■理科では良く実験問題が出題されます。実験問題は大きく分けて、2つに分類されます。1つは実験方法を尋ねる問題。例えばガスバーナーの使い方、顕微鏡のセットの仕方、メスシリンダーの見方など、いろいろなパターンがあります。これらの問題は、しかし解答のポイントも決まっているので、比較的対策もしやすいのではないでしょうか。
■ もうひとつは実験結果を分析させる問題です。この形にはまた2つのパターンがあります。ひとつは数字的に予測することが可能な問題。例えば振り子や気体の発生、中和、電気などの実験です。これらは実験結果が問題上にグラフや表で提示されます。その結果からある程度規則を予想することができますし、もちろん振り子の周期などの法則を知っていれば簡単に答えられるでしょう。
■この手の問題は、出題パターンが決まっていますので、ある程度できるまで問題を繰り返し解かなければなりません。ただ、理科は算数と違い出題される形式には限りがありますから、電話帳(各校の入試問題を集めた分厚い問題集)などを解いていくと、良く出るパターンを習得することができます。例えば電気の出題だけ解いてみるという勉強の仕方が効果的です。
■実験問題で一番困るのは、なかなか解答の予想がつかない場合です。ある学校でろうを溶かした後、固まった場合、その体積は液体のときに比べて大きくなるか、小さくなるかという問題が出たことがありました。問題は3択だったので、わからない子は多分適当に答えたのではないかと思うのですが、むずかしい問題です。
■参考書やテキストにきちんと書かれている結果があれば、いいですか、こういうのはたまたま理科クラブでやった実験だったりしない限り、解答できないものです。以前、カイコの絵を描けなどの問題が出題されたこともありますが、現代っ子にはなかなかカイコを見る機会もないし、ましてや上手に書けた子はあまり多くはありませんでした。
■この手の問題ができるということは、やはり相当理科という科目に対する子どもの関心が高くなければ無理なのです。しかし受験では、それまでの準備をすることはなかなかむずかしいわけで、私はそういう問題に関してはずばり切り捨ててしまうべきだと思っています。
■入試は、合格点を取れればよいのです。満点をとらなければいけない試験ではありません。良くお話しますが、できる問題からやる、わからない問題は切り捨てていいのです。ただ、子どもによっては、気が小さくて、細かいことにこだわってしまうタイプがいます。こういうときは、うまくアドバイスしてあげてください。
(平成16年11月23日)