第33回 テストの必要性

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■近年、中学入試が加熱する中で、週例テストや月例テストに対する風評があまり良くありません。しかし、テストは本当は必要だと思うのです。何がわかっていて、何ができないのか、これを判断する方法はテストが一番です。毎週や毎月の学習を総括する意味でもテストは大事でしょう。ところが、これが組分けテストに使われるとなると話が変わってきます。

■塾によっては毎月テストによってクラスを変えるところがあります。あるいは座席もそれで決めるようなところもあるようです。その結果として、自分の位置がはっきりしすぎる分、子どもたちには月例テストや週例テストが負担になってくるのです。テストを前に、塾に行きたくない子どもたちは決して少なくないでしょう。

■確かにこの組分けテストには変なところがあります。例えば子どもたちの教科のバランスは教科ですべてそろっているわけではありません。例えば算数の偏差値が60、国語の偏差値は40というのはよくあることなのです。しかし、この子は総合で50になってしまうので、算数はやさしい、国語はむずかしいクラスに配置されてしまいます。自分のレベルに決して合うことのないクラスに入るわけです。

■子どもたちにとってはストレスのある試験ですが、しかし組分けがなくなったらどうでしょうか?例えば漢字を覚えているかどうかを確認するためにはやはり、漢字テストをするでしょう。その週や月の理解度を確認するにはテストが必要なのです。それにテストをしてデータを集めれば、何ができて、何ができないかがはっきりしますから、すべての範囲を復習しなくても、できなかったところだけやればいいので、勉強が一気に効率よくなります。

■中学受験が過熱化し、塾で組分けテストが当たり前になって、テストが悪者になっているような気がするのですが、本来テストは子どもの勉強を効率よくするために必要なものなのです。実際に入学試験は筆記テストで行われますから、テストの練習はどうしても必要です。ただ、クラスを決めたり、席次を決めたりするから、ストレスが大きくなるのです。

■順位や偏差値はどうでもいいのです。それよりもやってきた答案に注目してください。答案には子どもたちの問題がいろいろ表れてきます。検算をやっていない、字をていねいに書いていない、筆算を書いていない、いろいろな問題点があるでしょう。それをひとつひとつ改善していくことが必要なのです。何ができないのか、どうすれば点数がとれるようになるのか、実際のテストを通じて問題点を明確にして、具体的な対策を立ててほしいと思います。

(田中 貴)

(2005年12月5日)

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