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第19回 親が直前にやるべきこと

まずはスケジュールの確認をしましょう。子どもを何時にどこに連れていくか、ルートは、所要時間は?もし事故や雪で止まったらどうするのかなど確認する点はいくつかあります。また試験後のスケジュールも確認しましょう。合否によって延納の手続きや出願があるでしょう。いつ、どういう手続きが必要なのか、特に合格書類の受け取りは受け取りに時間の制限があります。その間に受け取らないと、合格を取り消される場合がありますので気をつけてください。

 次に試験前の準備ですが、当日雪が降る場合があります。まず靴ですが、とにかくすべりやすい路面を考えて、長靴等を考えていった方がいいでしょう。もし面接があり、上履きに履き替えないのであれば、面接用の靴はもって行けばよいのです。学校で履き替えればいいと考えてください。お母さんの靴も同様に考えてください。私は一度、雪の日お母さんが試験会場前ですべってころばれたのを見たことがあります。そのお母さんの靴はヒールの若干高い靴でした。雪の日は、まず安全に足元を固めることが大事です。

 試験当日の服装は、なるべく着脱のしやすい重ね着スタイルを考えてください。外で待っているときは大変寒いですが、実際に中に入れば当然、暖房がきいています。したがってあまり厚着をしていると、体温調整ができなくなってしまいますから、すぐに軽装になれるようにしておくことです。 首周りもタートルネックのようなものは避け、マフラーなどで防寒してください。首周りが気になると、試験に集中できなくなる場合がありますから、注意が必要です。

 前日の食事は控えめに。あまりたくさん食べて、おなかをこわしては意味がありません。やや軽めの食事を心がけてください。

 入試後の答え合わせは、子どもによってやった方がよい場合とそうでない場合に分かれますが、私はどちらかといえば、しっかり分析をした方が本当はよいと思っています。実際にどのくらい解けているのか、ミスをしていないか、要は次の日の試験のために確認するべきです。問題を繰り返し読んだのか、下線はつけたのか、検算はしたのか、そういうことを確認してみて、きちんとできていればよいですが、そうでない場合はもう一度やるべきことを確認しておきましょう。

 子供たちも疲れますが、お母さんも大変な一週間です。かぜをひかないように気をつけて子供たちのがんばる姿をしっかり見届けてほしいと思います。

第18回 帰国子女

■今週は、帰国子女の入試が始まります。

■エルフィーはタイのバンコクに提携塾NOAHがあるので、1年前から準備をしている子もいれば、この時期に帰って受験する子もいます。今年は直前受験組はいませんが、逆にバンコク以外からの受験生もいて、話をしているとなかなか国際色豊かです。

■帰国子女の入試は12月から始まるので、すでに合格を決めた生徒もいます。中学受験で帰国子女枠が生まれたのはおよそ20年前で、それまで帰国子女には何のメリットもありませんでした。

■しかし、少しずつ帰国枠を各校に作ってもらう運動が功を奏して、帰国生の受け入れが始まりました。現地校に行っている生徒の場合、アドバンテージは英語。(インターの生徒もそうでしょう。)したがって「大学受験では力を発揮しますよ。」と各校をくどいて回ったこともあります。

■海外に駐在する日本人が増えるにつれ、現地に日本人学校ができていきました。ニューヨークのグリニッジにあった日本人学校など大変すばらしい環境でした。その結果として「外国語があまり得意ではない」帰国子女が増えていきました。したがって大学入試でのメリットはあまりありませんが、しかし、彼らが育ってきた環境がまた学校に新たな影響を与えるというので、制度は続けられています。

■NOAHのスタッフは、この時期バンコクと日本を何回か往復します。バンコクでは子どもたちの授業がありますが、一方で帰国生の受験は行われているのでなかなか大変ですが久しぶりに見る先生の顔にどの子も勇気付けられるようです。

■そういう意味ではエルフィーの授業も国際色?豊かになってきました。今年の用賀の学校別はバンコク組対ニューヨーク組対日本組の対戦でなかなか盛り上がりました。そういう意識の中からまた自分たちの意欲を子どもたちは引き出しているようです。日本チームというのはもちろん日本で育った子どもたちのことですが。

■一足早い受験ですが、みんな、ぜひがんばってもらいたいと思います。

第17回 進学した学校をベストにする

 いよいよ入試が近づいてきました。

 子供たちにもお母さんにもプレッシャーがかかってくる時期です。ここまできたら、何とか合格してもらいたいと思うのは誰しも同じですが、実際の入試の平均倍率はおよそ3倍、むしろ不合格の数のほうが多いのです。

 その現実の中で、ともすればお母さんも突然不安にかられることがあるかもしれません。

 また実際に入試が終わった後、「この学校に入るためにがんばってきたのではない」というような喪失感みたいなものに襲われる方も少なくないそうです。

 そこで、このような心構えをもたれるとよいでしょう。

 いずれにしても6年生は来年の4月には中学生になります。義務教育ですから、必ずどこかの中学校には行くのです。どこへ行こうと、進学した学校をベストにすればいい、「この子にとってあの学校に行ったのが結局良かった」と思えるようにしていけばいい、そう思われることです。

 以前私が教えた子が第一志望に入らず、滑り止めに行くことになってしまいました。本人としては第一志望に入れると思っていたために、かなりがっかりしてその学校に進学しました。しかしその学校では、大学の系列で体育系のクラブのコーチ陣が充実していました。彼は硬式テニス部に入り、黙々と練習しました。(中学の成績はあまりたいしたことはなかったようです。)その努力が報いられて高校でインター杯に出場できることになりました。もちろん途中で敗退したのですが、この出場が彼に新たな自信をもたらします。「テニスでできるなら、勉強でもできる」結局現役で第一志望の東大に行きました。

 彼にももちろん喪失感はあったでしょう。しかし進んだ学校で第一志望では到底得られない経験(インター杯出場)を得たのです。つまりはそこをベストにすることができた、だから「この学校に来て良かった」と心から言えるようになったのだと思います。

 お母さんもお父さんも、そういう気持ちで子供たちのがんばりを見守ってあげてください。そのことが結局は子供たちの自信を引き出し、新たな道を開いてくれるでしょう。