月別アーカイブ: 2002年12月

第46回 強気、弱気

■もう、受験校は決められたと思います。ところが、この時期に来て、塾の先生から志望校の変更を求められることがあるものです。

■直近のデーターが悪いので、この学校では止まらないから、変更してください等、お電話やら面接やらで言われた方は少なくないと思います。これは塾のシステムや先生の性格にもよりますが、塾としては全部落とせないわけですから、こういう指導をすることが少なくありません。

■ところが、人間弱気になると、他の学校も全部だめな気がしてきます。そんなこと言われたら、やはり第一志望もだめかもしれない、という気持ちになるものです。といって、これまでさんざん検討してきた学校をもう一度最初からやり直す気にもなれず、お母さんは悶々とした気持ちになるのではないでしょうか。

■よく考えて決めた学校ですから、いったん決めた以上、そう簡単に変えてはいけません。特に年が変わったら、もうあとは強気一点張りでよいのではないでしょうか。1月になったら、子どもの気持ちは「ぜったい受かる」という方向へ持っていってあげなければなりません。気持ちが弱気になると、勉強にも力が入らず、入試も本来の力が出ないものです。

■よく申し上げるのですが、確かにすべての学校に落ちるのはやはりあまり良いことではないだろうと思います。ただ、受かってもあまり喜べない学校を受けるのも、気乗りがしないものです。私は受験する限りは、その学校はどこもその子にとって良い学校であり、どの学校に受かっても行かせるつもりだというのが良い態度だと思います。

■もちろん、志望順位はあるでしょう。けれども、その中で受かる学校もあれば、落ちる学校もあります。だから、受ける学校はどの学校にいってもらっても、親としては大満足だということを、子どもたちに教えてあげておいてください。すると、子どもたちの気持ちはぐーんと強気に変わってきます。

■人間は感情によって非常に左右されます。12歳の子どもたちからすれば、非常に影響を受けるでしょう。ですから、一番近くにいる親が強気である必要があるのです。もうこの時期ですから、思い切り、強気で行きましょう。

(平成14年12月29日)

第45回 冬休みの過ごし方

■まもなく冬期講習です。6年生の場合、多くの方が冬期講習を受講されていると思います。しかも最近はだいぶ長い時間塾にいるので、家で勉強する時間があまりないかもしれません。

■その場合、まず大切なのは健康管理。この時期風邪を引いて、無理をするとかなり長引くことになります。ですから、熱っぽいときはすぐ休むことが大切です。子どもの熱はすぐ上がりますが、下がるのも早いですから、とにかく無理をさせないことです。

■勉強としてまず大事なのが塾の復習です。せっかく長い時間、勉強してきたのですから、そのなかでも大事な問題は復習したいところです。ところが塾の勉強時間に対して家での学習時間はわずかですから、すべて復習するなどということは不可能に近いでしょう。一般的には、算数、理科、社会、国語の順で優先順位をつけると良いと思います。特に算数はできなかった問題をすべて解きなおそうとすると、完全に時間がなくなってしまいます。この時期はもうあまり難しい問題には手を出さず、ミスしたと本人が認識している問題だけに絞り込むと良いでしょう。

■もう少し時間に余裕があれば、ぜひやっておかなければならないのが暗記です。特に歴史の年号や地名、人名、理科で言えば一等星の名前や星座、国語は漢字など覚えておかなければいけないことはたくさんあります。これは塾の往復の時間を使ってもよいでしょうし、隙間の時間をうまく使ってやってください。

■もう少し余裕があれば、過去問をがんばってください。この時期は、2回目、3回目になっているかもしれませんが、確実に点数が取れるという自信をつけてほしいと思います。第二志望、第三志望まではなかなか手が回らないかもしれませんが、入試傾向をつかむという意味では過去問の勉強が一番効果が高くなります。

■塾に行かずに家で勉強する場合は、それ以外にやはり不得意分野の克服があります。私が塾にいたころでいうと、6年生のこの時期でも電気や浮力、水溶液などの問題はなかなかできず、結構苦労したものです。ただ、もうここまで来ていますから、あまり難しい問題を解くのではなく、基本問題を中心に再確認し、「これは難しい」という判断ができればよいのではないかと思います。

■おおみそかや正月、いくら受験前とはいってもイベントはいろいろあるかと思います。そんな中で注意しなければならないのが、初詣。湯島天神などはずいぶん並びますが、あの列に並んでいると風邪をひいてしまったりするものです。気をつけてあげてください。

■新年を迎えれば、あと1ヶ月。朝型へ切り替え、あとは十分に準備したと思えるような環境を整えてあげてください。(本人が十分と思うだけでよいのです。思わせればよいことなのですから、お母さん、くれぐれも気をつけてください。)

(平成14年12月21日)

第44回 父親の役割

■中学受験の場合、お母さんが子どもの面倒をみておられる家庭がほとんどです。小学6年生の父親というのは、やはり仕事が忙しく、なかなか子どもたちの面倒を見られないという方が多いのではないでしょうか。

■最近は、お父さんが算数や理科を教えているご家庭もあるようですが、お父さんには非常に大切な役割があります。それは子どもの教育を長期的な視野でみるという役割です。お母さんは毎日、子どもたちの世話をしているので、子どもとの距離が近いですから、どうしても近視眼的な見方になります。毎日の勉強や行儀などが目につきますから、つい小言も多くなりますし、今やっていることの結果を求める傾向が強くなります。

■ところが、子どもというのはかなり長い時間をかけて成長します。その成長のスピードにも個人差があり、早熟の子もいれば、晩生の子もいます。中学受験の場合、締め切りが6年生の1月、2月ですから、それに間に合うくらいの精神的な成長をしてくれていれば、親は楽です。しかし、最近の子どもたちは過保護の元で育っていますので、どうしても精神的な成長が遅くなる傾向があり、したがってこの締め切りに間に合わない可能性もあるのです。

■最近の子どもたちは、いろいろなことを人にやってもらう機会が多くなりました。したがって自分でやりきる経験が少なくなり、精神的な成長が遅く、幼い子になりやすいのです。こういう子は成長するまでに時間がかかりますから、長期的な視野をもっていないと、良い方向に導いてあげることができません。

■ところが、直前の時期はお母さんもお父さんも「何とか、合格してほしい」と思うあまり、二人で短期的視野にたって「がりがり」やってしまいがちです。こういうとき、子どもが積極的な気持ちでいてくれればまだ救いがあるのですが、本人が晩生であれば、子どもの成長に良い影響を与えません。

■日ごろ、子どもたちの面倒をみてやれないお父さんも、お母さんに対するブレーキの役割はもてます。お母さんが困っていたら、ぜひ、お父さんがお母さんや子どもたちを良い方向にもっていってあげてほしいのです。子どもの成長過程は長いのです。これから勉強すること、これから経験することがたくさんあって、それで一回りも二回りも大きくなっていくのです。

■お父さんは、忙しくてよいのです。早く帰ってきて、子どもの算数を見てあげなくてもかまいせん。でも帰ってきたら、お母さんの愚痴は聞いてあげてほしいのです。それが子どもたちに対する最大の貢献かもしれません。

(平成14年12月14日)