月別アーカイブ: 2005年10月

第28回 応用力をつけるには

■最近、ちょっと気になるのは問題の細分化が進み、クラスによっては応用問題を省く塾もあるようです。基本問題もできないのに、応用問題をやっていてもできるはずはない、その通りなのですが、しかし応用問題を解かなければ応用力が身につかないのも事実です。

■応用問題の構造は大きく分けて2種類あります。ひとつは複数の基本事項が組み合わさったもの、もうひとつは独自の考え方が必要なものです。前者は結局は基本事項の複合体ですから、そのひとつひとつは基本問題と大差ないかもしれません。しかし、それを見分ける力は基本問題ばかりを解いていたのでは身につかないでしょう。

■一方、後者は基本問題にはない独自の考え方があるものです。これも知らないとなかなか解けないでしょう。そしてここがポイントですが、これらの考え方は基本問題には出てこないので、応用問題を解かない限り決してできるようにはならないのです。

■最近の塾では、クラスの細分化が進んでいて、あるレベルの子供たちには難しい問題をさせても意味がないので、やらせないという考え方が主流です。わからないでもないですが、しかしそれではこのクラスの子供たちが上へ上っていけるはずはありません。また基本問題はできるのに応用問題ができない子の勉強法としては、これは最悪です。しかし、偏差値の輪切りでクラスが決められてしまうとこういう不合理なことが起こる可能性があります。

■多少大変でも毎週数題は難しい問題にも挑戦する、そのことが子どもたちの可能性を広げます。自分で考える力がついている子どもたちには、応用問題を与えていくことが必要だと思います。そしてその中から、情報を分析する力や図を書く力がついていくのです。最近の指導法はややもするとパターン化して素人でもやれるようにする分、子どもたちの可能性が引き出されていないのではないかと思うのですが。

(田中 貴)

(2005年10月31日)

第40回 図を書こう

■算数の問題を解いていく上で、大変重要なのが自分で図を書くということです。例えば速さの問題では、人の動きを線分図で書いてみる場合もあるでしょうし、あるいはダイヤグラムにしてみる場合もあるかもしれません。立体や平面図形では、自分でもう一度図を書き直してみたり、あるいは別の方向から見た図を書いたほうがわかりやすい場合もあるでしょう。

■ところが算数があまり得意でない人は、この自分で図を書くという作業をあまりしない傾向にあります。ただ文章をじっとにらめっこしていても、問題はなかなか解けないもの。むしろ問題文の題意を読みながら、自分で図を書いてみることが大事です。

■速さの問題などでは、同じ距離を動いているところとか、同じ時間動いているところが問題を解くヒントになることが多いのですが、実際に図を書いてみないとそれに気がつきにくいのです。例えばダイヤグラムを書けば、同じ時間動いている場所は簡単に見つかる場合が多いのです。

■図を書かない子供たちの言いわけは大きく分けて、2つあります。「めんどくさい」「たいへん」でも良く考えてみましょう。面倒だといって、結局得点できなければ合格できないのです。これは理由になりませんね。もうひとつは「図が下手だから」確かに、見取り図を上手に書くのは最初、むずかしいかもしれません。しかし、やっていけばだんだん上手になるもの。図を書かなければ、いつまでたっても上手になれませんね。

■図を上手に書くのに使って便利なのが方眼紙です。グラフ用紙のことですが、この紙には格子状にうすく線がひいてあるので、この上をなぞると上手に直線や正方形、長方形がかけます。立方体の見取り図も格子を利用することで、うまく書くことができますね。ですから、図を書くのがあまり得意でない人は方眼のノートを算数のノートとして使ってみてください。

■方眼紙に図を書いていくと、グラフも簡単にかけますね。そうやって練習していくと、図を書くのがだんだん苦にならなくなります。そうすると問題文を読むのもポイントがわかるようになって、算数の得点力がだいぶ変わってくるでしょう。今からでも遅くはないので、すぐに図を書きながら解いていってください。

(平成17年10月26日)

第27回 長い目も必要

■お子さんをごらんになるのに、長い目も必要です。お父さんとお母さんの役割ていえば、子どもを見る目が長期的か、短期的かという点も大事な要点のひとつです。お母さんは子どもとの距離が近い場合が多く、毎日の行動に目が行き届きます。

■したがって子どもを見る目が短期的になりやすいもの。勉強について言えば早く結果を求める傾向にあります。しかし、繰り返しお話している通り、子どもは子どものペースで成長していきます。親が思うとおり、伸びはしないのです。

■「こんなに勉強させているのに、どうして結果がでないのだろう」とか「勉強しなさいと言い続けるのにだんだん、疲れてきた」とかそんなお話を聞くのはお母さんの方が圧倒的に多くなります。一方、お父さんは「そんなに勉強しなくてもいいだろう」「俺が子どものときは、そんなにやらなかった。でも大学には入ったから」とかそんな発言でお母さんの激昂を誘うようです。

■当然のことながら、両方の見方が必要です。日ごろから、きちんと勉強させるくせをつけることは大事なことですし、一方で結果をあせることなく、子どもが伸びるときにしっかり伸ばすというタイミングを図る目も大事なポイントではないでしょうか。だから、お父さん、お母さんにはそれぞれの役割があって、お互いいろいろな話をして、子どもの良いところを引き出していく必要があるのです。

■最近の中学入試はまた過熱気味で、その倍率などを考えるとお父さんもつい、短期的な視野に立ちがちですが、しかしここはぐっとこらえて、長い目で子どもたちを見てあげてください。そして何より大事なことは、短期的に見ているお母さんを上手に抑えてあげることだと思います。そのために一番良い方法はやはり、夫婦がよく話し合うということではないでしょうか?

(田中 貴)

(2005年10月24日)