月別アーカイブ: 2003年12月

第16回 いつから受験勉強を始めるか

■各塾で新年度の募集が始まりました。だいたいの塾が4年生から受験をスタートさせるプログラムになっています。だんだん受験準備の時間が長くなる傾向にありますが、いったいいつから始めればよいのでしょうか。

■ 入試に出る内容を学習するのは主には5年の秋からです。もちろん最近の受験カリキュラムは前倒しされていますので、当然、それ以前に勉強することが出題されていますが、しかし、私は受験勉強が本格化するのは5年生の秋からだろうと思います。それまでは子供たちの意識がそれほど高くは無く、またそれ以前にあまりがんばりすぎて、後が続かなくなる可能性もあるからです。

■ただし、それまでの受験準備がまったく無意味なのかというとそうではありません。これまで学校の勉強だけでよかったのが、受験勉強を加えるわけですから、最初からたくさんの勉強を加えるということは子供たちにとっては大変です。ですから受験カリキュラムも前倒しされていて、3年間くらいかけて受験準備をすることになるのです。

■参考になるかどうかわかりませんが、我が家の例をあげてみましょう。ウチには息子と娘がいます。ふたりとも受験塾には幼稚園の年長さんの最後(すなわち小学校1年入学まえの2月)から通い始めました。週1回、2時間のコースで算数と国語を勉強します。当然学校の勉強より早く進みますから、子供たちはまず学校の勉強に苦労しなくなりました。勉強に対しての自信がまずできます。

■3年生まで通うと、4年生の授業と大分だぶることが多くなりますので、4年生になる段階で二人とも飛び級させました。息子の場合は、算数と国語の2教科、娘は4教科とも5年生のクラスに入って勉強しました。4年生の授業に進むよりはかなり大変なことになりました。当然、成績はよくありません。しかし、1年早いんだからという気持ちが先にあるので、成績が悪くても「当然でしょ」と親も子も楽な気持ちで進んでいました。

■1回目の6年生は結局、クラスで真ん中くらい、偏差値50前後でした。しかし2回目の6年生になると、とたんに偏差値は60台に跳ね上がりました。当然のことながら、最初にやるに比べれば、楽なのです。二人とも最後の1年間は、そんなにつらい勉強をすることもなく、だいたいは上位にいて、秋から冬だけ知識などをがんばり、目標の学校に入学しました。

■このやり方がすべての子供たちに向くとは思いません。ただ私が学習塾にいたので、負担になる最後の1年間を6年間に分散させてみたのです。結果としてはうまくいきましたが、それでも飛び級した最初の1年は大変でしたから、どういうやり方をしてもどこかで苦労することはあります。

■1年生から始めなければならないなどということはありません。5年生からでも十分に受験は間に合います。一番大事なことは、あまり無理をせず、子供のペースで進めるように親が考えてあげることではないでしょうか。学習塾が進めるペースがすべての子にとって効率的であるということでは決してないのです。

(平成15年12月21日)

第15回 自信をつける

■模擬試験の日程もほぼ終わり、あとは本番に向けて最後の準備を進めていく時期です。千葉県の入試は1月から始まりますし、関西の受験も1月ですから、まさに直前期になってきました。

■ この時期もっとも大事なことは、準備が不足しているという気持ちがないようにしていくことです。もちろん、まだまだ時間はありますから、十分にいろいろな対策が考えられますが、かといってあせっても仕方がないのです。できることを確実にやる、そして受験日前には準備はすべて終わったという気持ちにさせてあげることが大切です。

■受験準備に完全はありえません。あれもやってない、これもやってない、数え上げればきりがないのです。完全がない以上、本人がやれたところまでが、その子にとっては終着点なのです。逆に考えれば、誰でも一応の終着点には到着するのです。問題はそれが合格できる水準まで来ているかということですが、しかし、これは個人差があり、またそのことと合格が完全にリンクしているわけでもありませんから、保護者の方はその点にあまりナーバスにならないことが大事です。

■入試はたった数時間で結果が決まります。運のいい子は前日やった問題が出る場合もあるでしょうし、当日風邪をひいて体調が不十分であれば、これまで合格間違いなしと太鼓判をもらっていても、残念な結果になることもあります。ですから入試日は本人が十分に準備をしてしっかり受験したというところに重きを置くべきであり、結果が出たところで次を考えるようにしてください。

■特にお母さんは、この時期非常に心配になります。それと同時に「落ちたらどうしよう」という気持ちがどんどん心を占有していきます。落ちたからといってその子の何が変わるのでしょうか?合格すれば合格するで、良いところもあれば悪いこともあるのです。ですから、心配は二の次にして、今はお子さんが自信をもって受けられるように準備してあげてください。お母さんは「私の子だから何とかする」としっかりお子さんを信じてあげてください。そうすればきっと良い結果になると思います。

(平成15年12月12日)

第14回 考える力

■子供たちを教えていて、問題に対する取り組み方で大きく2つのタイプがあるようです。ひとつは、非常に熱心に解くタイプで、なかなか答えを見たがらない子。もうひとつはその逆で、すぐあきらめてしまうタイプです。当然、前者のタイプの方が成績は伸びます。ただ、親から見ていると、そんなに時間をかけて、大丈夫?という心配もありますね。

■ 逆にすぐあきらめてしまう子供はなかなか伸びません。これは、問題を解くという過程が考える力をつけるためにとても重要であるからで、考えなければ、力は当然つかないのです。私がそういう子供たちを指導するときには、まず約束します。「できない」「わからない」とは言わないという約束です。最初からそのことばが出てくるようだと、しぶとく考える力がなかなかつきません。ですから、そういう言葉が出そうになる前に「できなくはない。きっとできる。」と言いかえてもらいます。

■「だってくせになっちゃったよ。」なんて子供は言い訳していますが、しかし、じっくり考える子はまず、こういう言葉を口にしません。「そろそろヒントをあげようか。」と水を向けても、「もう少し。もうちょっと。」といって、なかなかこちらの話を聞いてくれません。

■もちろん、時間には限りがあり、他にやることもあるわけですが、私はなるたけ本人が納得いくように考えてもらうことが、たくさん問題を解くよりも大事な過程だと思っています。そしてここが重要なことですが、伸びる子供たちというのは、必ずこの過程を経るといっても過言ではありません。ですから、時間の許す限り、ご家庭でもじっくり問題に取り組むようにしてください。

■算数などは特にそうですが、いろいろなやり方を試していくうちに、できたという達成感を感じると勉強が楽しくなります。例えば場合の数のような問題で、全部書き出してでも答えを出してみると、自信がついてくるから不思議です。お父さん、お母さんは、このタイミングでほめてあげてください。「そんなやり方じゃ、試験には間に合わないわよ」などと決して口にしてはいけません。ここが入り口で、もっと楽な方法はないかと考えてくれれば、それでよいのですから。

(平成15年12月4日)