第147回 目的と手段

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■ 中学受験は子どもの教育や将来にとってプラスが大きいと思うからやるわけです。本来、中学は義務教育ですから、受験をしなくても中学校には上がれる。しかし、それをわざわざ受験して月謝を払ってまで私立に行かそうとするのは、子どもの将来を考えてのことです。

■ しかし、その準備がどんどん進むにつれて、合否がやはり気にかかってくる。だから子どもたちにとって過重な負担が出てくるケースが少なくありません。本来12才ですから、まだ体躯は成長途中ですし、体力もないからそれほど無理がきくわけではない。そこに無理が出てくると、だんたん子どもたちにマイナスな部分が出てくることになります。

■ 本来、目的は子どもに良かれ、と思ってやっていたことが手段のところでは子どもたちにマイナスな部分をもたらしてしまう。これはやはり考えなければいけません。本来、子どもにとってプラスであると思ってやることだから、その手段もあくまで子どもにとってプラスでなければならない。逆にマイナスになるようであれば、本来の目的に反してしまう、ということなのです。

■ こんなことやらせていいのかしら、とお父さん、お母さんが思うことがあるとすれば、それは当然ストップさせるべきなのです。そこまでやらなくても、と思うことが往々にして、その渦中になると「これくらいやらなくてどうする」にすり替わってしまう。だから子どもたちのために、お父さん、お母さんはどこかで冷静な部分を最後まで持ち続けてください。

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