「副首都という名前の新しい都市が決まったの?」。今回のニュースは、ここから考えると分かりやすくなります。法律は2026年10月30日に施行され、指定要件を定める政令も公布されました。しかし、特定の道府県が副首都に決まったわけではありません。
法律でいう副首都は、大規模災害で東京圏の首都中枢機能を保つことが難しくなったとき、その全部または大部分を一定期間代替する道府県です。多極分散型経済圏の中核という役割も持ちます。道府県が議会の議決を経て申し出て、内閣総理大臣が指定します。
似た言葉に「首都中枢機能代替地域」があります。こちらが担うのは首都中枢機能の一部です。全部または大部分を代替し、経済圏の中核にもなる副首都とは役割が違います。
中学受験社会では、東京に国会、中央省庁、最高裁判所が置かれ、企業の本社も多いことを学びます。人や情報が近くに集まれば、連絡や移動には便利です。しかし大規模災害で政治、行政、司法、経済の中枢が同時に止まれば、影響は全国へ広がります。一か所が止まっても国全体を止めない。そのための分散です。
地図で東京圏の位置を確かめたら、候補地を当てるのではなく、条件を考えてみるとよいでしょう。東京と同時に被災しにくいか、複数の交通手段があるか、通信や都市基盤、行政機能を保てるか。副首都は第二の大都市につける名前ではありません。東京が動けないとき、何をどこで続けるのかを考える制度です。
