今出した数字は何か?

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プログラミングの世界で言うと、それぞれのプログラムの上にコメントをこまめに書くプログラマーと、何も書かずに黙々とプログラムを書くプログラマーがいます。

コメントを書いているプログラムの場合、後で他のプログラマーが読んで、何をしようとしているのかのヒントにはなる。

ヒントでしかない場合もありますが、それは自分のためでもあって、自分はいったい何をしようとしていたのかを確認するためにコメントは書いた方が良い、という指導をするケースが多い。

しかし、天才肌というか、もう頭が先に行ってしまうプログラマーは、コメントを書くのがうっとおしい。したがって、素晴らしいプログラムかもしれないが、あとで検証のしようがないというか、しばらく時間が経ったあと、「さて、自分は何をしようとしていたのか」がわからなくなる場合もあるものです。

で、算数の式も同じことが言えます。

ある式を書いた。答えが出る。で、この数字は一体何か? コメントを書いておけば、それなりに確認がしやすい。

例えば太郎君の分速、とか、ABの距離とか。まあ、本当にちょっとしたコメントでいいので、それを書いておけば、自分が何をしようとしているのかを確認することができる。

自分が確認できる、ということは採点する先生も確認できる、ということになります。

だから記述式の算数というのは、式とコメントだけで、ある程度答えになりうる。

数学のように「太郎君の分速をxとすると」などと書かずとも、480÷20=24・・・太郎君の分速、で充分なのです。

で、このような式は別に答えだけを書く入試形式でも当然、なかなか有効なのです。ミスを防ぐには。

後から、先に出した数字を使うことはある。例えばAB間の距離を出す問題で、ACの距離は先に出した。BCの距離が今、わかった。あとはABの距離を出すためにAC-BCをやるということになるわけですが、そのACは自分が書いた式の上の方にある。

でも、どれか? コメントが書いてあれば、すぐ見つけられるが、書いていないとすぐその下の数字だと間違えてしまう可能性があるわけです。

このくせは入試前というよりも、もっと前からつけておいた方が良いのです。

今、自分が出した数字は何か? これを書くくせをつけておけば、正確に解き上げる力はかなりついていくでしょう。

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