しかし、この時期から「自分で勉強する力」をなるべくつけておきたいのです。
    というのも、最後のがんばりは「自分で勉強する力」から生まれるから。
    今、多くの6年生は、過去問に取り組んでいるでしょう。過去問は自分の受ける学校をやるわけだから、集団授業ではなかなかフォローできない。その分、自分で勉強しないといけない。
    そして素点と見込み点の乖離を埋めるための方法を実践したり、解説を読んで、「なんで?」と考えたり、自分の机の上で解決していくことが、最後の実力アップにつながるのです。
    ところが、こういう力がついていないと、最後までやらされてしまう。
    すると正確に解く、ということがない。「終わればいいんだ」「やればいいんだ」という感じになってしまうと、いくら時間をかけても状況は変わりません。
    それに中学に入ったら、やはり「自分で勉強する」ことが中心になるわけだから、進学後のことを考えても「自分で勉強する」のは当たり前だ、ということにならないと意味がない。
    4、5年生のうちから、「させられる」勉強をやめて、「自分で勉強する」方向へ転換してください。そうしないと、最後でまったく「がんばり」が効かなくなります。