第15回 「腹をすえる」

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 いよいよ入試が近づいてきました。ここまでくるとお母さんとしても「何とか合格させたい」と思っておられると思います。しかし一番良いのは「どーん」とかまえることです。腹をすえるといってもいいかもしれません。
 お母さんが心配すれば、子供はもっと心配します。お母さんが子供たちに一番近いように、子供たちもお母さんに一番近いのです。お母さんが心配すれば、僕は危ないと思うかもしれません。だから心配してはいけない、しかし不安ではあるでしょう。なぜなら結果が出ていないからです。

 ですが、結果は出てみなければわからない、そのときどうしようと思うか ら不安になります。逆に言えばそのときこうしようと決めていれば不安はなくなります。まずは、「中学受験で子供の人生は決まらない」とそう思ってください。これは何回もお話していることですが、受験の成功が人生の成功につながるわけではありません。そして今、ただひとつわかっていることに目を向けてください。それはどの子もこの4月には中学1年生になるということです。これは義務教育ですから、必ずどこかの中学に通うことになります。ですから行く学校がどこになろうと、その子のベストにしようと考えればよいのです。

 私はたくさんの子供たちを送り出してきましたが、どんな学校に行ってもそこでしっかり努力し、がんばった子供たちは立派に成長しています。逆にその学校に行くことを恥じたり、気持ちが引いていると大事な中学時代が台無しになってしまうでしょう。

 「随所に主となれば立つ処皆真也」ということばがありますが、どこに行っても心が積極的になることが大事であって、そうなれば子供たちは必ず成長してくれるでしょう。入った学校がベストになるように努力すればいい、そう思えばお母さんの気持ちは落ち着いてきます。その自信が子供たちに伝わると、今度は子供たちの自信を創ります。きっと良い結果を導いてくれると思います。ですからぜひ「腹をすえて」ください。そして少し離れたところから、子供たちの奮闘振りをしっかり見届けて欲しいと思います。

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