2013年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

酸化銅の問題

2011年吉祥女子の問題です。


祥子さんは、酸化鉄から鉄をつくる方法があることを知り、調べました。
【調べたこと】
 日本には古来から、「たたら製鉄」という鉄の製法がある。これは、酸化鉄を多く含む砂鉄から純度の高い鉄をつくる方法である。その手順を1~4に示した。

1 図1のような炉の中に、木炭と砂鉄を積み重ね、送風口から空気を送りながら木炭を燃焼させる。
2 それでも炉の内部は空気が不足するため、木炭は不完全燃焼して気体Aが発生する。
3 砂鉄に多く含まれる酸化鉄に、気体Aが高温でふれると鉄ができる。このとき、二酸化炭素も発生する。
4 最後に、炉をこわして底にたまった鉄を取り出す。

図1

(1)気体Aの名前を漢字で答えなさい。

(2)気体Aについて説明した文として正しいものを次のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。

 ア 空気より軽く、水によくとけてアルカリ性を示す。
 イ 無色でにおいはなく、有毒である。
 ウ チョークの粉に酢を加えると発生する。
 エ 可燃性なので家庭用燃料に用いられる。

(3)鉄と砂鉄に共通する性質としてもっとも適当なものを次のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。

  ア 黒色や赤色のものがある。
  イ 電流をよく流す。
  ウ うすい塩酸を加えると酸素が発生する。
  エ 磁石につく。

次に、祥子さんは酸化銅から鋼をつくる実験をしました。
[実験]
(1) 黒色の酸化銅の粉末4.0g と乾燥した黒色の木炭の粉末0.1gをよく混ぜ、試験管に入れた。
(2) (1)の試験管をガスバーナーで十分に加熱した後、試験管が冷めてから試験管内に残った固体の様子を観察し、その重さを測定した。
(3) 酸化銅の重さは変えずに、木炭の重さを0.2g,0.3g,0.4g,0.5g と変えて、(1)、(2)の操作を行った。
[結果]
・試験管内を加熱したところ、二酸化炭素が発生した。
・加熱後に試験管内に残った固体の様子を、次の表にまとめた。

・木炭の重さと加熱後に試験管内に残った固体の重さの関係を次の図2に表した。
図2

(4) 加熱後に試験管内に残った黒色の固体について説明した文として適当なものを、次のア~カから二つ選び、記号で答えなさい。

ア 木炭の重さが0.2gのとき、酸化銅と木炭の両方が残っている。
イ 木炭の重さが0.2gのとき、酸化銅のみが残っている。
ウ 木炭の重さが0.2gのとき、木炭のみが残っている。
エ 木炭の重さが0.4gのとき、酸化銅と木炭の両方が残っている。
オ 木炭の重さが0.4gのとき、酸化銅のみが残っている。
カ 木炭の重さが0.4gのとき、木炭のみが残っている。

(5) 用いた木炭の重さが0.3gのとき、発生した二酸化炭素の重さは何gですか。
(6) 用いた木炭の重さが0.15gのとき、試験管内に残った赤色の銅の重さは何gですか。
(7) 用いた木炭の重さが0.45gのとき、試験管内に残った黒色の固体の重さは何gですか。
(8) 銅を12gつくるために必要な酸化銅の重さは、少なくとも何gですか。また、このとき必要な木炭の重さは、少なくとも何gですか。


まず「たたら鉄」ですが、不完全燃焼を起こすことで、一酸化炭素が発生します。この一酸化炭素は二酸化炭素になるために、酸素を吸収しようとする性質を持っているので、酸化鉄の酸素を奪います。
その結果として純度の高い鉄ができることになります。
したがって(1)は一酸化炭素。
(2)一酸化炭素は有毒な気体ですから、イ
(3)鉄と砂鉄の共通な性質は、磁石につくことですからエ

となります。次に今度は酸化銅から銅を取り出す実験ですが、これも原理は同じで、一酸化炭素を発生させて、酸化銅から酸素を奪います。

(4)木炭の重さが0.3gのとき、ちょうどすべての酸化銅が銅に変わります。ということは酸化銅はそれ以降は残っていないので、黒色の固体は木炭になります。
したがって0.2gのときは酸化銅だけが残っていることになり、0.4gのときは木炭しか残っていませんから、イとカが正しくなります。

(5)用意した酸化銅は4.0gで木炭が0.3g 残った酸化銅が3.2gですから、4.0+0.3-3.2=1.1gがなくなっています。これができた二酸化炭素の量であることがわかります。

