2013年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

塾に行かずに合格できるか?

割とこういう話を聞かされるのですが、塾に行こうが行くまいが、その子の勉強量が充分であれば、当然合格できるに決まっています。以前、ある中学受験の通信教育に関わったことがあります。その時は「塾に行かずとも合格できる」というフレーズがやはり出ておりました。本当はそんなことはどうでもいい。きちんと、子どもたちに勉強する教材を提供し、フォローし続けられれば、お父さん、お母さん、そして子どもたちも安心して勉強するし、結果もついてくるだろうと思います。

以前、アメリカの片田舎にお父さんの仕事の関係で転勤していた子どもが、突然、日本に帰ってくることになった。英語ができるのだから、まあ、高校受験でも良いとは思ったが、タイミングが間に合うので中学受験に挑戦したい、というお話で、メールのやりとりや、教材のお話をしつつ、受験してもらったところ、見事に合格しました。だから、まあ、どこにいても、どういう教材をやっても、しっかり勉強できて、入試問題が解ければ問題はない。

で、このお話をしようと思ったのは、実際に塾に通っていても「勉強していない」子が少なくない、からです。

塾に行っているから、勉強している、ということには実はならない。つまり、勉強している雰囲気ではあるし、授業には参加しているのだが、結局、勉強していない。習ったことがわかっていないし、また復習もできないから、そのままになる。(復習ができないのは、本人の意思とはまた別に時間がまったく不足するという場合も散見されるのですが。)その結果として、理解していないことが積み重なり、ほぼ塾では何をしているか、本人はわからなくなってしまっている。

これはやはり時間のムダだから、何かやり方を変えればいいのだが、もとより塾の方はやめさせる気はないし、お父さん、お母さんも「そのうち何とかなるのではないか」と思うのだが、まず何とかなりません。

塾に行かずに合格できるし、塾に行っても合格できない。本質は勉強ができているか、ということであって、どんなに良い教材を使ったところで、本人がわかっていないければ何のプラスにもなりはしないのです。これが中学生や高校生ならば、自分で「別な方法」を考えるかもしれない。しかし小学生自身は「方法を変える」ということはあまり思いつかないでしょう。「いやなこと」があれば、塾をやめたいというかもしれませんが、「この授業を聞いていても、僕はできるようにならないから、他の方法を考えてほしい」という子どもはまずいないのではないでしょうか。

だから、お父さん、お母さんが考えないといけないのです。ここが中学受験の難しいところです。塾は「お子さんのためにならないので、おやめください」とは言わないでしょう。「なんとかしましょう」というのです。熱心に教えてくれる先生も多いが、それでもうまくいかないとすれば、何かを変えてあげないと、結局はコストがムダ、ということになってしまいます。

今年の2月から、4か月が経過しました。ちょうど1年の3分の1。受験学年でいえば、あと3分の2で入試になります。

本当に今のやり方に納得されていますか。この機会にぜひ考えてみられると良いのではないでしょうか。

==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

算数のノートの使い方、あれこれ
==============================================================
中学受験 算数オンライン塾

5月25日の問題
==============================================================

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(塾・指導・勉強法)へ
にほんブログ村

中学受験の変遷から思うこと

こんなに中学受験が大変になった一番の原因、それは1967年にさかのぼります。

ここで東京都立が学校群制度を始めた。学校群というのは、学区を地域で分けて都立高校は、その学区に住居がないと受けられない、というものです。それまで東京都立には日比谷を頂点とするトップ校が存在していたのですが、実はここに越境入学する全国の生徒たちがいたのです。その当時のことは庄司薫氏の小説に詳しいが、本当に全国から優秀な生徒が集まっていて、それで「都立?」はないだろう、ということになった。少なくとも都立高校は平準化すべきだということで、学校群が始まったわけですが、結果として、これは受験生が都立から私立に流れるきっかけになってしまった。この学校群が始まって以降、日比谷高校は東大合格者のトップ校から落ちました。

1965年の東大合格者では

1位 日比谷高校 2位 西高校 3位 戸山高校

だったのだが、10年後の1975年では

1位 灘 2位 東京教育大(現筑波大学)付属駒場 3位 麻布

ということになって、私立優位が明らかになってきます。1967年というと、45年前ということなりますが、この間、私立優位が続いていて、東京がそうなら、関西も、中京も、九州も、という流れになってきたわけです。

で、中学受験の塾という話になると、この40年の間に

テスト会→単科塾→総合塾

という流れになってきました。私の年代の方で、中学受験を経験された方はおおむね、テスト会出身者であろうかと思いますが、週1回テストを受けて、そのテストに向けて自分で勉強する、というスタイルでありました。このころは、あまり参考書や問題集もなかったので、自分で過去問をやったり、いろいろ工夫が必要であった。

そのテスト会の準備をするための塾というのが、生まれてきたのですが、その塾は基本的に単科塾が多かった。国語は国語の塾、算数は算数の塾に行く。つまり、自分の勉強の状況に合わせて、通う塾を変えることができたわけです。

