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弟妹の受験をどう考えるか?

兄弟姉妹がいるご家庭では、上の子の受験経験がどうしても基準になります。

「上の子はこの塾でうまくいった」
「この時期から成績が伸びた」
「このやり方で合格できた」

そういう経験があると、下の子にも同じようにやらせたくなるのは当然です。親としては、一度通った道ですから、見通しも立ちやすい。塾の仕組みも分かっているし、教材の使い方も、模擬試験の位置づけも、ある程度わかっている。

しかし、ここで気をつけたいのは、上の子と下の子は別の子どもだ、ということです。

同じ家庭で育っていても、性格も違えば、得意不得意も違います。集中できる時間も違うし、競争で力を出す子もいれば、比較されると力が出なくなる子もいる。上の子には合っていた方法が、下の子にもそのまま合うとは限りません。

特に気をつけたいのは、知らず知らずのうちに比較が入ってしまうことです。

「お兄ちゃんはこの時期にはもう少しできていた」
「お姉ちゃんはこの宿題をちゃんとやっていた」

親に悪気はありません。むしろ、経験があるからこそ、早めに注意してあげたいと思っている。でも、子どもからすれば、それは自分を見てもらっているというより、上の子と比べられているように感じることがあります。

塾でも同じことが起こります。兄や姉が先に通っていた場合、先生の方にも記憶があります。「上のお子さんはこうでしたね」という話が出ることもあるでしょう。もちろん、それ自体が悪いわけではありませんが、下の子にとっては、自分の前にすでに物差しが置かれているように感じる場合があります。

だから、下の子の受験を考えるときは、まず一度、上の子の成功体験を横に置いてみることが大事です。

この子は、どのくらいのペースなら無理なく続けられるのか。どの教科でつまずきやすいのか。集団授業が合うのか、個別に見てもらう方が良いのか。家庭で管理した方が伸びるのか、少し本人に任せた方が動き出すのか。

そういうことを、改めて見ていく必要があります。

受験は、同じ学校を目指すとしても、そこに至る道筋は一つではありません。上の子は早い時期から塾のペースに乗れたかもしれない。けれど、下の子は少し時間をかけて基礎を固めた方が良いかもしれない。あるいは、上の子は最後まで親が細かく管理したけれど、下の子は自分で決めさせた方がうまくいくかもしれません。

公平というのは、同じことをさせることではありません。

その子に合った形を考えてあげることが、本当の意味での公平です。

もちろん、上の子の経験は無駄ではありません。むしろ大きな財産です。ただし、それは「同じことを繰り返すため」ではなく、「次はもっとその子に合った形を考えるため」に使うべきものです。

親も、二人目、三人目の受験で少しずつ見方が変わっていきます。最初の受験では見えなかったことが見えるようになる。塾の言うことをそのまま受け止めるのではなく、わが子に必要なものを選び取る力もついてくる。

だからこそ、下の子の受験では、上の子のときよりも、少し肩の力を抜いて、その子自身を見るようにしてほしいと思います。

兄弟姉妹であっても、受験はそれぞれ別の物語です。

上の子の道をなぞるのではなく、下の子に合った道を一緒に探していく。その姿勢が、結果的に子どもを一番伸ばしていくのではないかと思います。

算数のノートの使い方

算数を勉強していると、ノートの使い方でずいぶん差が出ます。

もちろん、きれいなノートを作ることが目的ではありません。大事なのは、自分がどう考えたのか、どこで計算したのか、どこで間違えたのかが、あとから見てわかるようにしておくことです。

答えだけが書いてあるノートでは、あとで見直しても、なぜそうなったのかがわかりません。逆に、計算や図、考え方が少しでも残っていれば、「ここで間違えたんだな」「この考え方は合っていたんだな」と振り返ることができます。

まずおすすめしたいのは、計算する場所と答えを書く場所を、少し分けて使うことです。計算は余白に小さく書き散らかすのではなく、あとで読めるくらいの大きさで書く。これだけでも、計算ミスは見つけやすくなります。

また、ノートをあまり詰め込みすぎないことも大事です。算数では、式だけでなく、図を描いたり、表を作ったり、言葉で理由を書いたりすることがあります。スペースがないと、それらが全部小さくなってしまい、結局、自分でも何を書いたのかわからなくなります。

特に図形や速さ、割合の問題では、図を描くことで一気にわかりやすくなることがあります。上手に描く必要はありません。大まかでよいので、問題の内容を自分の手で図にしてみる。そうすると、頭の中だけで考えていたことが、少し整理されてきます。

ノートは、先生に見せるためだけのものではありません。自分の考えを残しておくためのものです。

だから、多少線が曲がっていても、字が完璧でなくてもかまいません。大切なのは、あとで自分が見たときに、「何を考えていたか」がわかることです。

算数が苦手になっている子ほど、答えを急いで書こうとします。でも、本当はその前に、考え方をノートに出してみることが大事です。式を書き、図を書き、途中の計算を残す。その積み重ねが、少しずつ自信につながっていきます。

塾のペースに追われるだけでなく、まずは自分の考えを落ち着いて整理する。そこから、算数の学び直しが始まることも多いのです。

緊張感はそうは続かない

中学受験の道のりは長く、子どもたちが一息つきたくなる時期がやってきます。多くの場合、学年でいえば5年生の春先から初夏にかけて、勉強への集中力が緩みがちになる傾向があります。生活のリズムに慣れた頃、受験までの時間がまだあると感じてしまい、気持ちがどこか遠くへ行ってしまうのです。これは決して珍しいことではなく、多くの子どもが通る通過点とも言えます。

この時期は、親御さんも子どもも何とかしなければと焦りがちですが、ずっと緊張感を保つことは現実的ではありません。心身のバランスを考えれば、適度に緩む時間も必要です。弓を引くときの弦のように、緩める時期がないと力を正しく発揮できなくなるのです。大切なのは、その緩みの中でも小さな歩みを止めないこと。短時間でもいいので、毎日決まった課題をこなす習慣を続けることが、後の成長につながります。

例えば、朝に計算問題を数問解く、学校から帰ったら国語の漢字を数文字覚えるといった、簡単で続けやすいルーティンを設けるのが効果的です。この程度なら負担にならず、習慣化しやすいものです。親としては「終わるまでは寝かせない」という強い決意が必要かもしれませんが、これが継続の鍵となります。途中で止まってしまうと、再び動き出すのに大きなエネルギーが必要になるからです。

もちろん、熱心に取り組む子もいますが、すべての子どもがそうではありません。それを否定せず、あえて小さな一歩を毎日積み重ねることを大切にする姿勢こそが、やがて大きな成果を生み出します。季節が進み、夏や秋が近づくにつれて、自然と勉強への意欲が戻ってくるものです。その時に備えて、今は日々の積み重ねを大切に見守りたいものです。

塾のペースから脱却して、まずは確実に自信を取り戻す、という方法もあります。こちらもあわせてご覧ください。