子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第29回 夏前の成績の見方

■6年生は夏前の模擬試験の結果が帰ってきたころではないかと思います。どうでしたか?うまくいった場合は、ここで油断することなくさらにがんばってください。合格可能ラインを突破したからといって、安心できるわけではありません。これからどんどん伸びてくる生徒がいますので、気を引き締めていきましょう。

■うまくいかなかった場合は、どうすればいいでしょうか?すぐ志望校を下げようかと考える人が多いようですが、まだまだその結論は早すぎるでしょう。ただ、やみくもにがんばるといってみても、見通しが立たなければ意味がありません。そこでもう一度テストを見直してみましょう。

■試験の復習をしてみると、テスト会場ではできなかった問題が、家ではスラスラできたりするものです。ではなぜテスト会場ではできなかったのでしょうか。実はまだ得点力がついていないのです。自分で解ける問題を見つけて、時間内に正確に解くという力が不足しているのです。これはこれから入試問題を解く練習を積み重ねていくことで解決していく問題ですから、やり直してできた問題は得点できる可能性があるとして、とった得点に加算してみてください。

■すべての教科のその基準で見直したときに出てくる点数があるでしょう。その点数の偏差値からプラス10ポイントが到達する上限の目安になります。今回の結果で偏差値が45だった人が、見直した結果として51まで点数が取れるとすると到達する可能性があるのが61前後ということになります。ですから65の学校はなかなか厳しいが、60の学校なら到達する可能性があると考えられるわけです。

■無論、これは目安であって65の学校をこの段階であきらめなければならないわけではありません。実際にこの試験は、うまくいかなかったという場合もあるでしょう。ただ、試験というのはやはり現在の力をある程度は表しているのですから、冷静に考えていかなければなりません。

■今回の試験で教科のバランスが悪いケースもあるでしょう。他の教科にくらべて偏差値が8ポイント近く離れている場合は、明らかにその教科の勉強が不足しているということです。理由は多分その教科が得意でないからでしょう。得意でない教科をほっておけばさらに「悪く」なります。ですからこの夏休みに集中して勉強して少なくとも不得意だという感覚はなくしてしまうことです。夏休みの計画をすでに立てていると思いますが、この試験の結果を踏まえてまた、計画を立て直してみることが大切です。

(平成17年7月27日)

第17回 夏の健康管理

■夏の健康管理

■ここ数日間、東京はやや涼しい日が続いていますが、これからまた暑くなっていくでしょう。最近は温暖化が進む、夏の暑い日は亜熱帯のような気候になってきています。したがって外で遊ぶ子どもたちのようすにも注意を払わなければなりません。

■先日も熱中症で倒れた子どもたちがいましたが、この暑さ対策をまずしておくべきでしょう。夏の勉強法で一番大事なポイントは朝早い時間をいかに有効に使うかということです。最近は大人の時間に合わせて子どもたちが夜遅くまでおきている傾向がはっきりしています。しかし、夜遅くまで勉強することは子どもたちの成長にとって、あまり良いことではありません。

■成長期の子どもたちのからだは睡眠と休養が必要になります。したがって睡眠時間が減ってくると、効率もあまり良いとはいえませんし、実際に夜遅くまで勉強していても効果はあまりないのです。子どもたちは早めに寝て、朝早く起きる生活スタイルがいいでしょう。

■午前中になるべくその日の大半の学習を終えてしまうスケジュールを組んで、なるべく朝型の生活様式を実行してください。そして5年生ぐらいまではやはり昼寝も非常に重要な要素になるでしょう。20年前に比べて明らかに暑くなっているわけですから、時間のすごし方も工夫が必要です。

(田中 貴)

(2005年7月25日)

第28回 実行力

■先週、夏休みの宿題を出しました。それで一人一人が計画をたてて実行していきなさいと指示をしました。途中でその計画を持ってきた子どもたちもいました。で、1週間後、その確認をしてみたところ、あらら、すでにだいぶ差がついてきています。

■がんばっている子供たちは、計画通り実行して、予定よりも早いスピードで学習が進んでいるようですが、中には予定の半分以下のペースになっている子どもたちもいます。1週間でこれだけの差がつきましたから、4週間、5週間と経過すればその差はさらに広がります。

■先週はみんな同じスタートラインに立っていました。新しいテキストをもらい、やる問題もレベルに合わせて違いがありますから、むしろ公平にやれる分量になっているのです。しかし、これだけの差が出ました。この差は実行力の差です。

■ではがんばった子供たちになぜ実行力があったのでしょうか?それは、「彼らにはどうしても入りたい学校がある」からです。どうしても入りたい学校がある子供たちは、当然そのために何をしなければならないかということに敏感です。これをやれば入れる可能性が上がるとなれば、がんばります。

■ところが、勉強をやらされている子どもには、そういう意識がありません。「テレビみたいなあ」「ゲームしたいなあ。」「勉強しろ、勉強しろってうるさいんだよ」心の中は不満だらけ。でもそういう子どもたちもう1日に5時間必ずゲームをしなさいといわれれば、夢中になってやるでしょう。そう、「やらなければならないこと」が「やりたいこと」になれば実行力はつくのです。

■では、どうすれば「やりたいこと」になるのでしょうか?それはみなさんが本当に合格したいか?にかかっています。夏休みの勉強を始める前に、もう一度考えてみましょう。みなさんには行きたい中学がありますか?あるのなら、がんばりましょう。自分ががんばれば夢をかなえることができるのですから。

(平成17年7月18日)