やがてそれは総合塾に変わり、テスト自体は総合塾の中に飲み込まれる、という流れになっているといっていいでしょう。ということは、ある一定のシステムの中で受験をすることが、一般化されたということであって、子ども独自の工夫はあまり必要でなくなった、家庭が考えずとも塾が用意してくれるようになった、ということではないかと思います。

そして総合塾の時代になってからは、いわゆる「抱え込み」といって他の塾に行かないように、いろいろなシステムができあがった。学校別指導もそうですし、個別指導すら塾内にもうける、という状況になってきたわけです。何から何まで準備されている。だからお父さん、お母さんとしては、それを選べば良いということになった。

しかし、その分、子どもたちの時間はどんどん奪われることになりました。

最初週2日ぐらいだった通塾日は週3日、週4日と跳ね上がっていき、今では5日というところもあるわけで。その分、家で勉強する時間は減り、何から何まで塾任せ、というスタイルが出てきています。

私はこれが、どうも気になる。

小学生が受験をする、というのはいろいろな負担があるわけですが、それが一気に増えている。中学受験のメリットというのは、お父さん、お母さんが一緒にいてくれる分、その負担を軽減できるというところにあったはずなのが、そのメリットが減少しているのではないか、と危惧しているのです。

もうひとつ気になるのは、何から何まで準備されていると、自分で何かをすることがなくなる、自分で工夫しなくなる、という点です。私どものころは、参考書も十分でなかったから、自分で調べた。インターネットもありませんから、なんと分厚い「百科事典」を読んだものです。

それはすぐ、調べられないが、逆に言えば、苦労するから覚えるというところがある。暗記のテキストもないから、自分でカードを書いた。自分で書くから、当然、書く段階で覚えられた、というところがあります。そういう家庭や自分の工夫が必要ない、というのは確かに便利なのだが、便利すぎて、あとで苦労するところがあるのではないか。

良く私学の先生と話をして
「中学に入ったらやり直させないといかんのです。先生の前で恐縮だが、勉強の仕方がわかっていない子が多すぎる」
という話をよく聞かされる。

でも、さもありなんと、思うのです。「あれ、やれ、これ、やれ」というのは、すでにあるからやれるのであるが、すべての勉強にそういうものが用意されているとは限らない。だから中1から論外とも思えるレポートが出される。論外だから、子どもたちは大変です。しかし、その中から何となく、自分で方法論をいうものを考え出す。

「最近はねえ、どこかのホームページに答えを載せているのがあるんですよ。だから、生徒の答えがいっしょだったりしてねえ。困った時代です。」

しかし、まあ、それでもこういうことをしてくれる先生がいる学校は良いと思います。そのまま、何事もなく大学受験まで終わってしまうと、今度は準備されない実社会に出ないといけないわけでしょう。

もう少し前に苦労しておかないと、本当はいけないのではないかと私は思うのですが。

==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

ピンホール
==============================================================
今日の慶應義塾進学情報

この夏、ゴーヤを育てる
==============================================================

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(塾・指導・勉強法)へ
にほんブログ村

過去問を始める時期

普通、6年生の場合は、過去問を始めるのは夏休みか、それ以降という感じだったのではないかと思います。

私もそれで良いのではないかと思っていたのですが、最近は塾の課題が多い。しかも、いろいろな過去問をやるそうなのです。

「第一志望はいつ?」

と思ってしまうのだが、いろいろな学校の過去問をやりながら、ある程度どんな問題が出ても「柔軟に対応できる力」を養うのが目的のようです。

しかしねえ。

まずは第一志望、第二志望をしっかりやるのが、順序ではないかと思うのです。先にどんな問題が出るかもわかるし、やっていくうちに例えば「ああ、まだ地理は不完全だなあ」とか「江戸時代を覚えなおさないといけない」という課題が見えてくる。そういう
出て、できないもの
をしっかり練習できる方が得策ではないか、と思うのです。

ただ、実際にいろいろな課題をやるということになると、じゃあ、先にやるしかない、ということになる。なので、先日国語の過去問は始めた方が良いというお話をしましたが、計画を立てて、少しずつでも他の教科もやっていくといいでしょう。

学校別にいろいろ対策を考えてくれる塾であれば、「これはやらなくていい」と言ってくれるが、むしろ「これも、あれも」と言われることが多いらしい。

そうなると、本当に自分でやらなければいけない勉強が見えてこなくなります。土台、子どものできないこと、課題は子どもそれぞれによって違うので、そこに注目しておかないといけない。

夏休みまでに10年分、とは思いませんが、それでも時間があるときに、少しずつ進んでいくと良いと思います。

でもねえ、実際にそういう時間もとれない、という話なのです。だとすると、何か捨てるしか、ないので、その辺は指導される先生とよく話をしておかないと、子どもたちは詰まってしまうのではないでしょうか。

==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

ちびまるこちゃん「慣用句」に思うこと
==============================================================
中学受験 算数オンライン塾

5月21日の問題
==============================================================


6年算数頻出問題精選ノート(田中貴)
6年算数頻出問題精選ノートサンプル

「中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子」

理科重要問題ノート
理科重要問題ノートサンプル

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(塾・指導・勉強法)へ
にほんブログ村