第91回 家ではできるのに

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■ テストの間違い直しをやっていて、やり直してみると正答にたどり着く場合があるでしょう。

■ つまり、できる力はついていた。しかし、試験ではできなかった。こういうことはこれからもたくさん出てくるはずです。では、なぜ試験ではできないのか。いろいろな原因が考えられます。ひとつはあせっている。当然時間が限られているから、急いでいる。だから良く問題が読めていなかった。あるいは上がっている。塾の試験ならまだしも、会場テストでまわりも知らない人ばかり。だから、上がってしまった。

■ 思いつかなかったという場合もあるでしょう。家で問題をもう一度ゆっくり読み直してみると、ある条件がしっかり目に入って「なんだ、簡単じゃないか」ということになります。つまり、あとでやってできるというのは概ねミスが原因であることがほとんどなのです。

■ では、どうやったらミスを起こさないようになるか?

■ 私は、注意を喚起するようなルーティンを組み込んでいくことが一番効果があると思います。もう一度問題を読み直す、とか問題の条件に線を引く、とか計算を見直す、というようなルーティンを組み込むのです。子どもたちがミスをやる場面は結構、似たような状況で起こります。例えばちょっと難しい計算がきれいに割り切れて答えが整数になった。この瞬間にミスが起きる。つまり、それが答えだと思ってすぐ答えを書いてしまう。しかし、実際にはその先にもう2手順あったりする。だからこういう場合、もう一度そこで問題を読み直す、というルーティンを加えればそのミスは防げることになります。

■ 子どもたちはこれから、過去問を中心に多くの問題を解いていきます。しかし、ミスを犯す場面は共通項がある。だからその場面で何をすればいいか、を決めてしまう。実はそのルーティンをやるからミスが減るのではなく、「ミスに対する意識が高まる」からミスが減るのです。ルーティンをやっていても、急いでいると実はミスが出る。だから意識が高まっていけば、どんなルーティンであっても実は効果がある。ある子は鉛筆を変える、というルーティンにしていました。これはゲン担ぎでもあるのですが、こうやることでミスが出ないようにもう一度注意することができれば、それはそれで大事なルーティンなのです。

■ ただ、たくさんやれば経験値が上がるのではありません。やった結果を吟味して、なぜこうなったのかを考えないとミスは相変わらず出ます。そこが考えられていれば、たくさん問題を解かずとも経験値は上がっていきます。それほど多くの時間があるわけではないので、1回問題をやるたびに経験値が上がるように解いた過程をしっかり吟味してください。

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