第529回 入試で出ることは5・6年で習う

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■ 中学受験の低年齢化が進んでいます。今から10年ぐらい前は小学校4年生の2月からスタートして、およそ2年で中学受験の準備が終了していました。しかし、その後カリキュラムの前倒しが始まり、スタートが小学校3年の2月になり、最近はさらに進んで小学校2年の2月になったりしている。

■ こうなるとまあ小学校に入ると同時に中学受験の塾に入る、みたいなことも起き始めているようですが、しかし、やはり学齢に合わせてやらないと結局無駄な時間を過ごすことになる。

■ 中学入試に出題されることはどんなに急いだところで、やはり小学校5年と6年生で学習することになるのです。例えば理科は比と割合を習わないと、理科計算には進めない。比と割合を学ぶためには、分数の計算ができなければならず、ということは約数と倍数がわからないといけなくて…。

■ もちろんそういうことを早くやる、ということは子どもによってできることもあるでしょう。ただ、その時間に別のことをやらなければいけないところもある。例えば運動をしたり、みんなと遊んだり、あるいは音楽や美術の才が出てくることもあるかもしれない。伸ばすべき子どもの力はただ勉強だけではないのです。

■ 入試に出るものはその時にやればよいところはやはりあるので、そう慌てなくてもよいのです。ある大手塾の1・2年生がいっぱいになったから、もう入れない、などという話が広まっていますが、大丈夫。ちゃんと4年生や5年生になったら定員が広がるようになっています。もともと1・2年生と教える先生が少ないからそうなっているだけの話。

■ 中学受験が過熱すると、おおむねこういうことが起こるのはいつでも同じようですから、とにかく焦らないことです。


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