第3回 英語の勉強法 

Pocket
LINEで送る

■最近、電車の中で英語の勉強方法のコマーシャルがたくさん見られます。みなさん、ご存知の通り、英会話学校の広告なのですが、それなりに持論が展開されています。しかし日本人の英語の勉強法ということになると、やはり違うかなという気がしてくるのです。

■日本の学校で英語を勉強したところで、話せないし聞けないという話がよく議論になりますね。本当にそうだろうかと私は実は思っているのです。日本では当然、テレビも日本語、新聞や雑誌も日本語です。日本語で生活ができるし、特に何の不自由も感じません。ところが、そういう環境でなくなると、話は一変します。

■例えば勤めている会社が外資系になって、突然社内の公用語が英語に変わった場合。しかしながら、日本でしか英語を勉強しなかった人々がどんどん話したり聞いたりできるようになっていきます。もちろん、それまでにいろいろと努力があるでしょうが、基本になっているのは、中学や高校でならった文法です。どう表現するか、ある程度のルールがわかっていれば、あとは語彙の問題になりますから、何とか話せるし、やがては聞けるようになると思うのです。

■私は20年間塾で働いてきましたので、子供たちに英語を教える機会はありました。ですから文法や単語の知識は多少あります。しかし、同じように聞いたりしゃべったりすることに関してはあまり、得意ではありませんでした。ところが塾を離れてからしばらく、外資の仕事をすることがあり、何回か英語で商談をしなければならなくなったのです。まあ、大変でした。一人で西海岸に出張しなければならないこともあり、そのときは相棒がいませんから、まさに英語のシャワーを浴びます。するとあるときから、だんだん耳や口が動き始めてくるのです。英語をしゃべらないと生活ができないのですから、必死です。

■しかしながら、その基本はやはり学校や受験勉強で培った文法と単語の知識です。そこから組み立てられてくるわけです。そしてここのところが重要ですが、日本で生きていく限り、英語のシャワーは浴びれないのですから、まずきちんと文法や単語の知識を持つべきではないかと思うのです。

■もちろん語学学校で英語のシャワーを浴びることはできるでしょう。しかしそれが日常にならないので、そう感覚が鋭くはならないのです。それよりも大事なのは文法や単語の知識ではないでしょうか。最近、つくづく思っているのですが、大学の受験勉強で後々、一番役に立ったのは、私は英語だと思います。

(平成16年1月24日)

Pocket
LINEで送る