(6)木炭の重さが0.3gの半分ですから、できあがった銅も半分になるので、3.2÷2=1.6gになります。

(7)図2のグラフから(3.4-3.2)÷4×3=0.15gが残った木炭の重さになります。

(8)酸化銅4.0g 木炭0.3g 銅3.2gの比例関係を使います。
12÷3.2=3.75倍ですから、
酸化銅は4.0×3.75=15g
木炭は0.3×3.75=1.125g
が必要になります。

「映像教材、これでわかる水溶液」(田中貴)

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学校別クラス分け

大きい塾だと、ある学校別のクラスが2クラスとか3クラスある場合があります。

で、全員が参加する組み分け試験はもう終わっているところが多いが、このクラス分けがまだ続いていたりする。でもそろそろそれも終わりで、最終的にこのクラスかあ、というのがわかってきたりするかもしれません。

こういうところでは、1組目はまあ、大丈夫。とかまあ、塾や校舎内でそれなりに定説があるわけです。保護者会でも聞かれたかもしれないし、お母さんたちの話からも聞こえてくる。

そうなると、今のクラスでは「合格は難しいのでは?」と不安になってくるかもしれませんね。

この定説は統計的には正しいと思います。つまり例えば1組の80%と2組の20%が合格する、みたいは話は当たっているかもしれない。しかし、「誰か」が決まっているわけではないのです。

そして、このクラス分けはある意味かなり僅差の勝負をやっている話ではあると思うのです。それでも順位はつくし、クラスの定員が決まっているから、1組と2組みに分かれてしまうわけでしょう?もしかしたら、全体のレベルで考えると2組も相当良いところまで行っている可能性はある。

ところが、塾の先生たちは、やはり「安全に」受験させることを考えます。だから、あまりに強気の志望校を並べないように伏線を張る。

「2組なので、やはり2日は押さえておきましょうね。」

みたいな話です。

だから、そこはもう安全校をしっかり確保している、というのであれば、あとは遠慮することはない。しっかり狙っていきましょう。ここで第一志望校を変える必要はありません。ここまでがんばってきたのだから、あと少し。

数字は変えられるものです。

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複数回受験で学校が変わる

以前は複数回受験をする学校はあまり多くはなかったと思います。しかし、今は1回で入試を終える学校の方が少ないでしょう。

回数を多くし、受験機会を増やすことで、なるべく優秀な層を集めたいという意図があるわけですが、一方で一回の受験の定員が減るために、試験の偏差値は上がります。

例えば1回だけの試験で120名取っていた学校が60名を2回にすることによって、偏差値は上がることが多い。それだけ難しいと思ってもらえれば、これは逆に受験生を集めることができたので、多くの学校がこのシステムを採用してきました。

ある名門の女子校がありました。伝統校で、まあお嬢様学校的な見られ方をしていた。しかし、ある一定の評価以上に学校は上がっていかない。その学校は2月1日の入試だけだったので、いろいろ議論をした結果として2月3日に2回目の入試を行うことにしました。

ただ、これには反対論もあった。ひとつには、入試の作業が増える。まあ、2回やれば当然、2回分の問題は作らないといけないし、学校も休みにしないといけない。さらに、根強い反対としてあったのが、「第一志望でない子が入学する可能性が増える。」ということでした。

それまで1日だけで入試を行っていたので、第一志望の子がほとんどだったそうですが、2回目は3日ということもあり、2月1日に他の学校を受験してきた子どもたちが受験するようになる。そうすると第一志望ではない子が来る可能性があるので、学校の雰囲気が変わる可能性がある。これはあまり良いことではないのではないか?

当時の議論の結果としては、それでも学校を活性化させたいという狙いの方が強かったために、この3日入試は実施されました。

結果として、完全に二層の学校の構造になったそうです。1日組と3日組に分かれる。1日組は以前と変わらず、比較的のんびりとした層。3日組は、やはり次の大学受験を狙って「がんばる」層。学校の狙いとしては3日組が1日組に与える影響が、また活性化のもとになると考えていたようですし、多少なりともその効果があったという意見もあります。一方で、「やはり学校の雰囲気が変わってしまった」と感じられる先生やOGはおられるようです。

現在までのところ、この入試制度は変わっていないので、それでも学校にとってはこの入試改革はプラスになったと考えられていると思います。

以前、お話を聞いたところで言えば、1日のレベルが充分に上がってきたら、3日は取りやめる、ということのようでしたが、まだそこまではたどり着いていない、ということなのでしょう。

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